日産セレナに乗っている方や、これからタイヤ交換を自分でしようとしている方にとって、「セレナタイヤの締め付けトルク」の情報はとても大切です。
モデルごとに異なる締め付けトルクを正しく把握しなければ、安全走行に大きな影響が出る可能性もあります。とくにC26型、C27型、そして最新のC28型では、それぞれのホイール締め付けトルクやナットのサイズに微妙な違いがあります。
今回の記事では「世代で異なるセレナのトルク値とは?」という視点から、C26型セレナのホイール締め付けトルク、C27セレナのホイールナットトルクの特徴、C28型のホイールナットサイズと推奨トルクなどを詳しく解説していきます。
セレナのタイヤ交換を安全かつ確実に行いたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
・セレナの世代ごとのタイヤ締め付けトルク
・ホイールナットのサイズや規格、トルク基準
・ジャッキアップやタイヤ交換時の注意点
・トルク管理ミスによるトラブルの防止方法
セレナタイヤの締め付けトルクの正しい知識と型式別違い

・世代で異なるセレナのトルク値とは?
・C26型セレナのホイール締め付けトルク
・C27セレナのホイールナットトルクの特徴
・C28型のホイールナットサイズと推奨トルク
・タイヤナットの規格と日産の基本トルク基準
・タイヤ ナットの再使用可否と注意点
世代で異なるセレナのトルク値とは?
セレナは年式や型式ごとに設計が異なるため、ホイールナットの締め付けトルクも世代によって変化があります。このため、整備やタイヤ交換時には「型式に応じた正確なトルク値」を理解しておくことが非常に重要です。
なぜならば、誤ったトルクで締め付けると、ナットが緩んでしまったり、逆にボルトが破損してしまうなど、安全性に大きな影響を及ぼすからです。これは乗員の命を守るためにも無視できないポイントです。
例えば、旧型のC25セレナでは105N・m前後の締め付けトルクが推奨されていましたが、C26やC27、最新のC28型では108N・mが標準値とされています。この数値の違いはわずかに見えるかもしれませんが、車両の設計やホイールの素材・ナット形状の変更に伴い、わずかな調整が行われているのです。
また、純正ホイールと社外ホイールでは、トルクだけでなくナット形状も異なる場合があります。このときもメーカーが指定する値を基準に締め付けることが求められます。
このように、セレナの締め付けトルクは世代ごとに微妙な違いがあるため、整備マニュアルや車両取扱説明書を必ず確認し、適正なトルク管理を心がける必要があります。タイヤ交換をDIYで行う場合も、トルクレンチを用いて正確に締め付けることが推奨されます。
C26型セレナのホイール締め付けトルク

C26型セレナは、2010年から2016年まで販売されたモデルで、現在も多くの車両が現役で走行しています。このC26型のホイールナット締め付けトルクは、108N・m(11kgf・m)が推奨値とされています。
これは、一般的な日産車と同様の規格に沿った数値です。
まず大前提として、このトルク値を守ることは、ホイールの脱落や変形を防ぐうえで非常に重要です。ゆるく締めると、走行中にナットが緩んでしまい事故につながる危険がありますし、強く締めすぎるとネジ山を痛めて再利用が困難になります。
C26型のようなミニバンは、車体重量が比較的重いため、ホイールやタイヤへの負荷も大きくなります。そのため、メーカーが定めた締め付けトルクを厳守する必要があります。また、タイヤ交換時には4本すべて同じトルクで均等に締めることが基本です。
さらに、C26型のホイール交換時にはアルミホイールの荷重制限にも注意しましょう。社外品を使う際は、日産販売店に相談し、適合確認を取ることがトラブル防止につながります。
最後に、締め付け後は100km程度走行したあと、ナットの緩みがないかを再チェックするのが望ましいです。これにより、安全性をさらに高めることができます。
C27セレナのホイールナットトルクの特徴
C27型セレナは2016年以降に登場したモデルで、e-POWER仕様もラインアップに加わるなど、電動化が進んだ世代です。このモデルのホイールナット締め付けトルクは、基本的に108N・m(11kgf・m)とされています。
この数値自体はC26型と大きく変わりませんが、C27型では足回りの構造と重量バランスに変化があったことから、トルク管理の重要性がより高くなっています。特にe-POWER車はバッテリーやモーターの搭載によって前後重量配分が異なり、走行時のタイヤへの負荷が異なる傾向があります。
また、ホイールナットは「星形」に順番を意識して締め付けるのが基本です。これにより、均等な圧力でホイールが取り付けられ、歪みやブレを防げます。締め付ける際は、まず仮締めで順番を守り、最後に規定トルクで本締めするのが基本の手順です。
さらにC27型では、空気圧センサーを搭載している車両もあるため、タイヤ交換時にはセンサーを破損させないよう十分に注意しましょう。センサー部分に負荷をかけると、走行中に空気圧警告が表示される原因になります。
トルク管理と合わせて空気圧やセンサーの保護まで含めたメンテナンスを行うことで、安全性と快適性を両立できます。
C28型のホイールナットサイズと推奨トルク

C28型セレナは最新モデルとして登場し、安全性能や走行支援機能の面で大幅な進化を遂げています。それにともない、ホイールやタイヤ周辺の設計にも微調整が加えられており、ホイールナットに関しても注目すべきポイントがいくつかあります。
まずホイールナットのサイズですが、C28型では標準でM12×P1.25のサイズが使用されています。この規格は日産車では一般的ですが、社外ホイールを取り付ける際にはナット形状の適合に注意が必要です。
テーパー角が異なるナットを使うと、ホイールがしっかり密着せず、走行中の振動や外れのリスクを高めてしまいます。
推奨されている締め付けトルクは108N・mで、C27型から引き続き同じ数値が採用されています。これはアルミホイールを装着する際にも共通の基準ですが、荷重制限を超えるホイールを取り付けると強度不足となり、走行中にホイールが歪む危険性があります。
また、ナットの締めすぎはねじ山の損傷につながり、再利用が困難になるため、必ずトルクレンチを使用して調整しましょう。力任せに締めても安全性は高まりません。
加えて、ナットの再使用時には、ねじ山の状態や変形の有無を確認し、劣化している場合は新品への交換も検討してください。このように、C28型はナットサイズ・締め付けトルク・ホイール適合性をセットで考慮することで、車両本来の性能を維持できます。
タイヤナットの規格と日産の基本トルク基準
日産車のタイヤナットは、多くのモデルで共通の規格が採用されており、M12×P1.25というサイズが標準です。この「M12」とはボルトの直径を、「P1.25」はピッチ、つまりネジ山の間隔を表しています。
市販のナットにもさまざまな規格がありますが、これを誤って選ぶとしっかりと固定されず、脱輪事故の原因になることもあるため注意が必要です。
加えて、ナットには座面形状(テーパー、球面、平面など)という要素もあります。日産の純正ホイールに使われるナットはテーパータイプで、ホイールと接触する部分が円錐状になっています。これにより走行中の衝撃にも耐え、ナットの緩みを防ぐ設計がされています。
また、締め付けトルクについては多くの現行モデルで108N・m(ニュートンメートル)が推奨されています。
これは11kgf・mと同義で、強すぎず、弱すぎず、ホイールを確実に固定できる力です。このトルクで締めることによって、ブレーキディスクやハブボルトの変形を防ぎ、安全に走行できるようになります。
ただ単に「締めればいい」という考えではなく、正確な規格とトルク管理が求められるのです。これを理解せずに適当なナットやトルクで作業すると、車両に深刻なダメージを与えることもあるため、DIY作業時は特に注意が必要です。
タイヤ ナットの再使用可否と注意点

タイヤ交換をする際、多くの人が「今までのナットを再利用しても問題ないのか?」と疑問に思うのではないでしょうか。実際、ナットはある程度の耐久性を持って設計されていますが、無制限に使えるわけではありません。
再使用が可能かどうかは、ナットの状態や使い方によって大きく変わってきます。
例えば、締めすぎによってネジ山がつぶれている場合や、サビや変形が見られる場合には、安全のために新品に交換するのが望ましいです。
特に、インパクトレンチを使って過剰なトルクで締めた経験がある方は、ナット内部の金属疲労が進行している可能性があるため、見た目に異常がなくても慎重に判断すべきです。
また、再使用する際は、座面(ホイールに接触する部分)に傷や摩耗がないかも確認しておきましょう。座面が傷んでいると、ホイールとの密着が不十分になり、走行中に緩んでしまうおそれがあります。これにより、ブレーキ性能の低下や異音の発生にもつながりかねません。
一方で、状態が良好であれば、同じホイール・ナット構成で再使用することは基本的に可能です。
ただし、新品時よりもナットの強度がわずかに劣化しているという前提で、確実にトルクレンチを用いて締めるようにしましょう。安易な使いまわしは、思わぬ事故につながる恐れがあります。
セレナタイヤの締め付けトルクと交換時のポイント

・ジャッキアップポイントはどこ?
・タイヤ交換で失敗しないための基本ステップ
・トルクレンチを使った締め付けのコツ
・空気圧とトルク管理の関係を理解する
・セレナのタイヤ交換を自分でするときの注意点
・締め付けすぎ・不足によるトラブル事例
ジャッキアップポイントはどこ?
タイヤ交換を自分で行う場合、もっとも重要なのが「正しいジャッキアップポイントを把握しているかどうか」です。間違った位置にジャッキをかけてしまうと、車体やフレームを破損してしまう危険があるため、事前の確認は必須です。
多くの日産セレナシリーズでは、車体のサイドシル下部にある凹み部分がジャッキアップポイントとして指定されています。
具体的には、前後のホイール近くにある補強された部分で、金属が二重になっており、他の箇所と比べて明らかに強度があることが分かります。ここにジャッキを正しく当てることで、安全に車体を持ち上げることが可能になります。
また、車両にはスペアタイヤ用のジャッキや専用工具が搭載されていますが、家庭用ジャッキを使用する場合は、十分な耐荷重を持つ製品を選ぶ必要があります。ミニバンのように重量がある車では、安価で小型のジャッキは安定性に欠け、バランスを崩して事故につながる可能性があります。
一方で、ガレージジャッキを使う場合には、車体中央のクロスメンバー部分に対応するポイントもあります。ただし、この操作はやや上級者向けであるため、初心者にはサイドシルのポイントを利用した4輪ジャッキアップが推奨されます。
念のため、タイヤ交換前には必ずオーナーズマニュアルを確認し、ジャッキアップポイントの位置を写真や図で確認しておくと安心です。
タイヤ交換で失敗しないための基本ステップ

タイヤ交換は一見すると簡単に思える作業ですが、手順を間違えると大きなトラブルを招くことがあります。そこで、失敗を避けるためには、基本的なステップをしっかり理解し、ひとつひとつ丁寧に実行することが大切です。
まず最初に確認すべきなのは、駐車場所の安全性です。水平で固い地面に車を停め、サイドブレーキをしっかり引いてください。必要であれば車止めを使用し、車両が動かないように固定します。
次に、ジャッキアップする前にナットを少しだけ緩めておきましょう。これを忘れてしまうと、タイヤが浮いた状態でナットを緩める際にホイールが空転してしまい、力がかけづらくなります。
その後、正しいジャッキアップポイントにジャッキをかけて車体を持ち上げます。このとき、タイヤが地面から1〜2cm浮く程度で十分です。完全に浮かせすぎると、ジャッキのバランスが不安定になります。
タイヤを取り外したら、交換するタイヤを取り付け、まずは対角線上に仮締めを行います。いきなり一箇所を強く締めすぎないことがポイントです。そして、車体を下ろした後にトルクレンチを使って、メーカー指定の締め付けトルク(例:108N・m)で本締めを行います。
最後に、100km程度走行した後に再度トルクチェックを行うことで、ナットの緩みを防ぐことができます。この工程を省略すると、長距離運転時に思わぬ危険が生じることがあるため要注意です。
トルクレンチを使った締め付けのコツ
タイヤのナットを正確に締めるためには、トルクレンチの使用が欠かせません。トルクレンチとは、一定の力(トルク)でボルトやナットを締めるための専用工具です。締め付けすぎや不足によるトラブルを未然に防ぐには、このツールの使い方を正しく理解しておく必要があります。
まず確認しておきたいのは、車種ごとの締め付けトルクの指定値です。セレナであれば、一般的に108N・mが推奨されています。この数値をトルクレンチの目盛に合わせることで、適切な力でナットを締めることができます。
次に注意したいのは締め付けの順番です。ナットは対角線の順に少しずつ均等に締めていきます。例えば、5穴のホイールであれば、1→3→5→2→4という順番が基本です。こうすることでホイールが均等に固定され、偏りによる振動や歪みを防げます。
さらに、仮締めの段階では軽く手で締め、トルクレンチは最終仕上げに使うのが理想です。ナットがホイール座面にしっかり密着した状態で本締めを行うことで、締め付け力が正確に伝わります。
そしてもう一つ重要なのが、トルクレンチの「カチッ」という感触です。これは設定したトルクに達したことを示すサインで、それ以上無理に回さないようにすることが大切です。過度に回してしまうと、せっかくの工具の意味が失われてしまいます。
このように、トルクレンチの使い方ひとつで、安全性と乗り心地に大きな差が出るのです。
空気圧とトルク管理の関係を理解する

タイヤのメンテナンスというと空気圧とトルク管理は別の話に思えるかもしれませんが、実際には深い関係があります。適切な空気圧が維持されていなければ、いくらナットを正しいトルクで締めても、安全な走行は確保できません。
まず空気圧が低すぎる場合、タイヤは走行中に潰れやすくなり、サイドウォールが異常に変形してしまいます。これにより、ホイールの固定部分にも負荷がかかり、ナットの緩みやハブボルトのたわみにつながる恐れがあります。
逆に、空気圧が高すぎるとタイヤの接地面積が減り、走行中の振動がダイレクトに伝わるため、ナットやホイールの締結部に不規則な力が加わります。
このような状況が続くと、定められたトルクで締めたはずのナットでも、走行中に緩んでしまうケースがあるのです。つまり、トルク管理は「締めるとき」だけで完結するものではなく、「締めた状態を維持する」ためにも、空気圧の管理が重要になります。
また、タイヤ交換のタイミングでは、ナットの締め付けと同時に空気圧のチェックもセットで行うのが理想です。空気圧は季節や外気温によって変化しやすいため、特に夏と冬のタイヤ交換時には注意が必要です。
セレナのようなミニバンでは乗車人数や荷物の量によっても適正空気圧が変わるため、運転席のドア内側に貼られている指定空気圧ラベルを参考にすると安心です。
セレナのタイヤ交換を自分でするときの注意点
セレナのタイヤを自分で交換する場合、手順や道具を把握していても、思わぬ失敗や怪我につながるリスクが存在します。そこで、安全かつ確実に作業を進めるための注意点をいくつか確認しておきましょう。
まず作業する場所ですが、傾斜のある場所や砂利道のような不安定な場所では絶対に行わないでください。車がジャッキアップされた状態でバランスを崩せば、転倒事故につながる危険性があります。アスファルトなど平坦で硬い場所を選び、さらに車止めを前後に設置しておくとより安全です。
次に工具の取り扱いです。ジャッキをかける位置を間違えると、車体が変形したり、ジャッキが外れて重大事故になる恐れがあります。事前に取扱説明書でジャッキアップポイントを確認し、正しい位置に設置しましょう。
ホイールナットを外す際にも注意が必要です。固く締まっているナットを無理に回すと、ボルトを傷めてしまうことがあります。この場合、クロスレンチではなく、ラチェットレンチやインパクトレンチを併用する方法もありますが、力のかけすぎには十分注意しましょう。
さらに、作業後には必ずトルクレンチで本締めを行うことが欠かせません。体感だけで「締まっている」と思い込んでいると、走行中にホイールが外れる危険もあります。
このように、道具の選定から作業環境の確認まで、慎重に準備と確認を行うことが、安全なタイヤ交換には欠かせません。
締め付けすぎ・不足によるトラブル事例

タイヤのナットは、正確なトルクで締めることが前提です。ですが、締め付けすぎや不足が原因で、実際に起きたトラブル事例は少なくありません。これらは車両の安全性を損なうだけでなく、最悪の場合は重大な事故につながる恐れがあります。
締め付けすぎのケースでは、ナットやボルトに過度な力が加わることで、ハブボルトがねじ切れてしまったという事例があります。この状態になると、走行中にナットが外れてしまい、ホイールが脱落するリスクが一気に高まります。
また、過剰なトルクはホイール自体にも歪みを生じさせ、ブレーキローターの変形につながった例も報告されています。
一方で締め付け不足の場合、タイヤの異音や振動から始まり、徐々にナットが緩み、最終的にホイールが外れるという深刻な結果を招くこともあります。あるユーザーは、高速道路で急にタイヤが外れ、他車を巻き込む事故に発展してしまったという悲劇も経験しています。
こうしたトラブルを防ぐためには、正確なトルク管理が最重要です。そしてもう一つ大切なのが、走行後100km程度での再確認。初期の走行でナットが若干緩むことがあるため、再トルクを習慣化することで、さらなる安全性を確保できます。
締めすぎも緩めすぎも、どちらも危険だということを理解し、適正な作業と定期的なチェックが事故予防の第一歩です。
まとめ:セレナタイヤの締め付けトルクについて

・セレナのホイールナットの締め付けトルクは108N・m(11kg・m)
・世代ごとにホイールナットトルクの指定は基本的に共通
・セレナC26・C27・C28すべて同じトルク基準が推奨されている
・アルミホイールには荷重制限があるため注意が必要
・バルブキャップは純正品を使用しないと固着するおそれがある
・バルブキャップは工具で締めると破損のリスクがある
・タイヤ交換時は4本同時に、同一銘柄・パターンを装着すべき
・タイヤ径が異なるとVDCシステムが正常作動しない場合がある
・摩耗差のあるタイヤやサイズ違いの装着は故障や事故につながる
・ホイールナットの締めすぎや緩みは安全上の重大リスク
・ホイールバランスの調整もトルク管理とセットで行うべき
・ロードホイールはリムサイズやインセットが合っていても車種適合が必要
・日産販売会社に相談することで確実なトルク管理が可能
・空気圧表示は運転席側ドア開口部で確認できる
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