アウディというブランド名を聞いて「どこの国の車?」と疑問を持った方は多いのではないでしょうか。実は、アウディはドイツにルーツを持つ世界的なプレミアムブランドです。
創業者アウグスト・ホルヒによる情熱から始まったこのブランドは、社名変更のドラマやアウトウニオンとの関係、さらにはロゴに込められた4つの輪の意味など、知れば知るほど面白い背景を持っています。
現在ではフォルクスワーゲン傘下として知られるアウディですが、そこに至るまでの歴史には幾多の変遷がありました。そして今、ドイツ車5大メーカーの一角として、BMWやベンツと並ぶ確固たるポジションを築いています。
さらに、アウディを語るうえで外せないのがQUATTRO搭載で悪路にも強い理由や、消耗品の交換頻度と維持費の違い、保証制度とドイツ車らしい特徴です。こうした要素が、同じ高級車であるBMWやベンツとどう違うのかを知る上でも重要なポイントになります。
この記事では、「アウディはどこの国」と検索してたどり着いたあなたの疑問を解消すべく、歴史から技術、さらには中古車事情やレクサス・ポルシェとの比較まで、幅広く丁寧に解説していきます。
・アウディはドイツ発祥の自動車メーカー
・創業者ホルヒの背景と社名の由来
・アウトウニオンとの関係やロゴの意味
・ドイツ車としての特徴と他社との違い
アウディはどこの国の車なのか?歴史と成り立ちを解説

・アウディはどこの国にルーツがある?
・創業者ホルヒと社名変更の背景
・アウディとアウトウニオンの関係
・ロゴに込められた4つの輪の意味
・フォルクスワーゲン傘下になった経緯
・ドイツ車5大メーカーとアウディの位置づけ
アウディはどこの国にルーツがある?
アウディという名前を聞くと、多くの方が高級感やスタイリッシュなイメージを思い浮かべるのではないでしょうか。では、このアウディはどこの国の自動車メーカーなのでしょうか。答えは「ドイツ」です。
ドイツは、世界でも有数の自動車大国として知られており、アウディもその歴史の中で誕生し、成長してきました。
1900年代初頭、ドイツは産業革命による技術革新が進み、数多くの自動車メーカーが生まれた時代でした。その中でも特に注目を集めたのが「ホルヒ社」という会社です。
アウディの前身にあたるこの会社は、ドイツの技術者であり実業家でもあったアウグスト・ホルヒによって設立されました。つまり、アウディの起源はベンツやBMWと同じく、ドイツ国内での技術革新の流れから生まれたものと言えるのです。
このように考えると、アウディのデザイン性や高い安全性、先進技術の採用といった特徴も、ドイツという国のものづくり文化や精密工学へのこだわりと無関係ではありません。
自動車に対する「質」を重視するドイツの国民性が、アウディというブランドにも色濃く反映されていると考えられます。
初めてアウディを知る方にとって、「ドイツ車である」という事実は単なる知識ではなく、車選びの価値観にも影響するポイントです。もし高品質なヨーロッパ車を求めているのであれば、アウディはその条件に合致する1台だといえます。
創業者ホルヒと社名変更の背景

アウディの歴史を語るうえで欠かせない人物が、創業者のアウグスト・ホルヒです。彼はもともと、同じくドイツの名門メーカーであるベンツ社で働いていましたが、その後独立して1900年代初頭に「ホルヒ社」を設立しました。
ホルヒ氏は品質に強くこだわる人物で、コストを惜しまず優れた車を作ろうとした結果、会社の経営陣と意見が対立してしまいます。
その結果、彼は自ら立ち上げたホルヒ社を追われる形となり、新たに別会社「アウグスト・ホルヒ自動車制作有限会社」を設立することになります。しかし、旧ホルヒ社から「社名が紛らわしい」と訴えられ、裁判で敗訴。やむなく社名を変更することになりました。
アウディ創業者アウグスト・ホルヒ氏とアウディ社名の由来に関するエピソード
年代・出来事 | 内容 |
---|---|
1800年代末〜1900年代初頭 | アウグスト・ホルヒがベンツ社に勤務。自動車技術を学ぶ。 |
1900年 | アウグスト・ホルヒが「ホルヒ社(Horch & Cie)」を設立。 |
1909年 | 経営方針の対立により、ホルヒ氏がホルヒ社を追放される。 |
同年(1909年) | 「アウグスト・ホルヒ自動車制作有限会社」を新たに設立。 |
1909年 | 旧ホルヒ社から「社名が紛らわしい」として訴えられ、裁判に敗訴。 |
1909年〜1910年 | 新社名を検討中、「ホルヒ(Horch)」=「聞け」をラテン語に翻訳し「Audi」に決定。 |
1910年 | 「Audi(アウディ)」として正式に社名変更。ブランド名としてスタート。 |
その後 | ホルヒ氏の理念「品質重視」の精神はアウディの車づくりに受け継がれる。 |
ここで面白いエピソードがあります。ホルヒという名前はドイツ語で「聞く」という意味を持ちます。
この言葉をラテン語に翻訳すると「アウディ」となります。つまり、「ホルヒ(聞け)」という命令形をラテン語に言い換えて「アウディ(聞け)」としたのです。こうして、現在私たちが知るブランド名「アウディ」が誕生しました。
このような社名変更の背景には、ただの名称の問題以上に、ホルヒ氏の「自動車にかける情熱」と「ブランドに対する信念」が込められていたと言えるでしょう。ブランド名は変わっても、彼の理念は車作りの中にしっかりと残されています。
アウディとアウトウニオンの関係

アウディというブランドは現在、フォルクスワーゲングループの一員として知られていますが、その前にはもうひとつ重要な時代があります。
それが「アウトウニオン」という企業グループの誕生です。アウトウニオンは1932年、経済的な理由で4つのドイツ車メーカーが合併して誕生しました。この4社とは、アウディ、DKW、ホルヒ、ヴァンダラーです。
当時のドイツは第一次世界大戦後の不況から立ち直ろうとしており、個々の自動車メーカーが単独で生き残ることが難しくなっていた背景があります。
そこで、技術力や販売網を共有しようとする目的で、この4社は「アウトウニオン」という新たな組織体として再スタートを切りました。実際、合併後も各ブランドの名前は維持されており、それぞれが得意とする分野で車を生産していたのです。
このアウトウニオンという構造は、今日の自動車業界における「グループ経営」や「ブランド共存モデル」に近いものがあります。
つまり、単一の会社ではなく、複数の技術や伝統を融合してブランドの価値を高めていく手法が、すでにこの時代から始まっていたと言えるでしょう。
アウトウニオン時代の経験は、アウディにとって大きな転機となりました。困難な時代を乗り越えるための柔軟な経営判断、そして他社との協力体制を築いたこの歴史が、後の世界的ブランド形成につながっていったのです。
ロゴに込められた4つの輪の意味

アウディのロゴといえば、横に並んだ4つの輪が印象的です。このロゴには単なるデザイン以上の意味が込められていることをご存じでしょうか。実はこの4つの輪こそが、先述の「アウトウニオン」に由来しています。
アウトウニオンは、1932年にアウディ・DKW・ホルヒ・ヴァンダラーという4社が合併して誕生しました。それぞれの輪は、この4つの企業を象徴しており、「技術の結集と融合」をビジュアルで表現しているのです。
当時のドイツでは多くの自動車メーカーが乱立しており、経済的な不安定さから淘汰されていく会社も多くありました。そうした中で、ブランドのアイデンティティを視覚的に表現することは重要な戦略だったのです。
この4連リングは、単なる企業の統合記念ではなく、「共に進化していく意志」の象徴とも言えるでしょう。
現在のアウディでも、このロゴは一貫して使われ続けています。しかもデザインはほとんど変わることなく、シンプルかつ洗練された形で採用されてきました。これは、「変わらぬ価値観と進化する技術の共存」を意味しているとも解釈できます。
アウディの車を見かけたとき、ただのデザインとしてではなく、このような深い歴史と背景を持ったロゴだということを思い出してみてください。きっとその見え方も少し変わってくるはずです。
フォルクスワーゲン傘下になった経緯
アウディが現在、フォルクスワーゲン(VW)グループの一員であることは広く知られていますが、その背景には複雑な企業再編の歴史があります。
アウディは1930年代にアウトウニオンの一部として誕生しましたが、第二次世界大戦後、ドイツの経済状況は悪化し、同グループも厳しい時期を迎えました。
このとき、アウトウニオンは東ドイツのゾーラウという地域に本拠地を置いていました。
しかし、戦後の分断により、拠点の移動を余儀なくされ、再建には大きな資金と支援が必要でした。そんな状況下で登場したのが、当時の西ドイツ政府の支援を受けた資本再編計画です。
アウディが現在のフォルクスワーゲン(VW)グループの一員となるまでの歴史
年代・出来事 | 内容 |
---|---|
1932年 | アウディ、ホルヒ、DKW、ヴァンダラーの4社が合併し「アウトウニオン(Auto Union)」誕生。 |
第二次世界大戦後 | 東ドイツ・ゾーラウに本拠を置いていたアウトウニオンは、戦後の分断で拠点の移動を迫られる。 |
1949年 | 西ドイツ・インゴルシュタットにてアウトウニオンが再建を開始。 |
1950年代 | 西ドイツ政府の支援を受けながら、再建と工業復興を進める。 |
1964年 | フォルクスワーゲンがアウトウニオンを買収。主力は2ストロークエンジンのDKWブランドだった。 |
1965年 | 「アウディ」のブランド名が正式に復活。新型4ストロークエンジン車「アウディ・F103」シリーズ登場。 |
1970年代以降 | VWグループ内でプレミアムブランドとしての方向性が定まり、スポーティかつ高級感のある車づくりへ。 |
現在 | アウディはVWグループの技術開発の中核ブランドとして位置づけられ、電動化戦略にも貢献。 |
1950年代、ドイツの工業復興を背景に、アウトウニオンは西ドイツのインゴルシュタットに拠点を移し、再スタートを切りました。
1964年、経営基盤がまだ安定していなかったアウトウニオンを、フォルクスワーゲンが買収します。当初は小型車メーカーDKWを主力としていたアウトウニオンですが、VWの経営戦略の中で「プレミアムブランド」としての道を再び歩み始めました。
1965年には「アウディ」という名前が正式に復活し、以降はスポーティで高級感のある車づくりを進めていきます。
こうしてアウディは、フォルクスワーゲン傘下で再生されただけでなく、技術開発やブランド戦略においてもグループの重要な役割を担う存在となりました。
このような歴史があるからこそ、アウディの現在の地位は「単なる傘下ブランド」ではなく、「VWグループの技術の象徴」として位置づけられているのです。
ドイツ車5大メーカーとアウディの位置づけ

ドイツは世界的に見ても自動車産業が盛んな国であり、その中でも「ドイツ車5大メーカー」と呼ばれる企業群は特に注目されています。
これらは「メルセデス・ベンツ」「BMW」「アウディ」「フォルクスワーゲン(VW)」「ポルシェ」の5社です。いずれも世界市場で高いシェアを持ち、それぞれが異なる個性を持っています。
まず、メルセデス・ベンツは伝統ある高級車ブランドとして、官能的なデザインと高い安全性で評価されています。
BMWは「駆け抜ける歓び」を掲げ、運転の楽しさを重視するメーカーとして独自の地位を築いてきました。ポルシェはスポーツ性能を追求するメーカーとして、走りに特化したモデルを展開しています。
そしてフォルクスワーゲンは大衆車としての実用性を武器に、全世界で信頼を得ているブランドです。
このような中で、アウディの立ち位置はやや中間的です。
実用性と高級感、そして先進技術のバランスを取ったブランドとして知られています。特にデザインやインテリアの質感、さらに「quattro」技術に代表される独自の駆動システムなどで差別化を図ってきました。
また、アウディは「テクノロジーのアウディ」と呼ばれるほど、常に新しい技術の導入に積極的です。フルデジタルメーターやLED技術の先駆けとしても知られ、ライバルとは一線を画す存在になっています。
このように、アウディはドイツ車5大メーカーの中でも、洗練された技術志向とデザイン性の両立を図る独自のポジションにあると言えるでしょう。
アウディはどこの国の車?国産車の違いとは

・QUATTRO搭載で悪路にも強い理由
・消耗品の交換頻度と維持費の違い
・保証制度とドイツ車らしい特徴
・アウディとBMW・ベンツとの違い
・価格帯と中古車事情
・他メーカー(レクサス・ポルシェなど)との比較
QUATTRO搭載で悪路にも強い理由
アウディの車が「quattro(クワトロ)」という名前で知られる理由のひとつに、四輪駆動システムの性能が挙げられます。
quattroとは、アウディが独自に開発したフルタイム4WD技術であり、その優れたトラクション性能によって、雪道やぬかるみ、急な坂道といった悪路でも安定した走行を実現します。
このシステムは1980年に登場した「アウディ・クワトロ」で初めて搭載され、大きな話題を呼びました。当時のラリー競技でも圧倒的な強さを誇り、quattro技術は一躍、世界に知られるようになりました。
従来の4WDは重量が増すことや燃費の悪化といった課題がありましたが、アウディは軽量化と効率性を両立させた設計を採用。これにより、日常使いからスポーツ走行まで幅広く対応できるシステムとなったのです。
さらに、quattroは電子制御との組み合わせで常に最適な駆動力配分を行い、滑りやすい路面やカーブでもタイヤが空転しにくくなります。
これが、雪国などでアウディが選ばれる大きな理由のひとつです。運転者が特別な操作をする必要もなく、自然なドライビング感覚で安心して走行できる点も魅力です。
一般的に4WD車は燃費が悪いという印象を持たれがちですが、quattroは必要に応じて前後の駆動力を調整するため、燃費性能も比較的高い水準を維持しています。
これにより、悪路への強さと経済性のバランスを両立させている点が、quattro搭載車の真の価値といえるでしょう。
消耗品の交換頻度と維持費の違い

アウディに限らず、輸入車全般において「維持費が高いのでは?」という疑問を持つ方は多いかもしれません。
実際、アウディ車は高級車という位置づけであるため、国産車と比較すると部品代や工賃がやや高く設定されている傾向があります。
とくに消耗品の交換に関しては、使用環境や走行距離によって頻度に差が出るものの、一般的に国産車よりも早く交換が必要になるケースもあるため、事前の理解が重要です。
たとえば、ブレーキパッドやローターは欧州車全般において摩耗しやすい傾向があり、アウディも例外ではありません。これは、ドイツのアウトバーンなど高速走行を想定した設計になっているため、高い制動力を得る代わりに摩耗が早いという側面があります。
結果として、3〜4万キロごとに交換が必要になることが多く、これが維持費の高さとして認識されやすい部分です。
また、オイルやフィルター類も定期的な交換が推奨されており、オイルに関しては高品質な専用規格のものを使う必要があります。純正指定のエンジンオイルはやや高価ですが、エンジン性能や寿命を保つためには欠かせない投資といえるでしょう。
ただし、メンテナンスをディーラーにすべて任せるのではなく、専門の輸入車整備工場やパーツを通販で入手して持ち込むなどの工夫をすれば、維持費を抑えることも十分可能です。つまり、維持費の多寡はオーナーの知識と選択によって変わる部分が大きいと言えるのです。
保証制度とドイツ車らしい特徴
アウディをはじめとしたドイツ車は、「品質第一」の設計思想に基づき、購入後の保証制度にも高い評価を受けています。
新車購入時には、一般的に3年間または走行距離10万kmまでの新車保証が付帯し、期間内であれば多くの不具合に無償で対応してもらえます。
さらに、正規ディーラー経由であれば「延長保証」や「メンテナンスパッケージ」も用意されており、万が一の故障やトラブルに備えることが可能です。
こうした保証内容は国産車と比べて大きな差があるわけではありませんが、アウディは電子制御や先進機能が多いため、保証の有無が修理費に大きく影響することがあります。
たとえばセンサー類や電子パーキングブレーキなどが故障した場合、数万円〜十数万円の修理費がかかることもあり、保証があるかどうかで心理的・経済的負担が変わるのです。
また、ドイツ車の特徴としては「走行性能へのこだわり」が挙げられます。アウトバーンを基準にした車体設計は、高速域でも安定した走行を可能にしており、足回りの剛性やハンドリング性能も緻密にチューニングされています。
そのため、長距離移動が多い方やワインディングロードを好むドライバーには高い満足度を提供します。
ただし、逆に言えばドイツ車は「都市部の短距離移動」にはオーバースペックになりがちです。過剰な性能が無用なメンテナンスコストにつながるケースもあるため、使用環境との相性を考えて購入することが重要でしょう。
保証制度の充実と技術の信頼性を踏まえると、アウディは「安心して長く乗れる欧州車」という評価に値すると言えます。
アウディとBMW・ベンツとの違い

アウディ、BMW、メルセデス・ベンツは「ドイツの御三家」とも称されるプレミアムブランドであり、どれも魅力的な個性を持っていますが、実際に比較してみると明確な違いが浮かび上がります。
まず、アウディの特徴は「洗練されたデザインと先進技術へのこだわり」です。
内外装ともに直線的かつクールな印象を与えるスタイルが多く、インテリアにはバーチャルコクピットやLED照明などが早くから導入されてきました。機能性と美しさを両立するスタンスが、アウディファンを惹きつける要素となっています。
対してBMWは、「駆け抜ける歓び」というキャッチコピーに象徴されるように、ドライバーの操る楽しさを徹底的に追求しています。
ハンドリング性能や車両バランスに重点が置かれており、FR(後輪駆動)レイアウトの採用もその一環です。走行フィールにこだわる方にとっては、BMWが最も「運転が楽しい」選択肢となるでしょう。
アウディ・BMW・メルセデス・ベンツの特徴を分かりやすく比較
ブランド名 | 主な特徴 | デザインの傾向 | 重視する価値観 | 向いているユーザー層 |
---|---|---|---|---|
アウディ | 先進技術・デザインの融合 | クールで直線的なミニマルデザイン | 静寂性・デジタル装備・未来志向 | スタイリッシュでテクノロジー重視なユーザー |
BMW | 操る楽しさ・ドライビングプレジャーの追求 | スポーティで筋肉質なラインが多い | ハンドリング・FR・走行性能 | 運転を楽しみたい、スポーティな感覚を求める人 |
メルセデス・ベンツ | ラグジュアリーと安全性能の両立 | 重厚感と高級感を重視したクラシカルなデザイン | 快適性・安全性・ステータス | 安全で快適な移動、伝統的な高級感を求める層 |
一方、メルセデス・ベンツは「ラグジュアリーと安全性の象徴」としての地位を確立しています。
伝統的な高級感と最新の安全支援システムを両立させ、快適性を重視した車づくりを続けています。近年はスポーティなラインナップも増えていますが、やはり「王道の高級車」を求める層に強く支持されています。
つまり、アウディは「未来志向のデザインと技術」、BMWは「走りの楽しさ」、ベンツは「重厚な高級感と安全性」を軸にそれぞれのファン層を形成しているのです。
この3ブランドを比較することで、自分にとって最適な一台がどの方向性にあるのか、見えてくるのではないでしょうか。
価格帯と中古車事情
アウディの価格帯は、エントリーモデルの「A1」でも300万円前後からスタートし、上位モデルの「A6」「A7」や「Q7」などは800万〜1,000万円超に達します。
さらに、スポーツカーの「R8」や「RS」シリーズになると、2,000万円近い価格帯も珍しくありません。このように、アウディは一般的に「高級車」としてのイメージを保っており、新車購入には一定のハードルがあります。
ただし、中古市場に目を向けると状況は大きく変わります。
アウディは新車価格が高い割に、5年を過ぎると急激に値下がりする傾向があり、中古であれば新車の半額以下で手に入ることも珍しくありません。たとえば、A4やQ5といった人気モデルも、走行距離や年式によっては200万円以下で購入できるケースもあるのです。
この理由のひとつとして、輸入車全般に言える「リセールバリューの低さ」があります。
アウディの新車と中古車の価格帯および特徴を比較
項目 | 新車購入 | 中古車購入(3〜5年落ち) |
---|---|---|
価格帯(例) | A1:約300万円〜 A4:約600万円〜 R8:約2,500万円前後 | A1:100万〜180万円 A4:150万〜250万円 R8:1,000万前後も可 |
メリット | ・最新モデル・装備が手に入る ・メーカー保証が充実 | ・大幅に価格が下がっておりお得 ・上級モデルにも手が届く可能性 |
デメリット | ・初期費用が高い ・リセールバリューが低いことも | ・整備履歴や状態によって当たり外れがある ・故障リスクがやや高め |
おすすめポイント | 最新装備と安心感を重視する方におすすめ | コスパ重視派におすすめ。認定中古車やディーラー保証付き車が狙い目 |
日本では国産車に比べて中古車としての需要がやや限られており、その分、価格も抑えられやすくなっています。さらに、維持費や故障リスクを懸念する層が敬遠することで、供給過多になりやすい傾向もあります。
一方で、アウディの中古車を選ぶ際には注意点もあります。前オーナーの整備履歴がしっかりしていない車両や、並行輸入車は故障リスクが高くなる場合があるため、なるべく認定中古車やディーラー保証付きの車両を選ぶと安心です。
コストパフォーマンスを重視するなら、3〜5年落ちのアウディを中古で検討するのは非常に賢い選択と言えるでしょう。新車並みの快適性を維持しつつ、価格面では大きなメリットを享受できます。
他メーカー(レクサス・ポルシェなど)との比較

アウディを他の高級車ブランドと比較することで、その特性がより明確になります。
たとえば、レクサスはトヨタが展開する高級車ブランドで、日本国内においては「安心・静粛性・高品質な接客」が強みとされています。
製造精度やアフターサービスの手厚さにおいては、国産ブランドならではの信頼感があり、初めて高級車に乗る方にとって安心材料が多いのが魅力です。
一方で、ポルシェは明確に「スポーツ性能」を追求するメーカーです。911や718シリーズなどはその象徴であり、高速域での安定性や加速性能はアウディのRSモデルにも匹敵するレベルを誇ります。しかし、その分価格帯が高く、普段使いよりも趣味性の強いモデルが中心です。
アウディ・レクサス・ポルシェの特徴を比較
項目 | アウディ(Audi) | レクサス(Lexus) | ポルシェ(Porsche) |
---|---|---|---|
ブランドの特徴 | 技術とデザインの融合 先進性と高級感のバランス | 信頼性・静粛性・高品質な接客 国産ならではの安心感 | 圧倒的なスポーツ性能と加速力 運転を楽しむためのマシン |
デザイン傾向 | 直線的でシャープ ミニマルかつモダンなフォルム | 重厚かつ威厳のあるデザイン 高級感と落ち着きが共存 | 流線型・躍動的な曲線フォルム 低重心でスポーティな外観 |
走行性能 | quattroによる高い安定性 快適性とスポーツ性の両立 | 快適で静かな乗り心地 FR・FF主体で安定重視 | FR/ミッドシップ中心 高回転エンジンと鋭いハンドリングが特徴 |
価格帯(目安) | 約300万〜2,500万円(A1〜R8) | 約500万〜1,800万円(UX〜LS、LC) | 約800万〜3,000万円以上(718〜911、Taycanなど) |
主なユーザー層 | デザインと先進技術に敏感なビジネス層・都会派ファミリー | 初めての高級車購入者や、品質と安心を重視するユーザー | 車好き・走りを楽しみたい層 趣味性の高いユーザー |
おすすめモデル例 | A4、Q5、A6、e-tronシリーズ | ES、RX、NX、LS、RZ | 911、718、Macan、Taycan |
それに対してアウディは、ラグジュアリーと実用性、そしてスポーティな走行性能のバランスを重視したブランドです。
たとえば「A6」や「Q7」などは高級感を保ちつつ、家族利用やビジネス用途にも適した多用途性を備えています。さらに、quattroシステムを標準装備しているモデルも多く、安全性とドライビングプレジャーを両立させている点も見逃せません。
また、デザイン面でもアウディは無駄のないシャープなフォルムを得意としており、モダンかつスタイリッシュな印象を与えるモデルが多いです。これはレクサスの重厚感ある造形や、ポルシェの曲線的なスタイルとは異なる方向性です。
つまり、レクサスは「信頼性と快適性」、ポルシェは「走りの極致」、そしてアウディは「技術とデザインの融合」というポジションで、それぞれが明確な特徴を打ち出しているのです。用途や価値観に合わせて選ぶことで、最適な一台に出会えるでしょう。
まとめ:アウディはどこの国の車なのか

・アウディはドイツ発祥の自動車メーカー
・創業者はベンツ出身のアウグスト・ホルヒ
・ホルヒ社を離れた後にアウディが誕生
・社名はドイツ語「聞く」をラテン語に訳したもの
・アウディは1932年にアウトウニオンの一員となる
・アウトウニオンは4社が合併してできたグループ企業
・ロゴの4つの輪は4社の統合を象徴している
・戦後にインゴルシュタットで再出発した歴史がある
・フォルクスワーゲンに1964年に買収され傘下入り
・VWグループ内で技術開発をリードする存在となる
・ドイツ車5大メーカーの一角を占めるブランド
・QUATTROシステムで悪路にも強い走行性能を持つ
・国産車より消耗品の交換頻度が高く維持費はやや高め
・高速走行や走行安定性を重視した設計が特徴
・アウディはレクサスやポルシェとは異なる技術志向型ブランド
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・アウディの小さい順で比較!初心者向け、維持費抜群の人気モデル一覧