アウディはドイツ車として広く知られていますが、「アウディの生産国」と検索しているあなたは、実際にはどこで作られているのか気になっていませんか?
ドイツ本国(インゴルシュタット・ネッカーズルム)を中心に、アウディはハンガリー、メキシコ、スロバキア、スペインなど世界各地に生産拠点を持っています。
例えば、Q5生産国はメキシコ、新型Q7・Q8はスロバキア、A3・Q3はハンガリー工場で作られています。そしてA1はスペイン・マルトレル工場が担当するなど、各モデルごとに最適な工場で生産されています。
また、「アウディは中国製?」と不安に感じる方も多いですが、中国生産は一部の現地専用モデルに限られており、日本市場向けのモデルは依然として欧州・メキシコ生産が主流です。
この記事では、BMWやベンツと比較したアウディの生産国事情、ボルボとの違い、中国生産の誤解、さらに「生産国が価格に与える影響」まで、徹底的に解説します。続きで詳しくお伝えしますので、ぜひ最後まで読み進めてください。
・アウディの主要生産国と各モデルごとの製造拠点
・中国生産モデルが限定的である理由と誤解される背景
・BMWやベンツ、ボルボと比較したアウディの生産戦略の違い
・生産国による品質や価格差の影響について
アウディの生産国の最新情報と各国工場一覧

・生産国はどこなのか?ドイツ本国との関係
・本社と主要生産拠点(インゴルシュタット・ネッカーズルム)
・Q5生産国はメキシコ!新工場の特徴とは
・スロバキア工場で生産されるアウディQ7・Q8
・A3・Q3 生産はハンガリー工場が中心
・A1の生産国はスペイン!マルトレル工場の魅力
生産国はどこなのか?ドイツ本国との関係
アウディは「ドイツ車」として広く知られていますが、実際に生産されている国はドイツだけにとどまりません。
本社がドイツ・インゴルシュタットに位置するアウディは、伝統的にドイツ国内での生産を重視してきました。しかし、現在では生産効率や市場戦略の観点から、世界各国に生産拠点を展開しています。
特にメキシコやスロバキア、ハンガリー、スペイン、ベルギーなどの工場は、グローバルな需要に応えるために重要な役割を果たしています。
このように、アウディ車の生産国はモデルごとに異なります。たとえば、A1はスペインのマルトレル工場、Q3はハンガリーのジュール工場、e-tronはベルギーのブリュッセル工場で生産されています。しかし、すべての車両には「ドイツ品質」という基準が徹底されています。
アウディの主なモデルとその生産国
アウディ車種 | 生産国 | 生産工場所在地 | 備考 |
---|---|---|---|
Audi A1 | スペイン | マルトレル(Martorell) | SEATと共有する工場 |
Audi A3 | ドイツ・ハンガリー | インゴルシュタット / ジュール | ボディタイプによって異なる |
Audi A4 / A5 | ドイツ | インゴルシュタット / ネッカーズルム | 主にドイツ国内で生産 |
Audi A6 / A7 | ドイツ | ネッカーズルム | エグゼクティブセダン/クーペモデル |
Audi Q2 | ドイツ | インゴルシュタット | 都市型コンパクトSUV |
Audi Q3 | ハンガリー | ジュール(Győr) | SUV人気モデル |
Audi Q5 | メキシコ | プエブラ(San José Chiapa) | 北米市場を意識した生産拠点 |
Audi Q7 / Q8 | スロバキア | ブラチスラバ | 大型SUV、VWグループと共通プラットフォーム |
Audi e-tron | ベルギー | ブリュッセル | 電気自動車専用ライン |
Audi R8 | ドイツ | ネッカーズルム | ハンドメイドに近いスポーツモデル |
これには、アウディが掲げる「One name, one standard, everywhere」という理念が背景にあります。たとえ生産国が異なっても、ドイツ本国で築かれた品質基準に則って、世界中どこでも同じレベルの車両が作られているのです。
そのため、「ドイツで作られていないアウディは品質が落ちるのでは?」という心配は無用です。
逆に、世界中の最新鋭工場で生産されることにより、各地域のニーズや市場動向に応じた柔軟な製造体制が実現しています。アウディにとって生産国は、単なる地理的な拠点ではなく、グローバル市場での競争力を高めるための戦略的要素と言えるでしょう。
本社と主要生産拠点(インゴルシュタット・ネッカーズルム)

アウディの本社はドイツ・バイエルン州インゴルシュタットに位置しており、ここがブランドの中核を担う拠点となっています。このインゴルシュタット工場は、年間50万台以上もの車両を生産する巨大な生産拠点であり、A3やA4、A5などの主力モデルがここで製造されています。
アウディの設計・開発・試験・生産管理のすべてがここを起点としており、「ドイツ品質」を世界に届けるための最重要拠点と言っても過言ではありません。
一方、ネッカーズルム工場もアウディにとって欠かせない生産拠点です。こちらはA6、A7、A8といった上位モデルや、RSシリーズといったハイパフォーマンスカーの生産を担当しています。
また、アルミニウムボディの軽量化技術や、燃料電池車の開発などでも重要な役割を担っています。特にネッカーズルムでは、熟練の職人技と最先端の生産技術が融合しており、プレミアムブランドとしてのアウディの存在感を支えています。
この2つの工場は、単なる製造拠点ではなく「アウディの心臓部」とも言える場所です。設計から生産まで一貫した品質管理が行われており、その厳格な基準は、他国の生産拠点でも適用されるグローバルスタンダードの基盤となっています。
そのため、たとえアウディ車がメキシコやスロバキアで生産されたとしても、「ドイツ本社のクオリティ」が維持される仕組みが整っているのです。
Q5生産国はメキシコ!新工場の特徴とは
アウディQ5は、現在メキシコのプエブラ州サンホセ チアパスにあるアウディメキシコ工場で生産されています。
アウディが北米において自動車組み立て工場を開設するのはこれが初めてであり、この工場はグローバル戦略の一環として極めて重要な意味を持っています。年間15万台の生産能力を誇るこの工場は、Q5を世界中に供給する中核拠点として設計されました。
このメキシコ工場の最大の特徴は、「アウディ スマート ファクトリー」コンセプトを具現化した点にあります。バーチャルシミュレーションによって生産プロセスが最適化され、従来の30%も早く操業開始に至ったことは、自動車業界でも異例のスピードとされています。
また、環境配慮の観点から塗装工程では汚水排出ゼロを実現し、エネルギー効率の向上にも成功しています。
部品調達においても、NAFTA(北米自由貿易協定)地域から70%以上を調達し、現地生産・現地調達を推進しています。これにより物流コストの削減とリードタイム短縮が可能となり、グローバル市場での競争力強化が図られているのです。
また、工場敷地内には「サプライヤーパーク」が併設され、部品メーカーとの連携も強化されています。
アウディは、このメキシコ工場を単なる生産拠点ではなく、ブランドの「グローバル品質を守る最先端拠点」と位置付けています。Q5がどの生産国で作られても高品質である理由は、こうした緻密な体制に支えられているからこそなのです。
スロバキア工場で生産されるアウディQ7・Q8

アウディQ7およびQ8は、スロバキアの首都ブラティスラヴァにあるフォルクスワーゲングループの工場で生産されています。
このブラティスラヴァ工場は、SUVモデルの一大生産拠点として知られており、アウディだけでなくポルシェやフォルクスワーゲンのSUVもここで製造されています。特にQ7とQ8に関しては、プレミアムSUV市場をリードする存在として、世界中の市場に供給されています。
この工場の特徴は、高度な自動化と熟練の人員が融合した生産体制にあります。ボディの溶接から塗装、最終組み立てに至るまで、最先端のロボティクスと職人の手作業が組み合わされることで、アウディらしい上質な仕上がりが実現されています。
特に、大型SUVであるQ7・Q8は精密なボディラインや高級素材の内装が求められるため、細部にわたる品質管理が徹底されています。
一方で、スロバキア工場での生産は、コスト競争力の面でも大きな意味を持ちます。
西欧諸国に比べて人件費が抑えられることから、高品質を維持しつつも価格競争力を確保できるのです。このような生産戦略により、アウディはグローバル市場でのシェア拡大を狙っています。
また、スロバキア工場は、環境配慮型の生産体制を強化しており、再生可能エネルギーの活用や排水処理システムの最適化にも力を入れています。単なるコスト削減だけでなく、持続可能な生産を実現する拠点としての進化も続けているのです。
Q7やQ8がスロバキア産であることに不安を感じる必要は全くなく、むしろアウディのグローバル品質を支える重要な拠点のひとつであると考えるべきでしょう。
A3・Q3 生産はハンガリー工場が中心
アウディA3やQ3の生産拠点として知られているのが、ハンガリーのジュール工場です。
この工場は1993年に設立され、現在ではエンジン製造から車両の最終組み立てまでを一貫して行う、アウディの中でも特に重要な生産拠点となっています。
特にA3やQ3といったコンパクトモデルの大量生産に適した設備を整えており、世界中の市場に向けて安定した供給体制を築いているのが特徴です。
ハンガリー工場の強みは、最新鋭の生産ラインと熟練した技術者が融合している点にあります。例えば、車両組み立てラインには最新のロボティクスが導入され、人の手による細かな作業と機械による高精度な工程がバランス良く組み合わされています。
その結果、ドイツ本国で作られるモデルと同等の品質基準が保たれているのです。
さらに、ハンガリーという地理的条件も重要です。ヨーロッパ各国への物流がスムーズであり、サプライチェーンの効率化が図れるため、生産コストを抑えつつ品質を確保できるメリットがあります。
ジュール工場では年間数十万台のA3・Q3が生産されており、ヨーロッパ市場のみならず、日本やアジア地域にも供給されています。
一方で「ドイツ車=ドイツ製」というイメージが根強く残るため、ハンガリー製に対して不安を抱く声もあります。しかし、アウディの品質管理体制は世界共通です。
生産国が異なっても、インゴルシュタット本社で定められた厳しい基準を満たしているため、心配する必要はありません。むしろ、最新設備と効率的な生産体制を持つジュール工場で作られたA3・Q3は、グローバル市場で高い評価を受けています。
A1の生産国はスペイン!マルトレル工場の魅力

アウディA1は、スペイン・マルトレル工場で生産されています。このマルトレル工場はフォルクスワーゲングループの一員としても知られており、小型車やコンパクトカーの製造に特化した設備とノウハウを持つ生産拠点です。
A1はアウディブランドのエントリーモデルとして位置づけられており、ヨーロッパ市場を中心に多くのファンを持つ人気車種ですが、そのクオリティの高さはスペイン工場の技術力に支えられています。
マルトレル工場の最大の魅力は、効率的で環境配慮型の生産ラインが導入されていることです。最新の自動化設備やリサイクルシステムが整備されており、生産過程でのCO2排出量削減にも積極的に取り組んでいます。
加えて、スペイン国内外から集まった熟練工による高精度な組み立て工程が、アウディA1の品質を支えています。
「アウディA1がスペイン製」と聞いて驚く方も多いかもしれません。しかし、ドイツ本国で開発された厳格な品質基準に基づき、マルトレル工場でも一切の妥協なく生産が行われています。
製造工程は本社のインゴルシュタットとリアルタイムで連携しており、設計から最終検査に至るまでドイツ基準が適用されています。
また、スペインという立地も生産効率において大きな利点となっています。ヨーロッパ全体への輸送がスムーズに行えるほか、部品調達においてもコストパフォーマンスに優れた体制を築いています。
このように、アウディA1の「スペイン生産」は、単なるコスト削減ではなく、品質・効率・環境への配慮が見事に融合した戦略的な選択なのです。
アウディの生産国と中国生産の影響を徹底解説

・中国生産は一部モデルだけ?誤解される理由
・生産国が中国製になる車種とは
・BMWやベンツと比較したアウディの生産国事情
・ボルボの生産国との違い|中国生産の影響度は?
・アウディとBMWはどちらが壊れやすいのか?
・生産国と価格差の関係を解説
中国生産は一部モデルだけ?誤解される理由
「アウディは中国製になってしまった」といった誤解は、近年特に日本市場で耳にする声です。しかし、実際にはアウディの全モデルが中国で生産されているわけではなく、中国生産はあくまで一部のモデルに限られています。この誤解が広がる背景には、複数の要因が絡んでいます。
まず、アウディは中国市場における販売台数が急増しており、その需要に応えるために現地生産を強化しています。特に、現地向けのロングホイールベースモデル(LWB)や、EVモデルの一部は中国の合弁会社FAW-Volkswagenの工場で生産されています。
これらは中国国内向けであり、日本や欧州に輸出されるものとは異なります。
また、「グローバルで統一された品質基準」を掲げるアウディにとって、生産国による品質の差は存在しません。しかし、日本では「中国製=品質が低い」という先入観が根強く残っており、そのイメージが誤解を助長しています。
スマートフォンなど他製品においても、中国生産=廉価版という印象を持つ方が多いため、アウディに対しても同様のイメージが当てはめられてしまうのです。
さらに、インターネット上では「欧州車の大半が中国生産に切り替わっている」という誤った情報が拡散されがちです。事実、アウディのA4やA6、Q5などの主力モデルは今でもドイツ・メキシコ・ハンガリーなどで生産されており、中国製は限定的です。
この点を理解すれば、「アウディ=中国製」という認識がいかに偏ったものかがわかるでしょう。
生産国が中国製になる車種とは

アウディが中国で生産しているモデルは、主に中国国内市場向けに設計された特別仕様車が中心です。
代表的なのはA6LやA4Lといったロングホイールベース仕様のモデルで、これらは中国市場でのニーズに合わせて設計されています。中国では後席の広さを重視する顧客が多いため、通常モデルより全長を延長したLWB(ロングホイールベース)仕様が人気です。
こうしたモデルはFAW-Volkswagenの合弁工場で生産されており、欧州や日本市場には輸出されていません。
また、近年アウディは中国市場向けにEV(電気自動車)の現地生産も拡大しています。特に「Q5 e-tron」や「Q4 e-tron」の一部グレードは、中国の合弁工場で組み立てられており、現地需要に応じた生産体制を強化しています。
EVに関しては、バッテリーの調達や現地の法規制に対応するため、中国生産が合理的な選択肢となっているのです。
しかし、アウディが全モデルを中国生産に移行する計画はありません。プレミアムブランドとしてのアイデンティティを守るため、インゴルシュタットやネッカーズルム、メキシコ、スロバキアといった既存の主要拠点での生産を続けています。
つまり、現在日本に正規輸入されているアウディのほとんどは、これまで通りドイツやヨーロッパ各国、メキシコなどの工場で製造されています。
「生産国が中国製に切り替わる」といった情報は部分的には正しくても、実際には限定的なモデルに限られているのが実情です。中国製=低品質という先入観だけでなく、各生産拠点の役割や背景を知ることで、より正確な判断ができるようになるでしょう。
BMWやベンツと比較したアウディの生産国事情
アウディの生産国事情を理解するには、まずBMWやメルセデス・ベンツ(以下ベンツ)との違いを知る必要があります。
アウディはドイツのインゴルシュタットとネッカーズルムを本拠地としつつ、ハンガリー、メキシコ、中国、スロバキア、スペインなど世界各地に生産拠点を持っています。
これはアウディに限った話ではなく、BMWやベンツも同様に世界中に工場を展開しており、いわゆる「ドイツプレミアム3ブランド」はグローバル生産が当たり前となっています。
例えばBMWは、ドイツ本国の他にアメリカ・南アフリカ・中国・タイなどで主要モデルを製造しています。SUVモデルのXシリーズはアメリカのスパータンバーグ工場が有名です。
一方ベンツも、ドイツ国内のシンデルやラシュタットに加え、アメリカや南アフリカ、中国にも大規模な工場を構えています。
このように3ブランド共に「ドイツ車」としてのアイデンティティは守りながらも、生産効率や物流、現地ニーズに応じてグローバルに製造を分担しているのが現状です。
アウディがメキシコやハンガリーでA3・Q3・Q5を生産しているのに対し、BMWはSUVの多くをアメリカで製造し、ベンツもCクラスなどをアメリカで生産するケースがあります。
では「ドイツ本国製=高品質」というイメージはどうでしょうか。現在ではどの工場でも同じ品質基準と工程管理が徹底されており、生産国による品質差はほとんどありません。
ただし、ユーザー心理としては「ドイツ本国製」であることにブランド価値を感じる層が一定数いるため、その認識が根強く残っているのが実情です。アウディ、BMW、ベンツの生産国事情は「分散生産が主流」であり、それはコストや市場対応力を高めるための戦略と言えるでしょう。
ボルボの生産国との違い|中国生産の影響度は?

ボルボは現在、中国資本の吉利汽車(ジーリー)の傘下にあるため、「中国製のブランド」というイメージが強くなっています。しかし実態は少し違います。
ボルボの本社はスウェーデンのイェーテボリにあり、設計や品質管理はスウェーデン基準で行われています。生産拠点としてはスウェーデン、中国、ベルギー、アメリカに工場を持ち、特に中国の成都、大慶などで生産されるモデルが増えています。
アウディとボルボの違いは、中国生産の影響度にあります。アウディは中国市場向けに現地生産を行う一方、日本や欧州向けにはドイツ・ハンガリー・メキシコ製が主流です。
しかしボルボは中国工場で生産された車両を欧州や日本にも供給するケースが多く、S90やXC60の一部グレードは中国製が輸入されています。
それでは品質はどうでしょうか。前述の通り、設計や品質基準はスウェーデン本社が統括しており、製造場所が変わっても品質そのものに大きな差は出ません。しかし、ユーザーの心理的な面では「中国生産=品質不安」と感じる人が一定数いるのも事実です。
特に高級車ブランドは「生産国イメージ」が購入動機に影響するため、アウディに比べてボルボはその点で不利に感じる人もいます。
一方でボルボは、環境性能や安全装備を重視するユーザー層に強い支持を得ており、中国生産であっても納得して購入するユーザーが増えているのも事実です。
このようにアウディとボルボの生産国事情は、単なる工場の場所ではなく、ユーザーのブランド認識や信頼度に大きく関わる要素となっています。
アウディとBMWはどちらが壊れやすいのか?
「アウディとBMW、どちらが壊れやすいか?」という問いは、自動車ファンの間でもよく議論されるテーマです。しかし、結論から言えば両ブランドの信頼性には大きな差はありません。
どちらもドイツ車らしい高品質な設計が施されており、適切なメンテナンスを行えば10年以上快適に乗り続けることが可能です。
それではなぜ「BMWの方が壊れにくい」「アウディの方が故障が多い」といった印象が広まっているのでしょうか。その背景には、駆動方式の違いや過去のイメージが影響しています。
BMWはFR(後輪駆動)を基本としたモデルが多く、シンプルな構造が故障リスクを抑えていると言われます。一方アウディはクワトロ(4WD)システムを採用しており、その分部品点数が多く、メンテナンス頻度が高くなる場合もあります。
しかし、これは構造的な特性に過ぎず、「壊れやすい=品質が低い」と直結するものではありません。実際、アウディのクワトロシステムは悪路や高速走行での安定性に優れ、多くのユーザーから高評価を得ています。
また、故障の多い時期とされるのは2000年代前半のモデルが中心であり、近年のアウディ・BMWの新型車は品質管理が飛躍的に向上しています。
重要なのは定期的なメンテナンスです。どちらのブランドも消耗品交換やオイル管理を怠れば、故障リスクは高まります。むしろ「壊れやすさ」を論じる際には、乗り方やメンテナンス意識の方が車種差よりも影響が大きいといえるでしょう。
生産国と価格差の関係を解説

アウディの価格は生産国によって違うのか、と疑問に思う方は少なくありません。実際には、生産国そのものが車両価格を大きく左右することはありませんが、製造拠点ごとのコスト構造や関税、輸送コストが影響するケースはあります。
たとえば、アウディQ5はメキシコ工場で生産されていますが、これは北米市場や中南米への供給を意識した生産拠点選びです。メキシコは多くの国と自由貿易協定を結んでおり、関税面で有利なため生産コストを抑えつつ競争力のある価格設定が可能です。
一方、A3やQ3のようにハンガリー製のモデルも、生産効率の高い体制によって価格のバランスを取っています。
しかし「中国製=安い」という考え方は必ずしも当てはまりません。例えば、中国で生産されるアウディA6Lは高級モデルであり、価格は欧州製とほとんど差がないか、場合によっては高く設定されることもあります。
これは、品質管理にかかるコストや、中国国内の富裕層をターゲットにした仕様が含まれるためです。
また、輸送コストも重要なファクターです。ヨーロッパ製の車両をアジア市場に輸出する際、物流コストが価格に転嫁される場合がありますが、これは為替レートや販売戦略にも左右されます。
つまり、生産国が価格差に影響を与えるのは事実ですが、それは単純な「どこで作ったか」ではなく、各地域の経済状況やマーケティング戦略が複雑に絡み合った結果と言えます。だからこそ「国産より高い」「中国製だから安い」というイメージだけで価格を判断するのは正確ではありません。
まとめ:アウディの生産国について

・アウディはドイツ車だが生産国はドイツ以外にも存在する
・ドイツ本社はインゴルシュタットにあり品質基準の中核を担っている
・ネッカーズルム工場ではA6やA8などの上位モデルが生産されている
・Q5はメキシコのサンホセ チアパス工場で生産されている
・スロバキアのブラティスラヴァ工場はQ7・Q8の主要生産拠点である
・A3・Q3はハンガリーのジュール工場が生産の中心となっている
・A1はスペインのマルトレル工場で製造されている
・中国生産はロングホイールベースモデルや一部EVモデルに限られる
・日本に輸入されるアウディは主にドイツ・ハンガリー・メキシコ製が中心
・中国生産=品質低下というイメージは誤解である
・BMWやベンツもアウディ同様にグローバル生産を行っている
・ボルボは中国生産モデルを日本市場にも供給している点でアウディと異なる
・アウディの品質基準は全世界の工場で統一されている
・生産国による価格差は関税や物流コストが影響するが品質の差ではない
・グローバルな生産分散はコスト効率と市場対応力を高める戦略である
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