アメリカンラグジュアリーSUVの象徴、そして多くの人々の憧れの的として、エンターテインメント業界やセレブリティの世界でも頻繁にその姿を見せるキャデラック・エスカレード。
その圧倒的な存在感と、豪華さを極めた内装に心を奪われ、いつかは所有したいと夢見る方も多いのではないでしょうか。
しかし、その夢を現実として考えるとき、避けては通れないのが「値段」という大きなテーマです。新型2025年モデルの発表でさらに注目度が高まる中、その新車価格はもちろん、中古市場での価格相場、人気のプラチナムやスポーツといった主要グレードによる詳細な違い、さらには国内では希少なロングボディの入手方法まで、知りたい情報は山積しています。
この記事では、キャデラック・エスカレードの値段という核心的なテーマについて、あらゆる角度から深く掘り下げていきます。
- キャデラック エスカレードの最新モデル(2025年)の新車価格とグレード詳細
- 年式・世代別に見る中古車の価格相場と選び方
- 購入前に必ず把握すべき年間維持費と必要な年収のリアルな目安
- 運転免許、サイズ、希少性など、所有に関するあらゆる疑問への回答
グレードで比較するキャデラック エスカレードの値段

- 新型2025年モデルの新車価格
- 中古で探すエスカレードの価格帯
- 最上級グレード「プラチナム」の価格
- 人気グレード「スポーツ」の価格
- ロングボディの価格設定について
- 豪華な内装とエクステリア
新型2025年モデルの新車価格
2025年5月、キャデラックはさらなる進化を遂げた新型エスカレードを発表しました。
この最新モデルは、デザイン、テクノロジー、そしてパフォーマンスのすべてにおいて新たな基準を打ち立て、ラグジュアリーSUV市場におけるその地位を不動のものにしています。
結論として、新型2025年モデルの新車価格は1,890万円から1,995万円で設定されており、これはまさにアメリカンラグジュアリーの頂点にふさわしい価格帯と言えます。
特に、この新型の発売を記念して50台限定で用意された「スポーツ ローンチ エディション」は、特別な内外装と専用装備が与えられ、約2,000万円という価格ながらも、その希少性から高い注目を集めています。各グレードの価格詳細は以下の通りです。
グレード | 新車価格(税込) | 特徴的な装備 | ハンドル |
---|---|---|---|
プラチナム | 18,900,000円 | ガルバノグリル、セミアニリンレザーシート | 左 |
スポーツ | 19,500,000円 | グロスブラックパーツ、専用ホイール | 左 |
スポーツ ローンチ エディション | 19,950,000円 | 専用色、24インチホイール、モノトーンクレスト | 左 |
これらの価格はメーカー希望小売価格であり、登録に伴う諸経費や保険料は含まれていません。
また、選択するメーカーオプションによって最終的な支払額は変動します。正確な情報については、必ずキャデラック正規ディーラーにて見積もりを取得してください。
(参照:キャデラック公式サイト)
新型モデルの大きな特徴は、刷新されたフロントフェイスや、コックピットに広がる湾曲型55インチという巨大なHDカーブドフロントディスプレイです。
これはドライバーに必要な情報と助手席のエンターテインメントを両立させる革新的な装備です。これら最先端技術の搭載と、世界的な原材料費の上昇などを考慮すると、この価格設定にも十分な説得力があり、まさに、最新・最高の体験を求めるユーザーのための価格と言えるでしょう。
中古で探すエスカレードの価格帯
新車価格が2,000万円に迫るエスカレードは、憧れはあっても現実として捉えにくいかもしれません。
しかし、視点を中古車市場に向けることで、その夢はぐっと身近なものになります。現在の中古車市場では、下は70万円台から上は1,500万円を超える車体まで、非常に幅広い価格帯でエスカレードが流通しており、予算に応じた多様な選択が可能です。
価格を決定づけるのは、主に「年式(世代)」「走行距離」「グレード」「車両状態」そして「正規輸入か並行輸入か」という点です。
世代別の特徴と価格相場
- 4代目(2020年〜): 現行モデルであり、中古車市場でも1,000万円を超える高価格帯で取引されています。最新のデザインとテクノロジーを少しでも安く手に入れたい方向けです。
- 3代目(2015年〜2020年): 現代的な装備とラグジュアリー感を備えつつ、価格が500万円〜1,000万円程度と、かなりこなれてきています。コストパフォーマンスを重視するなら最も狙い目の世代かもしれません。
- 2代目(2007年〜2014年): この世代からV8 6.2Lエンジンが搭載され、力強い走りは健在です。価格は数百万円台が中心となり、カスタムベースとして楽しむユーザーからの人気も根強いです。
中古車選びで失敗しないための重要ポイント
中古のエスカレード選びでは、価格の安さだけに飛びつくのは危険です。特に以下の点には注意が必要です。
- 正規ディーラー車の確認: 安心感を求めるなら、整備記録がしっかりしており、日本の保安基準に適合している正規ディーラー車がおすすめです。
- 修復歴の有無: 車両の骨格部分を修理した修復歴車は、走行安定性に問題を抱えている可能性があるため、必ず確認しましょう。
- 消耗品のチェック: 大径タイヤやブレーキパッドなどの消耗品は交換費用も高額になりがちです。購入前に状態を確認することが重要です。
- 電装系の動作確認: パワーシートやサンルーフ、各種センサーなど、豪華装備が多い分、電装系のトラブルも考えられます。一つ一つ動作を確認させてもらいましょう。
中古車は、まさに一期一会です。複数の販売店を訪れ、多くの車両を比較検討し、可能であれば試乗して車両の状態を肌で感じることが、後悔のない中古車選びの鍵となります。
最上級グレード「プラチナム」の価格

キャデラック エスカレードのラインナップにおいて、「プラチナム」は伝統的なラグジュアリーと最高の快適性を追求した、まさに王道と呼べる最上級グレードです。
新型2025年モデルにおける「プラチナム」の新車価格は18,900,000円。この価格には、他の追随を許さないほどの豪華な専用装備の価値が含まれています。
プラチナムをプラチナムたらしめているのは、細部にまで徹底的にこだわった特別な仕様の数々です。
「プラチナム」を象徴する豪華装備
- エクステリア: 水平基調のクロームバーが美しい、エレガントな専用ガルバノグリルと、専用デザインの22インチ10スポークポリッシュドアロイホイール。
- インテリア: 職人が手作業で仕上げたセミアニリン仕上げのフルレザーシート。フロントシートには、長距離ドライブの疲れを癒すマッサージ機能も内蔵されています。
- オーディオ: 車載オーディオの常識を覆す「AKG製Studio Reference 36スピーカーオーディオシステム」。車内の隅々に配置された36個のスピーカーが、コンサートホールにいるかのような立体的な音響空間を創出します。
- 快適装備: 後席乗員のためのデュアルディスプレイ・リアシートエンターテイメントシステムや、コンソールボックス内に設置された冷蔵・冷凍庫機能付きクーラーボックスなど、おもてなしの装備も万全です。
特に、プラチナムの内装は、触れるものすべてが最高品質。しっとりとしたレザーの手触りや、本物のウッドパネルが持つ温かみは、ドライバーと同乗者に格別の満足感を与えてくれます。
後席に大切なゲストや家族を乗せる機会が多い方、あるいは移動時間そのものを最高に贅沢な体験にしたいと考える方にとって、「プラチナム」の価格は、その価値に十分見合う投資となるでしょう。
人気グレード「スポーツ」の価格
「プラチナム」が伝統的なラグジュアリーを体現する一方、現代的で力強い個性を求めるユーザーから絶大な支持を集めているのが「スポーツ」グレードです。
新型2025年モデルの「スポーツ」は新車価格19,500,000円と、「プラチナム」を上回る価格設定がされています。これは、「スポーツ」が単なる廉価版ではなく、異なる魅力と価値を持つもう一つの頂点であることを示しています。
「プラチナム」との明確な差別化
「スポーツ」の最大の特徴は、その名の通りスポーティでアグレッシブなスタイリングです。エクステリアの随所にグロスブラックのアクセントが用いられ、車両全体を引き締まった精悍な印象に仕上げています。
比較項目 | プラチナム | スポーツ |
---|---|---|
フロントグリル | クローム(ガルバノグリル) | グロスブラック(メッシュグリル) |
ウィンドウモール等 | クローム | グロスブラック |
ホイール | ポリッシュド仕上げ | ダークアンドロイド仕上げ |
全体の印象 | エレガント、ラグジュアリー | スポーティ、アグレッシブ |
近年の高級車市場では、メルセデス・ベンツのAMGラインやBMWのMスポーツのように、スポーティな内外装を持つグレードが人気を博す傾向にあります。
「エスカレード スポーツ」もこの流れを汲んだ、現代のユーザーニーズに応える戦略的なグレードと言えますね。
走行性能を司るエンジンやサスペンション、先進安全装備といった基本性能は「プラチナム」と共通です。そのため、どちらを選ぶかは純粋にスタイルの好みによるところが大きいです。
華やかで優雅な雰囲気を求めるなら「プラチナム」、モダンで力強い存在感を求めるなら「スポーツ」。価格差も考慮しつつ、ご自身の感性に響く一台を選ぶのが、最も満足度の高い選択となるはずです。
ロングボディの価格設定について
広大な室内空間を誇るエスカレードですが、それをさらに上回るバージョンが存在します。それが、「ESV(Escalade Stretch Vehicle)」と呼ばれるロングボディ仕様です。
標準ボディの全長5,400mmに対し、ESVは全長5,765mmと約37cmも長く、その延長分は主に3列目シートの居住空間と、その後方のラゲッジスペースの拡大に充てられています。
注意:ESVは正規輸入されていません
非常に魅力的なESVですが、大変残念なことに、現行モデルを含め、これまで一度も日本のキャデラック正規ディーラーで正式に販売されたことはありません。
日本国内でESVを所有するためには、海外から車両を輸入・販売する「並行輸入」を専門とする業者を通じて購入する以外の方法はありません。
そのため、「ESVの価格」というものは定価が存在しません。価格は、ベースとなる車両の価格(仕入れ値)に加えて、輸送費、通関費用、国内の排ガス検査や保安基準に適合させるための改善費用、そして業者の利益などが上乗せされて決まります。
一般的には、同一年式・同グレードの標準ボディの中古車よりも数百万円高くなるケースが多いようです。
大家族での利用や、ゴルフバッグ、キャンプ用品といった大きな荷物を積む機会が多い方にとって、ESVの広大なスペースは唯一無二の価値を提供します。
しかし、購入を検討する際は、価格だけでなく、購入後の保証やメンテナンス体制、リコール発生時の対応などを、信頼できる並行輸入業者と入念に打ち合わせることが不可欠です。
豪華な内装とエクステリア
キャデラック エスカレードの価格を構成する大きな要素、それは単なるスペックや機能に留まらない、所有する喜びを五感で感じさせる豪華な内装と、見る者を圧倒するエクステリアデザインにあります。
これらは、キャデラックが100年以上にわたって培ってきたクラフトマンシップと、最先端のデザイン哲学「アート&サイエンス」の結晶です。
未来と伝統が融合する内装空間
コックピットに乗り込んでまず目を奪われるのは、業界に先駆けて採用された38インチの湾曲型OLED(有機EL)ディスプレイです。この一枚のガラスに収められたディスプレイは、4Kテレビの2倍という驚異的なピクセル密度を誇り、ドライバーに必要な情報をクリアに表示します。
さらに、拡張現実(AR)ナビゲーションや、赤外線カメラで夜間の歩行者や動物を検知するナイトビジョンなど、未来的な機能も統合されています。
一方で、ダッシュボードやドアトリムには、厳選された本物のウッドパネルや、職人が手作業でステッチを施したレザーが惜しみなく使われており、デジタルとアナログが見事に調和した、温かみのあるラグジュアリーな空間を創り出しています。
威厳と風格を纏うエクステリア
エスカレードのエクステリアは、まさに動く芸術品です。キャデラックの象徴である巨大な盾形のフロントグリルと、天から地へと伸びるかのような縦型のLEDヘッドランプが、揺るぎない威厳と風格を表現しています。
全長5.4m、全幅2mを超える巨大なボディでありながら、シャープなキャラクターラインと計算された面構成により、決して大味な印象を与えません。この巨体と繊細なディテールが両立している点こそ、「アート&サイエンス」の真骨頂です。
エスカレードを所有するということは、単に高性能なSUVを手に入れることではありません。移動時間を特別なひとときに変え、日常に非日常の彩りを与えてくれる、唯一無二の体験を手に入れることなのです。その体験価値こそが、エスカレードの価格に込められていると言えるでしょう。
キャデラック エスカレードの値段と維持に関する知識

- サイズと気になる燃費性能
- 日本仕様に右ハンドルの設定はある?
- 普通免許で運転できるか解説
- 希少価値は?日本に何台ある?
- 維持に必要な年収いくらから乗れる?
サイズと気になる燃費性能
エスカレードの購入を決断する前に、その規格外のボディサイズと、多くの人が気にするであろう燃費性能について、現実的な視点で理解しておくことが極めて重要です。
これらは日々の維持費や運転のしやすさに直接影響します。
国産SUVを圧倒するボディサイズ
エスカレードのサイズは、日本の道路ではまさに最大級。その大きさを国産の人気大型SUVと比較してみましょう。
車種 | 全長 | 全幅 | 全高 |
---|---|---|---|
キャデラック エスカレード | 5,400 mm | 2,065 mm | 1,930 mm |
トヨタ ランドクルーザー300 | 4,985 mm | 1,980 mm | 1,925 mm |
ご覧の通り、ランドクルーザーと比べても全長で約40cm、全幅で約8.5cmも大きいことがわかります。
このため、一般的な機械式の立体駐車場は利用できず、平置きの駐車場が必須となります。また、都心部の狭い路地やコインパーキングでは、その取り回しに細心の注意が必要です。
最小回転半径と運転感覚
見た目の大きさから想像するよりは小回りが利くと評価されることもありますが、それでも最小回転半径は公表値がないものの6m前後と推測されます。
Uターンや車庫入れでは、複数回の切り返しが必要になる場面も想定しておくべきです。全周カメラの映像を最大限に活用することが、この巨体を操るコツとなります。
大排気量エンジンと燃費性能
6.2L V8という大排気量エンジンを搭載するエスカレードの燃費は、推して知るべしです。
日本での公式なWLTCモード燃費はアナウンスされていませんが、オーナーからの報告や海外の公表値などを総合すると、実燃費は市街地走行でリッターあたり4〜6km、巡航速度を保てる高速道路で7〜9km程度が現実的な数値となります。もちろん、走行状況やアクセルワークによって大きく変動します。
現行モデルには、走行状況に応じて一部のシリンダーを休止させる「ダイナミックフューエルマネジメント」という燃費向上技術が搭載されていますが、それでも燃料費が高額になることは避けられません。ハイオク仕様であることも含め、維持費の中でも燃料代が大きな割合を占めることを覚悟しておきましょう。
日本仕様に右ハンドルの設定はある?
交通インフラが左側通行に合わせて設計されている日本において、右ハンドル仕様の有無は重要な選択基準の一つです。
この点について結論を先に述べると、2025年現在、キャデラックの正規ディーラーで販売されているエスカレードに右ハンドルの設定は一切ありません。
正規輸入モデルは、生産国であるアメリカ本国仕様と同様の左ハンドルのみとなります。
これは、日本市場の販売台数規模では、専用の右ハンドル仕様を開発・生産するコストを吸収できないというビジネス上の判断に加え、キャデラックというブランドが持つ「アメリカ」の文化や世界観をそのまま提供したいという思想の表れでもあります。
左ハンドル運転のメリットとデメリット
これまで右ハンドル車のみを運転してきた方にとって、左ハンドルは大きな不安要素かもしれません。しかし、物事には表と裏があります。メリットとデメリットを正しく理解しておきましょう。
- メリット: 対向車線との距離が掴みやすく、センターラインに寄せやすい。本国仕様オリジナルの操作系を味わえる。
- デメリット: 追い越し時に右前方の視界が悪い。料金所やドライブスルー、駐車場の精算機で不便を感じる。左端の感覚を掴むまで時間がかかる。
多くの場合、運転感覚は数日のうちに慣れると言われています。特にエスカレードは車高が高く視界が広いため、思ったよりも運転しやすいと感じるかもしれません。
全方位カメラや各種センサーといった運転支援システムも、左ハンドル特有の死角を補う上で大きな助けとなります。
エスカレードを所有することは、左ハンドルという異文化体験も込みで楽しむことと捉えるのが、この車と付き合う上での心構えと言えるかもしれません。
普通免許で運転できるか解説

「この巨大なエスカレードを、自分の持っている普通免許で運転できるのだろうか?」これは、購入を検討する上で法的に最も重要な確認事項です。この問いに対する答えは、「あなたが運転免許を取得した年月日」によって決まります。
免許の種類を分ける基準となるのは「車両総重量」です。車両総重量とは、「車両重量(車の重さ)+ 乗車定員の重量 + 最大積載量」で計算されます。
エスカレードの場合、車両重量が約2,780kg、乗車定員は7名(1名あたり55kgで計算すると385kg)なので、単純計算で車両総重量は3,165kgとなります。この数値が、あなたの免許で運転できる範囲内にあるかどうかが問題です。
【要確認】免許証の取得年月日と運転可能な範囲
- 2017年(平成29年)3月12日以降に取得 → 『普通免許』
運転できません。この免許で運転できるのは車両総重量3.5トン未満の車です。エスカレードを運転するには、『準中型免許』以上が必要になります。 - 2007年(平成19年)6月2日〜2017年3月11日に取得 → 『普通免許』(現:準中型5t限定免許)
運転できます。免許証には「普通車は準中型車(5t)に限る」といった記載があり、車両総重量5.0トン未満まで運転可能です。 - 2007年(平成19年)6月1日以前に取得 → 『普通免許』(現:中型8t限定免許)
運転できます。免許証には「普通車は中型車(8t)に限る」といった記載があり、車両総重量8.0トン未満まで運転可能です。
まずはご自身の免許証を取り出し、「交付」年月日と、条件欄の記載を必ず確認してください。この確認を怠ると、無免許運転という重大な違反になってしまう可能性があります。
少しでも不安な場合は、管轄の警察署や運転免許センターへ問い合わせることを強くお勧めします。
希少価値は?日本に何台ある?
エスカレードが放つ特別なオーラ。その源泉の一つが、路上でめったに出会うことのない「希少性」です。では、実際のところ、広大な日本国内にエスカレードは何台くらい走っているのでしょうか。
残念ながら、車種別の正確な登録台数をまとめた公的なデータは存在しません。しかし、いくつかの情報からその希少性を推し量ることはできます。
日本自動車輸入組合(JAIA)が発表する統計を見ると、キャデラックブランド全体の日本での年間新規登録台数は、多い年でも1,000台に満たない数百台レベルで推移しています。エスカレードは、その中の一車種に過ぎません。
大手中古車情報サイトで検索してみると、全国でのエスカレードの掲載台数は200〜300台程度であることが多いです。これを多いと見るか少ないと見るかですが、例えばトヨタのアルファードが数千台単位で掲載されていることを考えると、その希少性は際立っていますね。
なぜこれほどまでに希少なのか。その理由は、2,000万円近い高額な車両価格、日本の道路環境では持て余すほどの巨大なボディサイズ、そして左ハンドルのみという設定など、日本市場においては非常にニッチな存在だからです。誰もが簡単に所有できる車ではないからこそ、その価値は高まります。
特に、日本市場のために特別に企画された「ホワイトスポーツエディション」(限定30台)や「25thアニバーサリーエディション」(限定15台)といった限定モデルは、まさにコレクターズアイテム。
これらのモデルは中古車市場でも滅多にお目にかかれず、もし見つけたとしたら、それは奇跡的な出会いと言えるかもしれません。この希少性が、エスカレードの高いリセールバリューを支える一因にもなっています。
維持に必要な年収いくらから乗れる?
エスカレードとのカーライフを実現するための最後の関門、それが「維持費」です。車両を購入できたとしても、その後の維持費が家計を圧迫してしまっては元も子もありません。
ここでは、一体どれくらいの年収があれば、安心してエスカレードを所有し続けられるのか、具体的なシミュレーションを交えて探っていきます。
もちろん、これは個々のライフスタイルや価値観によって変動しますが、一つの客観的な指標として、年間の維持費を概算してみましょう。
エスカレードの年間維持費シミュレーション(概算)
費用項目 | 年間費用(目安) | 算出根拠・備考 |
---|---|---|
自動車税(種別割) | 110,000円 | 総排気量6リットル超の区分。毎年5月に納付。 |
自動車重量税 | 24,600円 | 車両重量2.5トン超〜3.0トン未満の区分。車検時に2年分(49,200円)を納付するため、その半額を計上。 |
自賠責保険料 | 約10,000円 | 車検時に24ヶ月分を支払うため、その半額を計上。 |
任意保険料 | 約150,000円〜 | 年齢、運転歴、等級、そして高額な車両保険の付帯により大きく変動。20等級でも15万円以上は見ておきたい。 |
燃料代(ハイオク) | 約360,000円 | 年間走行距離1万km、平均燃費5km/L、ガソリン単価180円/Lで計算。走行距離が伸びればさらに増加。 |
メンテナンス・車検費用 | 約150,000円〜 | オイル、タイヤ、ブレーキ等の消耗品交換費用と、2年に1度の車検費用を年平均で算出。故障修理は別途。 |
年間維持費 合計 | 約800,000円〜 | 上記に加えて、月極駐車場代(都心部では月5万円以上も)や高速道路料金が別途必要。 |
シミュレーションの結果、各種税金や保険、燃料代、メンテナンス費用を合わせると、年間で最低でも80万円程度の出費が見込まれます。
これに駐車場代や突発的な故障修理費用が加わることを考えると、年間100万円以上の予算を見ておくのが現実的です。
一般的に、車関連の出費は手取り年収の10%〜15%に収めるのが健全な家計の目安とされています。
この基準に当てはめると、エスカレードを無理なく、そして心から楽しむためには、年収1,000万円が一つの大きなボーダーラインとなり、できれば1,200万円以上あると、より安心して所有できると言えるでしょう。
もちろん、これはあくまで目安です。住宅ローンや教育費などの他の支出とのバランスを考え、ご自身にとって最適な資金計画を立てることが何よりも重要です。
まとめ:キャデラック・エスカレードの値段と購入ポイント
今回は、アメリカンラグジュアリーSUVの頂点に立つキャデラック・エスカレードについて、その値段を軸に、購入から維持に至るまでのあらゆる情報を詳細に解説しました。最後に、本記事でご紹介した重要なポイントを振り返ります。
- 新型2025年モデルの新車価格は1,890万円からと高額
- 中古車市場では70万円台から1,500万円超まで幅広い選択肢が存在する
- 年式や世代によって価格と特徴が大きく異なるため予算に応じた選択が可能
- 最上級グレード「プラチナム」は伝統的な豪華さを極めた仕様
- 人気グレード「スポーツ」はブラックアクセントが特徴のモダンで精悍な仕様
- 広大な室内空間を誇るロングボディ「ESV」は並行輸入でのみ入手可能
- 内装の象徴は未来的な38インチ湾曲OLEDディスプレイ
- 全長5.4m、全幅2.06mというサイズは国産車を圧倒し駐車場を選ぶ
- 実用燃費はリッター4km〜9km程度で燃料費は高額になる
- 正規輸入車に右ハンドルの設定は一貫して存在しない
- 運転には取得時期により準中型免許以上が必要となる場合があるため免許証の確認が必須
- 日本国内での流通台数は少なく非常に高い希少価値を持つ
- 年間維持費は駐車場代を除いても最低80万円以上が見込まれる
- 安心して所有するための年収目安は1,000万円以上が望ましい
- 購入の際は正規ディーラーでの試乗や詳細な見積もりが不可欠
- 中古車の場合は信頼できる販売店で車両状態を徹底的にチェックすることが重要