「朝急いで車に乗ろうとしたら、セレナのエンジンがかからない…」そんな経験はありませんか?突然のエンジン始動トラブルは焦りや不安を呼びますが、実はその原因と対処法を知っておくだけで、落ち着いて対応できるようになります。
本記事では「セレナのエンジンがかからない」と検索してたどり着いた方に向けて、バッテリー上がりの見分け方から、キー警告灯や鍵マークの対処、ブレーキペダルが踏み込めないときの影響、そしてセルモーターの異音チェックまで、実践的な情報を幅広くまとめました。
さらに、e-POWER車ならではの始動トラブルや、リコール情報の確認方法にも触れています。セルが回らない・回るけれどエンジンがかからないなどの症状別チェックポイントや、冬場に起きやすいトラブルとその予防法までカバー。
インテリジェントキーの不具合や、エンジン始動に失敗したときに確認すべきリストも紹介しています。次の項目からは、一つずつ詳しく解説していきます。
・セレナのエンジンがかからない主な原因
・インテリジェントキーやブレーキ関連のトラブル対処法
・セルモーターの異常音やe-POWER特有の故障の兆候
・リコール情報の確認方法と始動失敗時のチェックリスト
セレナのエンジンがかからない時の原因と初期対処法

・バッテリー上がりが原因の見分け方
・キー警告灯や鍵マークが点灯した場合の対処
・ブレーキペダルが踏み込めないときの影響
・セルモーターの異常音と正常動作の違い
・e-POWER車特有のエンジントラブルとは
・リコール情報の確認方法と注意点
バッテリー上がりが原因の見分け方
セレナのエンジンがかからないとき、もっとも多い原因の一つが「バッテリー上がり」です。
この状態は、車の電力が不足しているためにセルモーターが回らなかったり、計器類が異常表示を示したりすることで判別できます。
特に「カチカチ」という小さな音がするもののエンジンがかからない場合や、メーターやナビの電源がついたり消えたりするような挙動があるときは要注意です。
このような兆候が見られるときは、まずルームランプやヘッドライトの点灯状況を確認してみましょう。ライトが極端に暗い、またはまったく点かない状態であれば、バッテリーの電圧が不足している可能性が高まります。
最近では、スマートフォンのアプリや市販の電圧チェッカーを使って簡易的にバッテリーの状態を確認することも可能です。
一方で、電気系統がまったく反応しない場合は、バッテリーのターミナルの緩みや腐食といった接続不良が原因となっているケースもあります。そのため、端子部分を目視で点検し、必要に応じて清掃や増し締めを行うことで改善する場合もあります。
これらの確認を行っても改善が見られない場合は、ジャンプスターターやブースターケーブルを用いた始動を試みることになりますが、正しい手順を踏まないと車両側に負担をかける可能性もあるため、慣れていない方はロードサービスの利用を検討するのが安心です。
セレナのようなアイドリングストップ付きの車両では、専用のバッテリーを使用している場合もあるため、交換時には適合品を選ぶよう注意しましょう。
キー警告灯や鍵マークが点灯した場合の対処

セレナのエンジンがかからず、メーター内に「鍵マーク」や「キー警告灯」が点灯しているときは、インテリジェントキーに関連する不具合が疑われます。
これはキーの電池が切れていたり、電波が車両に届かない状況で起こることが多く、特に屋内駐車場や電子機器が多い環境では通信が妨害される場合もあります。
まず、キーの電池が消耗していないか確認することが第一です。キーのボタン操作でドアロックやアンロックが反応しない場合は、電池切れの可能性が高く、交換が必要になります。
市販のボタン電池(CR2032など)を使って自分で交換することもできますが、交換後も反応しない場合は別の要因があるかもしれません。
このような状況でもエンジンを始動させたい場合、セレナには「非常始動モード」が用意されています。
セレナ|エンジンがかからない+鍵マーク点灯時の原因と対処まとめ
状況・症状 | 主な原因 | 対処方法・ポイント |
---|---|---|
メーターに鍵マーク/キー警告灯が点灯 | インテリジェントキーの通信不良 | 電池切れ、または電波干渉の可能性 |
ドアロック/アンロックが反応しない | キー電池の消耗(CR2032など) | 電池を新品に交換。自分でも交換可能 |
電池交換後も反応しない | キー本体の故障、または車両側受信機の不具合 | 予備キーで再確認、それでも無反応ならディーラーで点検 |
エンジンがかからないが、電源は入る | 通信が弱い or 瞬時の読み取りエラー | 「非常始動モード」を試す |
非常始動モードの手順 | インテリジェントキーをスタートボタンに直接押し当ててエンジン始動 | 取扱説明書にも記載あり。電池が弱くても通信可能 |
屋内駐車場や電波干渉の多い場所 | 周囲の電子機器による電波妨害 | 車外へ移動または窓を開けるなどして再操作。通信環境を変える |
鍵マーク点灯+始動不可が続く | セキュリティシステム作動/キー認証エラー | 無理に操作せず、車両のバッテリー電圧やセキュリティ設定も点検対象 |
最終的な対応方法 | 上記で改善しない場合、車両側のコンピュータ診断が必要 | ディーラーや整備工場でのスキャン診断・修理依頼を検討 |
🔍 補足アドバイス
- 非常始動モードは知っておくと緊急時に非常に役立ちます。
- スペアキーがある場合はそちらでの動作確認も必ず行いましょう。
- トラブル頻発時は、キー本体の交換や受信アンテナユニットの点検も視野に入れるとよいです。
インテリジェントキーをスタートスイッチに直接押し当ててスタートボタンを押すことで、キーの電池が弱くても通信ができ、エンジン始動が可能になることがあります。この手順は車両の取扱説明書にも記載されていますので、一度確認しておくと安心です。
加えて、キーそのものの故障や車両側の受信部にトラブルが起きているケースも考えられます。この場合は、予備キーでの操作を試したり、ディーラーや専門業者での診断を依頼する必要があります。
鍵マークが点灯しているのに正常に操作ができないときは、電子的なセキュリティ機能が働いていることもあるため、無理に操作を続けず、適切な対応を取ることが大切です。
ブレーキペダルが踏み込めないときの影響

セレナでは、ブレーキペダルを踏み込んだ状態でなければエンジンのスタートボタンが作動しない仕様となっています。しかし、エンジンがかからないときにブレーキペダル自体が硬くなっていて、十分に踏み込めないという現象が起きることがあります。
この状態は「負圧が不足している」ことが原因で、長時間停車中やバッテリー上がりのときによく見られます。
本来、エンジン停止中でも数回はブレーキブースターに残った負圧でペダルが柔らかく動くようになっていますが、これを使い切ってしまうとペダルは非常に硬くなり、いくら踏んでもスタートスイッチが認識しなくなります。
これを「ブレーキ重い」と感じる方も多いようです。
このような場合は、ペダルを強めに、かつしっかりと奥まで踏み込むことが必要になります。また、運転席下のフロアマットがずれてペダルの可動域を妨げているケースもありますので、物理的な干渉がないかもチェックしましょう。
過去には、純正以外のマットを使用していたことで、ペダル操作に支障をきたしていた事例も報告されています。
ブレーキペダルが硬くなる原因は、電源やシステムトラブルと密接に関係していることもあり、無理に踏み込んでも始動できないことがあります。この場合、ブレーキランプが点灯するかどうかを確認すると、システム側がペダル操作を検知しているかの判断材料になります。
もしブレーキランプがつかない場合は、ブレーキスイッチやその配線の不具合も考慮する必要があるため、専門的な点検が必要です。
セルモーターの異常音と正常動作の違い
セルモーターとは、エンジンを始動させるために必要な電動モーターであり、エンジンキーやスタートボタンを操作すると「キュルキュル」という音を出してエンジンを回し始める部品です。
このセルモーターの動作音や挙動を観察することで、エンジン始動トラブルの原因をある程度特定することが可能です。
例えば、キーを回したりボタンを押したときに「カチッ」という小さな音しかしない、もしくはまったく音がしない場合、バッテリーが弱っているか、セルモーターのリレーに問題があると考えられます。
逆に、「キュルキュル」と元気よく回転する音がするにもかかわらずエンジンが始動しないときは、燃料系統や点火系の問題が原因であることが多いです。
さらに、異常な金属音や連続して空回りするような音が聞こえる場合は、セルモーターのギアがエンジンと正しく噛み合っていない可能性があります。
セルモーターの音別|始動トラブルの原因判別チェック表
セルモーターの音・挙動 | 主な原因(推定) | 対処方法・ポイント |
---|---|---|
まったく音がしない(無反応) | ・バッテリー完全放電 ・配線断線 ・リレーやイグニッション系の不良 | ・バッテリー電圧チェック ・ヒューズ確認 ・整備工場で電気系診断 |
「カチッ」という音のみ(セルが回らない) | ・バッテリー電圧低下 ・スターターリレー不良 | ・ジャンプスタート試行 ・バッテリー交換やリレー点検が必要 |
「キュルキュル」と勢いよく回るがかからない | ・燃料供給不良(燃料ポンプ、配管詰まり) ・点火系トラブル | ・燃料系統・スパークプラグ・イグニッションコイルなどの診断を実施 |
空回り音・異常な金属音がする | ・セルモーターのギアがエンジンと噛み合っていない ・内部ギア摩耗 | ・セルモーターの摩耗・故障 ・早急に整備工場で部品交換や修理が必要 |
何度もセルを回さないと始動しない | ・セル劣化の初期症状 ・バッテリー電圧不足 | ・バッテリー&セル両方の点検 ・使用年数によっては予防的交換も検討 |
始動後すぐ止まる/再始動しない | ・燃料フィルター詰まり ・エアフローセンサー異常など | ・エンジン制御系・吸気系の故障も視野に入れ、OBD診断機でチェック推奨 |
🔍補足アドバイス
- 「カチッ」だけの症状は、意外にも単なるバッテリー交換で直るケースが多いです。
- 異音がする場合はセル単体の問題ではなく、フライホイールやギア側の損傷も疑う必要があります。
- 冬場や雨天時はトラブルが発生しやすいため、始動音の変化を日常的にチェックすることが予防につながります。
これはセルの摩耗や内部故障によって起こることがあり、放置しているとエンジンに深刻なダメージを与える可能性もあるため、早急な点検が必要です。
このように、セルモーターの音の違いだけでもエンジン始動の問題を大きく分類するヒントになります。セルがまったく動作しない場合は電気系、回ってもかからない場合は燃焼系、異音がする場合は機械的なトラブルと、原因を推定しやすくなるためです。
日常的にセルの音に注意を払うことで、予兆を見逃さずに対応できる可能性も高まります。
e-POWER車特有のエンジントラブルとは

e-POWER搭載のセレナは、エンジンで発電しモーターで走るというハイブリッドの中でも独特な仕組みを採用しています。このシステムの特徴から、通常のガソリン車とは異なるトラブルが発生することがあります。
たとえば、「エンジンがかからない」と感じたとしても、実際にはe-POWERのエンジン始動のタイミングが遅れているだけ、というケースも少なくありません。エンジン自体は走行のためでなく、発電目的で動くため、アクセルを踏んでもエンジンがすぐに始動しないことがあるのです。
しかし、本当にエンジン側にトラブルがある場合、メーター内に警告灯が表示される、あるいはシステムチェックメッセージが出ることがあります。
特に「e-POWERシステム停止」や「エンジン始動できません」といった表示が出た際には、すぐに販売店への連絡を検討しましょう。また、冬場や長期間乗らなかった後には、補機バッテリーの電圧低下によりエンジン始動指令が送れないといった現象も起こります。
加えて、エンジン側のセンサー異常やイグニッション制御系統に問題があると、システムそのものが作動を拒否するため、ドライバーには「無反応」に見えてしまうこともあります。
セレナe-POWERは一見EV車のように静かに始動するため、通常との違いを理解しておくことがトラブル回避の第一歩です。何か異常を感じたら、異音や警告メッセージの有無を冷静に確認し、それをメモしておくことで的確な修理依頼につながります。
リコール情報の確認方法と注意点
セレナに限らず、車を所有している以上「リコール情報」は必ず定期的にチェックすべきポイントです。リコールとは、製造上の欠陥や不具合に対してメーカーが無償で修理を行う制度であり、安全性に関わるものも少なくありません。
セレナe-POWERでも過去に制御ソフトの不具合や燃料系の異常などでリコールが発表されたことがあります。
確認方法としては、日産公式サイトの「リコール・改善対策情報検索」ページを利用するのが最も確実です。車検証に記載されている「車台番号」を入力するだけで、その車に該当するリコール情報が一覧で表示されます。
ここで注意したいのは、過去にリコール対象だったものが、すでに対応済みかどうかは表示されないケースがある点です。そのため、購入時の整備記録や販売店の履歴を照会することも大切になります。
また、リコール通知は新車購入時に登録された住所へ郵送されるのが基本ですが、中古で購入した場合や引っ越しをした後などは通知が届かない可能性もあるため、自ら定期的にチェックする習慣をつけておくと安心です。
走行に影響しないように見えても、放置することでエンジン始動不能やブレーキ不良など大きなトラブルへと発展することがあります。気になる症状がある場合は、念のためリコールの対象になっていないか確認してみましょう。
セレナのエンジンがかからない際の専門的な対策と注意点

・セルが回らない場合に疑うべきポイント
・セルは回るがエンジンがかからない原因と対処法
・冬場に多いトラブルとその予防策
・ブレーキペダルの硬さが始動に与える影響
・インテリジェントキーの不具合と復旧方法
・エンジン始動に失敗した際のチェックリスト
セルが回らない場合に疑うべきポイント
セレナのエンジンがまったく反応せず、「セルが回らない」という状況に陥った場合、真っ先に確認すべきはバッテリー関連のトラブルです。
セルモーターは始動時に多くの電力を必要とするため、バッテリーが劣化していると回転に必要な電力が供給されず、結果として「無反応」に感じられます。このとき、メーター表示や室内灯の明るさをチェックしてみてください。
極端に暗くなっている場合や点灯しない場合は、バッテリー上がりの可能性が高まります。
ただし、単純な電圧不足だけでなく、ターミナルの接触不良や、アースケーブルの断線といった物理的な原因も考えられます。端子が白く粉をふいていたり、緩んでいる場合には、工具を使ってしっかりと締め直すことで改善することもあります。
セレナ|セルが回らないときの原因と対処チェック表
状況・兆候 | 主な原因 | チェック方法・対処法 |
---|---|---|
完全に無反応/音も出ない | ・バッテリー上がり/劣化 ・電圧不足 | メーターや室内灯の明るさ確認。暗い/点かない→バッテリー交換またはジャンプスタート |
メーター表示はあるがセルが動かない | ・スタートリレー不良 ・電源指令が届かない | リレー交換が必要。音や振動では判断しにくいため、整備工場で診断を推奨 |
端子付近に粉・サビが見える | ・バッテリーターミナルの接触不良/腐食 | 粉を拭き取り、端子をしっかり締め直す。腐食がひどい場合は交換 |
端子が緩んでいる/ぐらつく | ・締め付け不足、アース不良 | スパナで確実に締め直し。アースケーブルの断線も要確認 |
e-POWER車で完全に無反応 | ・システムが始動条件を満たしていない/誤作動の可能性 | シートベルト未装着やシフト位置に注意。操作手順を確認のうえ再試行 |
電気系問題がないのに動かない | ・セルモーター自体の故障 | 異音・空回りもない場合→交換または修理が必要 |
寒冷時・長期間未使用後に起こる | ・バッテリー自然放電/スターターの摩耗 | バッテリー充電・セル作動回数のチェックが有効 |
初期症状で時々始動する/不安定 | ・スタートリレー・セル・イグニッションスイッチの劣化 | 早めの点検・予防交換を推奨 |
🔍補足ポイント
- e-POWER車では「エンジンがかかる=セルが動く」とは限らず、無反応に見える場合もあります。
- スマートキーが認識されていない・ブレーキがしっかり踏まれていない場合など、操作ミスも確認しましょう。
もう一つ見逃せないのが「スタートリレー」の不良です。セルモーターの作動指令を送る重要な部品であり、ここが故障しているといくらバッテリーが正常でもセルは動きません。リレーの劣化は音や振動では判断しづらいため、ディーラーや整備工場での点検が不可欠です。
なお、e-POWER車では「エンジンがかからない=すぐにセルが回るもの」という感覚が通じないこともあります。
実際には、システムが始動の判断をしない限りセルモーターは動かないため、見た目にはまったく反応がないように見えても、何かしらの条件が整っていないだけということもあるのです。これらの点を踏まえたうえで、複数の原因を順番に潰していく冷静な対応が求められます。
セルは回るがエンジンがかからない原因と対処法

「セルモーターは正常に回っているのに、エンジンが始動しない」というケースは、バッテリーやセルに問題がないことを示しています。このような場合、次に疑うべきは「燃料供給系」や「点火系」のトラブルです。
たとえば、燃料ポンプが故障している、または燃料フィルターが詰まっていると、セルがいくら元気に回っても燃料がエンジンに届かず、点火に至りません。
また、点火プラグやイグニッションコイルに異常があると、燃料と空気の混合気があってもスパークが起きず、エンジンは始動しません。これらのパーツは経年劣化により徐々に性能が落ちるため、定期的な点検と交換が推奨されます。
セレナe-POWERのような最新車種であっても、メンテナンスを怠ればこのような症状は起こりうるのです。
一方で、セキュリティ機能が原因となっている場合もあります。
たとえば、イモビライザーが誤作動を起こしていると、エンジン始動がブロックされることがあります。キーの認識に時間がかかっていたり、メーターに鍵のマークが点滅しているときには、キー電池の交換や再認識を試みると改善することがあります。
応急処置としては、スターターリレーを叩くことで一時的に動作することもありますが、これは根本的な解決にはならないため、早めに整備工場で点検を受けることが望ましいです。とくに頻発する場合は、燃料ポンプのリレーやエンジンコントロールユニット(ECU)の異常も疑うべきです。
いずれにしても、セルは回るのにかからないという現象は複数の要因が絡んでいるため、一つひとつ丁寧に確認していく姿勢が重要となります。
冬場に多いトラブルとその予防策
寒い季節になると、セレナを含む多くの車で「エンジンがかからない」といったトラブルが頻発します。
冬場の気温低下により、最も影響を受けるのがバッテリーです。特にe-POWER車では、補機バッテリーの電圧が十分でないとシステム自体が立ち上がらず、まったく反応がなくなるケースもあります。
バッテリーは温度が下がると化学反応が鈍くなり、同じ充電状態でも出力が下がってしまいます。そのため、前日までは問題なく始動していたとしても、急に冷え込んだ翌朝に動かなくなるといったことが起こるのです。
これを防ぐためには、定期的な電圧チェックと、必要に応じた充電や交換が重要になります。
また、長期間車を動かさない場合は、バッテリー上がりを防ぐためのバッテリーメンテナンス用品(ソーラー充電器など)を活用すると安心です。さらに、エンジンオイルの粘度も冬場には影響を与える要素となります。
低温時に硬くなりすぎるオイルでは、エンジン始動時の負荷が高くなってしまうため、冬用の低粘度オイルへの切り替えを検討するのも一つの手段です。こうした点を把握しておくことで、寒さによるトラブルを未然に防げるようになります。
ブレーキペダルの硬さが始動に与える影響

セレナでは、エンジン始動時にブレーキペダルをしっかり踏み込む必要があります。
このとき、ブレーキペダルが極端に硬くなっていたり、奥まで踏み込めない状態では、システムが「ブレーキが踏まれていない」と判断してしまい、エンジン始動ができないことがあります。
特に夜間や冬場など、長時間エンジンをかけていなかった場合は、ブレーキブースター内の負圧が抜けてしまい、ペダルが硬くなる現象が起こりやすくなります。
このような状態では、単にペダルを強く踏み込むだけではなく、数回ブレーキをポンピングすることで圧力を調整し、踏みやすくなる場合もあります。
また、インテリジェントキーのシステムと連携しているため、キーが正しく認識されていないと、ブレーキを踏んでも始動指令が送られない点にも注意が必要です。ペダルの硬さに違和感を覚えた際は、無理に始動しようとせず、一度車外に出て再施錠・再解錠を試みるのも有効です。
見落としがちなポイントですが、実際には多くの始動トラブルがこのブレーキ操作に起因しているため、慎重に対応することが求められます。
インテリジェントキーの不具合と復旧方法
セレナのインテリジェントキーは非常に便利な装備ですが、キー本体や車両側の受信部に不具合が発生すると、エンジンが始動できない原因にもなります。
たとえば、電池が切れかけていると電波が弱まり、車両がキーを正しく認識できなくなることがあります。この場合、メーター内に鍵マークの警告灯が点滅したり、「キーが見つかりません」といったメッセージが表示されることが多いです。
復旧の第一歩としては、まずスペアキーでの始動を試みることです。また、電池交換をしても反応が改善されない場合には、キーをスタートボタンに直接近づけて押す方法を試してみてください。これは、車両が微弱な電波でもキーを認識できるようになっている非常時の手順です。
さらに、車内でスマートフォンや無線機器の電波干渉が起きていると認識不良が生じることもあるため、周囲の環境にも注意が必要です。
セレナ|インテリジェントキーが効かないときの原因と対処チェック表
症状・状況 | 主な原因 | 対処方法・ポイント |
---|---|---|
鍵マークの警告灯が点滅/「キーが見つかりません」表示 | ・キー電池切れ/電波が弱い | ボタン電池(CR2032等)を交換し、再度試す |
ボタンを押しても無反応/ドアロックも作動しない | ・キー電池完全消耗 | スペアキー使用 or 電池交換を最優先で対応 |
電池交換後もエンジンが始動しない | ・通信が弱くて認識されない | キーをスタートボタンに直接当てて長押しし、非常始動モードで起動を試す |
反応が不安定/一時的には使えるが再発する | ・キー本体の内部不良 ・受信アンテナの接触不良 | キーの交換 or 車両側の受信ユニット点検が必要 |
特定の場所(地下・商業施設)で起こりやすい | ・電波干渉(Wi-Fi・Bluetooth・無線機器) | 周囲の機器の電源を切る or 場所を変えて再度試す |
スマホや電子機器と一緒に持ち歩いている | ・スマホ等との近距離電波干渉 | キーを別のポケットに入れて使用(電波が遮断されないように) |
すべてのキーで反応なし/完全に操作不能 | ・車両側受信アンテナまたはBCM(車両制御モジュール)異常 | ディーラーで専用診断機によるチェックが必要 |
長期間放置後に起動しない | ・車載バッテリーの放電によるキー認識機能の停止 | バッテリー充電・ジャンプスタートを実施し再試行 |
🔍 補足アドバイス
- 電池は1〜2年で劣化するため、年1回の予防交換が安心です。
- 非常始動モードの操作方法は取扱説明書またはドア内ステッカーにも記載されています。
- 誤作動や通信不良が頻発する場合は、キー・受信部の両方をセットで点検するのがおすすめです。
もしもそれでも始動しない場合は、車両側の受信部に問題がある可能性も考えられます。
その際はディーラーに連絡し、診断機を使ったチェックが必要となります。普段当たり前のように使っているインテリジェントキーですが、ちょっとした異常で車全体の操作に影響を与えるため、異変を感じたら早めの対処が望まれます。
エンジン始動に失敗した際のチェックリスト

エンジンがかからないとき、まずは落ち着いて一つひとつ原因を探ることが大切です。慌てて何度もスタートボタンを押すと、かえって状況を悪化させることもあるため、以下のようなチェックリストに沿って確認していくと効果的です。
1つ目に確認するのは、補機バッテリーの電圧です。室内灯が暗い、メーターが点かないといった場合は、バッテリー上がりの可能性が高くなります。次に、インテリジェントキーの電池残量や反応状況をチェックします。
スペアキーでの動作や、スタートボタンへの接触操作も試してください。3つ目はブレーキペダルの踏み込み具合です。硬すぎたり、奥まで踏めていないとシステムが始動信号を受け取れません。
また、警告灯の表示内容も重要です。「ビックリマーク」や「鍵マーク」など、表示されるアイコンによっては特定の異常を示している可能性があるため、取扱説明書を参照して意味を確認しましょう。そして最後に、燃料残量も忘れてはなりません。
とくにe-POWER車では、燃料が切れているとエンジンが発電を行えず、始動しない事例も存在します。
このように、一見すると複雑に見えるエンジン始動トラブルも、冷静に順序立てて確認することで原因の絞り込みが可能になります。チェックリストをもとに再確認し、必要であれば早めに専門業者へ連絡をとることが、トラブルを最小限に抑える鍵となります。
まとめ:セレナのエンジンがかからない理由について
・バッテリー上がりはセルが無音または弱々しい音で判別できる
・キー警告灯や鍵マークの点灯はスマートキーの電池切れの可能性が高い
・ブレーキペダルが硬い場合は始動信号が車両に届いていないことがある
・セルモーターの異常音は故障の初期兆候と捉えたほうがよい
・e-POWER車は通常のガソリン車と異なりトラブルの判断基準が異なる
・リコール情報は日産公式サイトや国土交通省のページで確認できる
・セルが回らないときはバッテリー、スターター、ヒューズなどを疑う
・セルが回ってもエンジンがかからないときは燃料系統やセンサー異常を疑う
・冬場は低温でバッテリー性能が落ち、始動不良が起きやすくなる
・ブレーキペダルの踏み込み不足は始動認識を阻害する要因になる
・インテリジェントキーが故障すると物理キーを使う必要がある
・キーの電池交換後も反応しない場合は再登録作業が必要になることもある
・エンジン始動失敗時は警告灯、音、ペダル反応などを順に確認する
・ヒューズ切れや電装系トラブルも始動不良の一因になり得る
・定期的な点検とバッテリー管理が予防につながる
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