スポーツカー選びにおいてシビックタイプRにオートマがあるかどうかは、多くの人が検索する疑問のひとつです。
2025年現在、ホンダのシビックタイプRはすべてマニュアルトランスミッション(MT)専用であり、オートマ(AT)仕様は存在しません。では、オートマが選べない理由にはどういった背景があるのでしょうか?
この記事では、なぜMTにこだわるのか開発思想を探るとともに、DCTやCVTではなくMTを選んだ背景を詳しく紐解いていきます。
AT搭載のライバル車との違いと選び方を比較しながら、オートマがないからこそ価値がある理由についても深掘りしていきます。最後に、そもそもシビックタイプRはどんな車か再確認し、本質的な魅力を見つめ直します。
オートマの有無で悩んでいる方にこそ、ぜひ読んでいただきたい内容です。
・シビックタイプRにはオートマ仕様
・なぜホンダがMTにこだわり
・セミオートマやDCTが採用されていない理由
・中古市場での“オートマ風”車両に注意すべき点
シビックタイプRにオートマは本当にないのか?

・オートマが選べない理由とは?
・なぜMTにこだわるのか開発思想を探る
・DCTやCVTではなくMTを選んだ背景
・「シビックタイプRにセミオートマ」は存在するのか
・新型FL5モデルにもオートマはあるのか?
・AT非設定のメリットとデメリットを比較
オートマが選べない理由とは?
シビックタイプRには、2025年現在においてオートマチック(AT)仕様は設定されていません。
このことに疑問を抱く方も少なくないでしょう。日常の利便性や渋滞時の快適性を重視すればAT車の方が扱いやすいため、「なぜあえて不便なMTなのか」と考えるのは自然なことです。しかし、ここにこそシビックタイプRがスポーツモデルとして一貫して守り続けてきた本質が隠されています。
まず、AT車は構造上、ドライバーの操作を電子制御で補完する仕組みとなっています。
これは都市部の渋滞や長距離移動では大きなメリットになりますが、逆にいえば、ドライバーの意図した通りの挙動を100%引き出すことは難しくなります。
特にサーキット走行やワインディングロードでは、わずかな遅れや意図しないシフトチェンジが走行の安定性やドライバーの操作感に影響を与えてしまうのです。
一方で、マニュアルトランスミッションはクラッチ操作やシフトチェンジをすべてドライバー自身が担います。そのため、エンジン回転数を緻密にコントロールしながら理想的な加速や減速を引き出せるのが最大の利点です。
こうした“操る楽しさ”こそが、シビックタイプRの開発思想に深く根差している要素となります。
現在では技術の進歩によってDCTや最新ATも非常に速くなっており、ラップタイムの短縮という意味ではMTを上回ることもあります。しかし、ホンダがタイプRに求めたのは単なる速さではなく、「人がクルマを操るという感覚そのもの」だったのです。
つまり、ATを設定しないのはコストや技術力の問題ではなく、スポーツドライビングを純粋に楽しんでほしいというブランドの強いメッセージであると考えられます。
なぜMTにこだわるのか開発思想を探る

シビックタイプRがマニュアルトランスミッション(MT)にこだわる背景には、ホンダの開発チームが長年守り続けてきた「ドライバーとクルマの一体感」という思想があります。
ただ速く走るだけであれば、自動変速の利便性や素早いギアチェンジを実現できるDCTの導入でも構いません。しかし、シビックタイプRは速さ以上に“運転の楽しさ”を最重視しているのです。
このこだわりは初代タイプRが登場した1990年代から変わっていません。
常にドライバーが中心であり、車体の挙動を足と手で感じながら操縦できることに重きを置いてきました。MT車はその点で、クラッチのつながりやエンジン回転数、タイヤのグリップ感といった情報をダイレクトにドライバーに伝えてくれます。
「このクルマは自分の身体の延長だ」と感じられるのは、機械的なつながりを残したMTならではの魅力です。これにより、ドライバーの意思と動作が直結し、走る喜びがより明確になります。
また、MTを選ぶことで操作ミスやシフトチェンジの精度が問われる場面もありますが、そこも含めて“学び”と“鍛錬”を重ねていく工程こそが、スポーツカーを乗りこなす醍醐味でもあります。
これは多くのユーザーがシビックタイプRを「操る楽しさのあるマシン」として評価している理由にもなっています。
したがって、MTにこだわるのは時代に逆行しているのではなく、むしろ「クルマを通じて人間の感覚を研ぎ澄ます体験」を提供し続けているというホンダの哲学と捉えるべきでしょう。
DCTやCVTではなくMTを選んだ背景
ホンダがシビックタイプRにDCT(デュアルクラッチトランスミッション)やCVT(無段変速機)を採用しなかった理由は単なる技術的制約ではありません。
実はホンダは過去にNSXやヴェゼルなどでDCTを実用化しており、そのノウハウを持っています。それにもかかわらずMTにこだわった背景には、深い意図があるのです。
DCTは変速速度が速く、効率の良さという点で非常に優れています。
CVTもまた、滑らかな加速や燃費性能に優れています。しかし、これらのトランスミッションは「乗りやすさ」や「効率の良さ」を追求する一方で、運転そのものの感覚や機械との一体感を薄れさせてしまう傾向があります。
タイプRが目指したのは“究極のFFスポーツ”。そのためには、ドライバーが機械を完全にコントロールしているという感覚を得られることが不可欠です。
そこで選ばれたのが、6速MTという選択肢でした。MTは人の操作がすべての挙動に反映されるため、クルマとの対話が生まれます。この“対話感”こそがタイプRに求められている最大の価値とされています。
また、市販車でFF最速を目指すという目標においても、MTは適切なギア比設定とエンジン特性のマッチングが可能です。ドライバーの熟練度次第でそのポテンシャルを存分に引き出せるのもMTならではの魅力といえるでしょう。
こうした理由から、ホンダは「速さ」と「楽しさ」を両立できるMTをあえて選び、タイプRのDNAを貫いたのです。
「シビックタイプRにセミオートマ」は存在するのか

セミオートマとは、基本的にはクラッチ操作を自動化しつつ、シフトチェンジは手動で行うトランスミッションのことを指します。パドルシフト付きのDCTなどがその代表格です。では、シビックタイプRにはこうしたセミオートマの設定はあるのでしょうか。
結論からいえば、2025年時点での新型シビックタイプR(FL5型)にはセミオートマの設定はありません。完全な6速MTのみが用意されており、パドルシフトやDCTの採用も見送られています。この決定は「操作することに価値がある」というタイプRシリーズの哲学に基づいたものです。
確かに、セミオートマがあれば、渋滞時の疲労軽減やアクセルレスポンスの速さなど、日常走行においては利点も多いでしょう。
とくに都市部に住むユーザーや初心者には魅力的に映るかもしれません。
しかし、タイプRは万人受けを狙ったクルマではなく、あくまで“運転好き”に向けたモデルです。自らクラッチを操作し、シフトを操る工程こそが、ドライビングプレジャーの本質であるという思想が根底にあります。
また、ホンダの開発陣は「タイプRはあくまでMTでなければならない」と明言しており、その姿勢にブレはありません。現時点ではセミオートマの導入予定も公表されておらず、将来的なモデルチェンジを含めてもその方向性が大きく変わる兆しは見えていません。
そのため、「タイプRの走りを味わいたい」と考えている方にとっては、MTに慣れることが大前提となります。運転に自信がなくても、練習していくうちにその魅力に気づくはずです。むしろ、そこから得られる達成感こそが、他のクルマにはない最大の価値といえるでしょう。
新型FL5モデルにもオートマはあるのか?
2022年に登場したシビックタイプRのFL5型モデルは、発表当初から大きな注目を集めました。その注目ポイントのひとつが、「新型にもAT(オートマ)はあるのか?」という点です。
結論を言えば、新型FL5モデルにもATの設定は存在しません。ラインナップは6速マニュアルトランスミッション(MT)のみとなっており、オートマチックやセミオートマといったバリエーションは公式には提供されていないのです。
このように聞くと、「なぜ今どきATがないのか?」と感じる方もいるでしょう。
確かに、最近のスポーツモデルではパドルシフト付きのDCTや高性能ATが主流になりつつあります。例えばトヨタのGRヤリスや日産のGT-Rは、高速な変速と制御を可能にするAT系トランスミッションを搭載しており、街乗りからサーキットまで幅広く対応しています。
一方で、FL5型シビックタイプRは“ピュアスポーツ”をコンセプトにしており、「ドライバー自身が操ること」に重きを置いて開発されています。
特にクラッチ操作を含めたシフトチェンジによって、ドライバーがより深くクルマと対話できる構造は、MTならではの魅力です。こうした思想から、FL5モデルもあえてATを排除し、純粋なMT一本にこだわっているのです。
メーカーの公式発表によれば、DCTやATの開発技術自体は十分にあるものの、「クルマを操る楽しさを最大限に引き出すにはMTが最適」と判断されたとのこと。つまり、新型FL5モデルにオートマが存在しないのは“時代遅れ”ではなく、“意図的な選択”なのです。
AT非設定のメリットとデメリットを比較
シビックタイプRにおいて、オートマチック(AT)が設定されていないことには明確な意図があります。ここでは、MTのみが設定されていることによるメリットとデメリットを、初めての方にもわかりやすく比較していきます。
まず、最大のメリットは「運転する楽しさが際立つ」という点です。MT車ではドライバーがシフトチェンジのタイミングを自分で決め、クラッチ操作を行います。この一連の動作によって、エンジンの鼓動や車体の挙動をダイレクトに感じ取ることができます。
これにより、「クルマと一体になっている感覚」が生まれ、それがシビックタイプRを選ぶ最大の理由にもなっているのです。
また、MTは構造がシンプルな分、軽量で壊れにくいという利点もあります。結果として、車両重量の抑制につながり、パワーウェイトレシオの観点でも有利です。さらに、一定の条件下では燃費も良くなることがあるため、実用性の面でもメリットは存在します。
ただし、デメリットも無視できません。
特に都市部での渋滞時には頻繁なクラッチ操作が必要となり、疲労がたまりやすいという点があります。加えて、MT車の操作に慣れていない初心者にとっては発進や坂道発進が難しく、最初のハードルが高く感じられるでしょう。
AT車であれば誰でも気軽に乗れるという点で、やはり使い勝手の差は否めません。
このように、MT設定のみという構成には明確な魅力がある一方で、万人向けとは言い切れない側面もあるのです。シビックタイプRを検討する際には、このメリットとデメリットをしっかり理解して、自分のライフスタイルや運転環境に合うかどうかを見極めることが大切です。
シビックタイプRのオートマ風モデルを中古市場で探す

・シビックのタイプRにオートマ化のカスタム事情
・中古で見かける“オートマ風”モデルに注意
・「ホンダ・シビックタイプRのオートマ」の中古相場は?
・AT付きライバル車との違いと選び方
・オートマがないからこそ価値がある理由
・そもそもシビックタイプRはどんな車か再確認
シビックのタイプRにオートマ化のカスタム事情
一部のユーザーの間では、「どうしてもシビックタイプRをオートマで乗りたい」という希望から、ATへのカスタム(いわゆる“オートマ化”)を検討するケースも存在します。しかし、これは想像以上にハードルが高く、実際に行われることは非常に稀です。
まず前提として、タイプRはその構造自体がMT専用設計になっています。エンジン制御、ECU、駆動系、クラッチペダル周りなど、すべてがMTとの連動を前提に作られており、AT化にはこれらのシステムを根本的に改造する必要があります。
さらに、車検対応や構造変更申請など法的な手続きも伴うため、簡単に「載せ替える」というわけにはいきません。
実際にオートマ化した事例はゼロではないものの、かなりの費用と時間がかかる上、性能が本来の設計意図とズレる可能性もあります。
シフトタイミングのズレや制御ミスによって、エンジンやトランスミッションに負荷がかかることもあり、結果的に本来のパフォーマンスを損ねてしまうリスクもあるのです。
また、仮にオートマ化が成功したとしても、タイプRの醍醐味である「操る楽しさ」は大きく損なわれることになります。これは単なる便利装備の追加ではなく、クルマの根本にある哲学に反する行為とも言えるでしょう。
つまり、タイプRの魅力を最大限に引き出すためには、そのままのMT仕様で乗るのがベストです。どうしてもATでタイプRのような走りを楽しみたいという方には、ホンダ以外のブランドでATスポーツモデルを選ぶのも一つの方法です。
中古で見かける“オートマ風”モデルに注意

中古車市場を見ていると、「タイプR オートマ」と記載された車両が稀にヒットすることがあります。一見すると「タイプRにATがあったのか?」と誤解してしまいそうですが、実はその多くは“オートマ風”に仕立てられた車両、あるいは別グレードをベースにしたカスタム車です。
例えば、シビックの標準モデルやSiグレードをベースに、エアロパーツやエンブレムだけをタイプR風に換装した車両が「タイプR仕様」として販売されることがあります。こうしたモデルは見た目こそタイプRに似ていますが、中身はまったく別物です。
エンジンやサスペンション、ブレーキ系統に至るまで異なっており、真のタイプRが持つ走行性能や一体感を味わうことはできません。
さらに厄介なのは、販売店が明確に「これはカスタム仕様です」と明記していないケースです。初心者の方やタイプRに詳しくない方が、誤って“ニセR”を購入してしまう事例も実際に報告されています。
このようなリスクを避けるためにも、中古車を購入する際は必ず車両の型式、トランスミッション形式、エンジン型式を確認しましょう。FL5型であれば6速MTであるはずですし、純正のエンブレムや内装のディテールなども重要なチェックポイントです。
一方で、正式なタイプRにATが存在しないことを前提に、「AT仕様のタイプR」といった表記がされている場合には、疑ってかかる姿勢が必要です。信頼できる店舗で、きちんと整備記録や履歴が確認できる中古車を選ぶことが、後悔しない買い物の第一歩と言えるでしょう。
「ホンダ・シビックタイプRのオートマ」の中古相場は?
まず結論からお伝えすると、「ホンダ・シビックタイプRのオートマ」というモデルは存在しないため、中古市場における“オートマのタイプR”は実際には存在しません。
ただし、一部の販売店では、類似グレードや外装のみをタイプR風にカスタムしたシビックを「オートマタイプR風」と表記して販売しているケースがあるため、検索結果には表示されることがあります。
このような車両は、見た目はタイプRに近くても、パワートレインやシャシー、サスペンションセッティングなどの中身は全く異なることが多いため、購入には注意が必要です。
特に「ATでタイプRを探している」という方が、中古車情報サイトでヒットした物件に飛びついてしまうと、後になって「これタイプRじゃなかった」と気づくこともあります。
一方、本物のシビックタイプR(MT車)の中古相場は、年式やモデルによって大きく異なります。
たとえば、直近で販売されたFK8型(2017年〜2021年)は、走行距離3万〜5万km前後の個体であっても400〜500万円台が相場となっており、プレミアム価格で取引されている状況です。これは、MT専用で希少性が高いという事情も相まって、中古価格がなかなか下がらない理由のひとつとなっています。
つまり、「ホンダ・シビックタイプRのオートマ中古車を探す」という行為自体が誤解を含んでいる可能性があるのです。中古車を検討する際は、必ず「トランスミッションの種類」「車両型式」「実際のエンジン仕様」を確認することが、納得のいく買い物につながる鍵となります。
AT付きライバル車との違いと選び方

現在のスポーツカー市場では、AT(オートマチック)やDCT(デュアルクラッチトランスミッション)を搭載したモデルが増えており、MT(マニュアルトランスミッション)専用のクルマはむしろ少数派になっています。
その中で、シビックタイプRの存在は非常にユニークであり、選び方においては明確な基準が必要です。
例えば、トヨタGRヤリスやスープラ、日産フェアレディZといった国産スポーツカーはATモデルも展開しており、誰にでも扱いやすいという点で高い支持を得ています。
これらのモデルは、スポーティな走りをしながらも日常性を保っており、運転の負担が少ないことが大きなメリットです。特に通勤や街乗りがメインとなる方にとっては、AT付きモデルのほうが圧倒的に利便性が高いと言えるでしょう。
一方で、シビックタイプRはあえてMTのみの設定とされており、「クルマを操る楽しさ」を最重要視する方に向けた選択肢です。ATに比べて操作が煩雑である一方で、運転そのものに集中できる設計は、クルマ好きにとっては大きな魅力となります。
実際、シフトチェンジのタイミングやクラッチ操作を自分の手でコントロールできることで、車体の挙動を直感的に理解できるというメリットもあります。
このように、ライバル車と比べたとき、シビックタイプRは「速さ」や「スペック」ではなく、「体感」と「操作性」に特化している点が際立っています。運転の主導権を自分が完全に握りたいと考えている方にとって、これほど理想に近いクルマは他にありません。
どちらが優れているかではなく、「どのように運転したいのか」で選ぶべきモデルだといえます。
オートマがないからこそ価値がある理由
シビックタイプRは、現代のクルマ業界において稀有な存在です。
なぜなら、利便性を求める流れが強い今の市場で、あえてオートマを排除し、マニュアル専用として開発され続けているからです。この“頑なさ”こそが、むしろ価値を生み出しているという視点もあります。
多くの車種がCVTやATを搭載する中、MTモデルは次第に希少になっています。
特に新車でMTを選べるスポーツカーは年々減っており、免許制度もAT限定が主流となるなど、MTに対する敷居が高くなっているのが現実です。そのような時代背景において、シビックタイプRがMT専用であることは、単なる選択肢ではなく、ひとつの“意志表示”でもあるのです。
加えて、MT車は操作をすべてドライバー自身が担うため、クルマの挙動や反応をダイレクトに体感できます。
シフトミスがあれば走りに影響が出るため、運転には集中力と練習が求められますが、それが「操る楽しさ」につながります。このような緊張感と達成感を味わえる車は、もはや貴重な存在と言えるでしょう。
また、MTを操れるということ自体が、一部のユーザーにとっては“ステータス”でもあります。
運転技術が必要とされるがゆえに、MT車を自在に操れる人には一定の尊敬が集まることもあります。つまり、シビックタイプRがオートマを設定しないのは、単なる機能の問題ではなく、ブランドイメージや所有体験そのものに深く関わる要素なのです。
こうした背景を知ると、「なぜATを出さないのか?」ではなく、「ATがないからこそ価値がある」と捉えることができるようになります。MTの操作を楽しめる人にとって、シビックタイプRはまさに“最後の砦”とも言える存在でしょう。
そもそもシビックタイプRはどんな車か再確認
シビックタイプRとは、ホンダが誇るスポーツコンパクトカーの最高峰であり、「操る楽しさ」と「実用性」を極限まで両立させたモデルです。
その歴史は1997年の初代EK9型から始まり、現在のFL5型に至るまで、数々の進化を遂げながらも基本思想は一貫しています。それは、“FF最速”を目指すと同時に、“ドライバーとの一体感”を重視するというコンセプトです。
もともとシビックは、コンパクトで燃費の良い実用車というイメージが強いモデルでした。しかし、そこに高性能なエンジンと専用シャシー、サスペンションを与え、「誰でも手の届くスポーツカー」に昇華させたのがタイプRの存在です。
ホンダのエンジニアたちは、レース技術を惜しみなく投入しながら、日常の使いやすさも忘れずに仕上げてきました。
特徴的なのは、毎世代ごとに異なる味付けがされている点です。
例えば、自然吸気エンジンの高回転型だったEK9やDC2では、NA特有の“回す楽しさ”が魅力でした。対して現行FL5型はターボエンジンを採用し、より力強く、高速域でも安定した加速を可能にしています。ただし、どのモデルにも共通しているのは、6速MTを中心に設計されている点です。
また、タイプRは単なる“速いクルマ”ではありません。サーキットでのラップタイムだけでなく、ドライバーが思い通りに操れるフィーリングや、しっかりと止まるブレーキ性能など、トータルでのバランスが非常に高いのが魅力です。
その結果、世界中のクルマ好きから愛され、長年にわたり“ホンダスポーツの象徴”としての地位を築いてきました。つまり、シビックタイプRとは「走りを追求しながらも、普段使いができる現代のピュアスポーツ」として再評価されるべき1台なのです。
まとめ:シビックタイプRのオートマについて

・シビックタイプRにはオートマの設定がない
・2025年時点の最新FL5型も6速MTのみを採用
・セミオートマやDCTの搭載も行われていない
・オートマ非採用はホンダの開発思想によるもの
・ATよりも運転の一体感を重視している
・MTによる「操る楽しさ」を最優先している
・ホンダはDCTの技術を持っているが採用していない
・オートマ化のカスタムは可能だが非常に困難
・中古市場には“オートマ風”の偽Rが存在するため注意が必要
・タイプRのMT構成は操作性と軽量化にも貢献している
・渋滞時や街乗りではMTが不便と感じることもある
・オートマを設定しないことがタイプRの価値になっている
・AT付きライバル車と比べて「体感性能」で差別化されている
・本物のタイプRはエンジンや足回りが専用設計
・シビックタイプRは“FF最速”を狙ったピュアスポーツカーである
・シビックe:HEVの中古を買う前に必ず知るべき相場・購入ポイント
・シビックのRSは何馬力?タイプR・e:HEVとの違いを比較