ホンダ・シビックは1972年に初代モデルが登場して以来、世界中で高い評価を受け続けているコンパクトカーの名車です。
本記事では初代シビックの型式とその革新性から始まり、各世代の型式とボディバリエーションを年代順に整理しながら、通称ミラクルシビック・スマートシビックとは?というユニークなニックネームの背景もご紹介します。
また、走り好きにとっては外せないEK9とスポーツイメージの確立、現行モデルで注目されたFK7の魅力と最新型式も詳しく解説。さらに歴代シビックの画像で見る変遷を交え、視覚的にも楽しめる構成です。
中古購入を検討中の方には型式別おすすめ中古車とは、そして未来を見据えた新型シビックの型式と今後の展望もお届けします。シビックの歴史と魅力を“型式”という視点から深く理解できる完全ガイドです。
・初代から現行モデルまでのシビックの型式
・各世代のシビックの特徴
・タイプRの歴代型式とスペックの進化
・型式ごとのおすすめ中古車と選び方
シビックの歴代型式と進化を解説

・初代シビックの型式とその革新性
・各世代の型式とボディバリエーション
・ミラクルシビック・スマートシビックとは?
・EK9とスポーツイメージの確立
・FK7の魅力と最新型式
・歴代シビックの画像で見る変遷
初代シビックの型式とその革新性
1972年に登場した初代ホンダ・シビックは、型式「SB1」などで知られるモデルです。
このクルマが誕生した背景には、当時の環境規制「マスキー法」をクリアするという大きな目標がありました。ホンダはその困難なハードルを世界で初めて乗り越えたメーカーとして、高い評価を受けることになります。
加えて、初代シビックは日本車としてはまだ珍しかった前輪駆動(FF)と2ボックスデザインを採用していた点も見逃せません。
こうしたパッケージングの工夫によって、車内空間の広さと運転しやすさを両立させることに成功しました。今でこそFF車は当たり前の存在ですが、当時は駆動形式の主流は後輪駆動(FR)であり、FFは革新的な技術と見なされていたのです。
また、ボディサイズは全長3,405mmと非常にコンパクトでありながら、4人がしっかりと乗れる実用性を備えていたことも、都市部の利用者を中心に人気を集める理由となりました。
さらに、1.2リッター直列4気筒エンジンと4速マニュアルトランスミッションの組み合わせは、当時の軽快な走りを好むユーザー層からも支持を得ました。
燃費性能にも優れ、当時としては驚異的な22km/Lを実現。経済性と性能を両立した初代シビックは、単なる小型車という枠を超えて、ホンダブランドのグローバル展開を牽引する存在となっていきます。
このように、初代シビックはその時代の常識を覆すほどの革新性を備えており、現在に至るまでの「シビック」という車名が持つ意味を決定づけた原点でもあるのです。
各世代の型式とボディバリエーション

シビックは10代目までにわたり進化を続けてきたロングセラーモデルであり、それぞれの世代ごとに異なる型式と多様なボディバリエーションが存在しています。
まず初代(1972年)は「SB1」型の2ドアから始まり、のちに3ドアハッチバックや5ドアも追加されました。続く2代目(1979年)は「SL」「SS」などの型式で、引き続き3ドアを主軸としつつも、1.5Lエンジンなどパワートレインの選択肢が広がりました。
3代目(1983年)は「ワンダーシビック」の愛称で知られ、「AG」「AH」などの型式が付けられています。この世代から5ドアシャトルや4ドアセダンが本格展開され、ボディの選択肢が一気に拡大しました。
4代目「グランドシビック」(1987年)は「EF」型で、上級モデル「SiR」にはVTECエンジンが初めて搭載されました。5代目(1991年)は「EG」型で、ここでも4ドアセダン(フェリオ)や北米向け2ドアクーペが登場します。
6代目(1995年)の「EK」型、7代目(2000年)の「EU」型では、特に日本市場向けのモデルと海外仕様で明確な違いが生まれていきました。8代目(2005年)以降は、ボディが3ナンバー化され、北米向け・欧州向けで設計が分かれる時代に突入します。
歴代シビックの型式とボディタイプ-1
世代 | 登場年 | 型式 | 主なボディタイプ |
---|---|---|---|
初代 | 1972年 | SB1 | 2ドア、3ドアハッチバック、5ドア |
2代目 | 1979年 | SL, SS | 3ドア中心、5ドアあり |
3代目(ワンダー) | 1983年 | AG, AH | 3ドア、4ドアセダン、5ドアシャトル |
4代目(グランド) | 1987年 | EF | 3ドア、4ドアセダン(SiR) |
5代目 | 1991年 | EG | 3ドア、4ドアセダン(フェリオ)、2ドアクーペ |
6代目 | 1995年 | EK | 3ドア、4ドア、タイプR(EK9) |
10代目(2015年)「FC」「FK」型では、ハッチバックとセダンが併売され、安全性能や運転支援技術が大幅に進化しました。
歴代シビックの型式とボディタイプ-2
世代 | 登場年 | 型式 | 主なボディタイプ |
---|---|---|---|
7代目 | 2000年 | EU | 4ドア、3ナンバーワイドボディ |
8代目 | 2005年 | FD, FN | セダン、ハッチバック(地域により異なる) |
9代目 | 2011年 | FB, FG | セダン(日本向け)、ハッチバック |
10代目 | 2015年 | FC, FK | セダン、ハッチバック、安全装備進化 |
このように歴代シビックは、時代と市場のニーズに応じて型式もボディタイプも多様化してきました。1台のモデル名でここまで多様な変化を遂げてきた車種は他に類を見ないと言えるでしょう。
ミラクルシビック・スマートシビックとは?
「ミラクルシビック」とは、1995年に登場した6代目シビックの通称で、「スマートシビック」はその後を継ぐ2000年登場の7代目シビックに与えられたニックネームです。いずれも当時の技術やコンセプトに基づいた開発がなされており、それぞれの時代背景が色濃く反映されています。
まず「ミラクルシビック」の名が付いた6代目は、ホンダが初めて3ステージVTECを実用化したモデルでもあります。
このシステムは低回転域での燃費向上と高回転域でのパワーを両立するもので、同世代に初登場したCVT(ホンダマルチマチック)との組み合わせによって、ドライバビリティと効率性の両面において画期的な進化を遂げました。
さらに注目すべきは「タイプR」の誕生です。
1997年、シビックに初めて追加されたタイプRは、レーシング直系の高性能モデルとして市販車でありながら驚異の性能を持ち、モータースポーツでも実績を残しました。これによってシビック全体のスポーツイメージが飛躍的に高まり、「走りのホンダ」を代表する存在となります。
一方、「スマートシビック」と呼ばれる7代目は、パッケージング思想を刷新し、トールボディ+広い室内空間を実現。
FFミニバンに近い使い勝手を追求し、ウォークスルーやインパネシフトの採用などで日常的な利便性にフォーカスしました。ハイブリッドグレードの追加もこの代からで、環境対応車としての側面も強調されています。
このように、ミラクルとスマートという名がついた2世代は、シビックの技術進化と多様性の象徴的な存在と言えるでしょう。
EK9とスポーツイメージの確立
「EK9」は、1997年に登場したシビックタイプRの初代モデルに与えられた型式です。
このモデルは、ホンダが市販車としての限界を追求したスポーツコンパクトの傑作と評されています。タイプR自体はNSXやインテグラで既に登場していましたが、シビックにこの称号が与えられたことで、より若い世代やスポーツ志向のユーザーに手が届くモデルが登場したことになります。
EK9の最大の特徴は、B16B型エンジンを搭載していたことです。このエンジンは、1.6Lという排気量でありながら185馬力という高出力を発生し、NAエンジンとしては驚異的な性能を誇りました。
しかも、サスペンションやボディ剛性の強化、軽量化された内装パーツなど、まさにサーキットを前提とした設計が施されており、純粋なドライビングプレジャーを味わうことができるモデルでした。
また、タイプR専用のチューンドパーツやシート、レッドヘッドカバー、5穴ホイールなど、視覚的にも“ただ者ではない”というオーラを放っていました。
もちろん、一般道でも乗れるクルマではありましたが、快適性や静粛性は必要最低限に抑えられており、それが逆に“本物志向”のファンに強く支持される要因となります。
このEK9の登場によって、「シビック=エコノミーカー」というイメージは一変し、シビックはホットハッチの代名詞へと変貌します。
その後の歴代タイプRシリーズやスポーツグレードの基盤を築いた存在であり、今でも中古市場では高値で取引されていることからも、ファンの熱量と評価の高さがうかがえます。スポーツモデルとしてのシビックの地位を決定づけたのが、まさにこのEK9だったのです。
FK7の魅力と最新型式

FK7は、2017年に登場した10代目ホンダ・シビック ハッチバックの型式であり、グローバルモデルとしての完成度が極めて高い一台です。この型式は「シビック=実用車」という既存のイメージを超え、スポーティかつ上質なコンパクトハッチバックとして新たな地位を確立しました。
注目すべき点は、ダウンサイジングターボエンジンと先進的なデザイン、そして欧州基準の足回りです。
搭載されているのは、1.5L直噴VTECターボエンジン。このエンジンは最大出力182PS、最大トルク220Nmを発揮し、街乗りはもちろん、高速道路での合流や追い越しにも力強く対応できます。
さらに、このクラスとしては珍しく6速MTとCVTの選択肢が用意されており、ドライビングスタイルに合わせた楽しみ方が可能です。
エクステリアはシャープなLEDヘッドライトとワイド&ローのスタンスで、視覚的にもスポーツ性を強調しています。ボディサイズは全長4,520mm、全幅1,800mmとやや大きめで、3ナンバーサイズですが、そのぶん室内空間も広く、大人4人が快適に乗車できる設計となっています。
さらに、FK7にはホンダ独自の安全運転支援システム「Honda SENSING」が標準装備されており、衝突軽減ブレーキや車線維持支援機能など、先進の安全技術が詰まっています。これにより、日常の運転においても安心感が高く、ファミリー層からも支持を集めました。
こうした特徴から、FK7は「走りを楽しみたいが、実用性も捨てたくない」というユーザーにとって理想的なモデルといえます。今後の中古市場でも、しばらくは高い人気を保ち続けることでしょう。
歴代シビックの画像で見る変遷
歴代シビックの進化を視覚的に振り返ることは、その時代ごとのデザイン思想や技術革新を理解するうえで非常に有意義です。
初代シビック(SB1型)は、当時としては珍しかった2ボックススタイルとFF駆動を採用し、小型でありながらも使い勝手と燃費性能に優れたクルマとして一躍注目を浴びました。そのシンプルで機能的なデザインは、1970年代の日本車の象徴といえます。
続く2代目・3代目では、ヘッドライト形状やグリルの意匠が変わり、徐々に現代的な顔つきに進化。特に3代目「ワンダーシビック」では、直線的でエッジの効いたデザインが取り入れられ、グッドデザイン大賞も受賞しました。
画像で比べると、空力を意識したシャープなフォルムが印象的であることが一目でわかります。
4代目「グランドシビック」以降は、低く構えたフロントマスクとリアスポイラーの採用など、スポーティな方向に傾いていきます。タイプRのベース車となった5代目(EG型)や6代目(EK型)は、より筋肉質でアグレッシブなスタイルとなり、若者を中心に人気を集めました。
7代目では一転して「スマートシビック」と呼ばれるトールボディを採用し、画像からも一目でミニバン的な実用性を感じさせるパッケージに変わったことが分かります。
8代目、9代目ではよりフォーマルで落ち着いた印象が強まりましたが、10代目(FC/FK型)では再びスポーティなデザインに回帰。特にFK7型のシャープなラインやエアロパーツは、視覚的にも非常に迫力があります。
こうして画像で歴代モデルを並べてみると、シビックというモデルが時代のニーズに応じて柔軟に変化してきたことがよくわかります。どの時代も独自の個性を持ち、視覚的な楽しさと技術の進化を体現してきたといえるでしょう。
シビックの歴代形式とタイプRモデルの系譜

・タイプRの歴代型式の誕生背景
・型式で見る歴代タイプRのスペック比較
・人気のシビックタイプR 型式一覧
・歴代で人気の高かったRモデルはどれ?
・型式別おすすめ中古車とは
・新型シビックの型式と今後の展望
タイプRの歴代型式の誕生背景
ホンダ・シビックタイプRの歴代型式は、EK9(初代)、EP3(2代目)、FD2(3代目)、FK2(4代目)、FK8(5代目)、FL5(6代目)と続きますが、それぞれの型式が誕生する背景には明確な技術的・市場的な狙いが存在していました。
タイプRはもともと「走りのホンダ」の精神を体現する象徴的な存在であり、レース直系の技術を市販車にフィードバックするという思想のもとに開発されています。
初代EK9(1997年登場)は、NSXとインテグラで確立された「タイプR」の哲学をコンパクトカーの領域にまで拡張した最初のモデルです。高回転型エンジン、軽量化されたボディ、専用サスペンションなどが盛り込まれ、「公道でもサーキットでも楽しめる一台」として注目を集めました。
2代目EP3(2001年)はイギリス生産となり、欧州市場向けのテイストが強まります。高剛性な3ドアボディにK20A型エンジンを搭載し、FFスポーツの新たな基準を提示しました。一方で、デザイン面ではやや大人しい印象もあり、賛否が分かれた世代でもあります。
シビックタイプR歴代型式一覧
型式 | 登場年 | 特徴 | 主な技術/変更点 |
---|---|---|---|
EP3 | 2001年 | イギリス生産・K20Aエンジン・欧州テイスト | K20A搭載・高剛性3ドア・6MT |
FD2 | 2007年 | 初の4ドアセダン・225PS・高剛性シャシー | K20A搭載・4ドアボディ・高性能サスペンション |
FK2 | 2015年 | 初のターボ化・欧州専売・希少モデル | 2.0Lターボ・欧州設計・限定販売 |
FK8 | 2017年 | 320PS・2.0Lターボ・グローバルモデル | VTECターボ・グローバル展開・電子制御進化 |
FL5 | 2022年 | 最新型・質感向上・走行性能と快適性両立 | 最新VTECターボ・電子制御サス・洗練された操縦性 |
FD2型(2007年)は、シビックタイプR史上初の4ドアセダンとなり、VTECエンジンで最高出力225PSを発揮。これまでの“コンパクト=ホットハッチ”の固定観念を打ち破るモデルとなりました。
続くFK2(2015年)は、ついにターボ化を果たし、欧州でのみ販売された希少なモデルです。
最新のFL5型に至るまで、各型式はホンダの走りに対する哲学と、その時代の技術トレンドを色濃く反映しています。こうした誕生背景を理解すると、単なる高性能車ではなく、ホンダが「最速FF」を目指す中で試行錯誤してきた足跡であることが見えてきます。
型式で見る歴代タイプRのスペック比較

歴代のシビックタイプRは、その型式ごとにエンジン性能や車体構造が大きく異なっており、まさに「スペックで語れるクルマ」と言えます。
初代EK9(1997年)は、B16B型エンジンを搭載し、1.6Lながら185PSを誇りました。この数値は当時のNAエンジンとしては異例で、9000回転近くまで吹け上がる高回転型エンジンがファンを魅了しました。
次にEP3(2001年)はK20A型の2.0Lエンジンを搭載し、215PSを発揮。6速MTと組み合わされ、よりトルクフルな走りが可能になりました。シャーシ剛性や乗り心地も大幅に向上し、ワイドトレッド化によってコーナリング性能もアップしています。
3代目FD2(2007年)は、セダンボディでありながら225PSを実現。
歴代シビックタイプR スペック比較表
型式 | 登場年 | エンジン型式 | 排気量 |
---|---|---|---|
EK9 | 1997 | B16B | 1.6L |
EP3 | 2001 | K20A | 2.0L |
FD2 | 2007 | K20A | 2.0L |
FK2 | 2015 | K20C1 | 2.0L ターボ |
FK8 | 2017 | K20C1 | 2.0L ターボ |
FL5 | 2022 | K20C1 | 2.0L ターボ |
重量増にもかかわらず、高剛性シャシーと専用サスにより、走行性能は歴代でも高評価を受けました。欧州専売のFK2(2015年)はターボ化により310PSをマークし、FF最速を名乗るにふさわしいスペックへと進化します。
5代目FK8(2017年)では、さらなる改良が加えられたK20C1型2.0Lターボエンジンが搭載され、最高出力320PS・最大トルク400Nmを実現。ニュルブルクリンクFF最速ラップを更新した実績もあり、世界のホットハッチと堂々と競える存在となりました。
現行FL5(2022年~)ではさらに細部をブラッシュアップし、洗練されたエアロダイナミクスと軽量化が特徴です。エンジンスペックはFK8と同等ながら、ハンドリングやブレーキ性能が格段に向上しており、乗り味の質感は別次元と言われています。
こうして型式ごとのスペックを比較してみると、タイプRは単に出力を上げるだけでなく、毎回乗り味・技術・思想までもが進化していることが分かります。これはホンダが本気で「世界一のFFスポーツ」を追求している証拠でもあります。
人気のシビックタイプR 型式一覧

シビックタイプRは、その時代ごとの技術とスポーツスピリットを象徴する存在として、多くのファンに愛されてきました。人気の高い型式を一覧で把握しておくことは、中古車購入やスペック比較の際にとても役立ちます。
最初に登場したのは1997年のEK9型で、軽量なボディとB16B型VTECエンジンが搭載されました。1.6Lながら185PSを発揮し、ホンダの技術力を世界に知らしめた名車です。
次に登場したのが2001年のEP3型。こちらはイギリス工場で生産され、K20A型2.0Lエンジンを搭載。高剛性ボディと6速MTで新たなFFスポーツの方向性を示しました。2007年には、セダンボディのFD2型が登場。4ドアでありながら225PSの高出力、専用サスや補強による運動性能の高さが際立ちました。
その後、2015年に欧州仕様として限定販売されたのがFK2型です。
ここで初めてターボエンジン(K20C1型)を搭載し、310PSというスペックはFF最速を標榜するにふさわしいものでした。2017年にはFK8型が登場し、世界中のサーキットで最速タイムを記録。外観のアグレッシブさと高性能のバランスが取れた一台です。
そして現在(2022年~)の最新型式がFL5型。内外装の質感が向上し、パフォーマンスはFK8を踏襲しつつも、ハンドリングやブレーキ性能など細部の熟成がなされています。これらの人気型式を一覧で把握することで、自分に合ったタイプR選びがより明確になります。
歴代で人気の高かったRモデルはどれ?
歴代のシビックタイプRの中でも、特に多くの支持を集めたモデルはやはりEK9型とFK8型です。
この2つのモデルは、それぞれ異なる時代において「走りの喜び」を最も体現していたモデルと評価されています。まずEK9型は、初代というだけでなく、当時としては驚異的だった1.6L自然吸気で185PSというスペックを達成しており、しかも車重は1,100kg以下。
軽量で高回転、しかもMT専用というストイックな設計が、多くの走り屋たちの心を掴みました。
一方でFK8型は、2017年に登場して以降、国内外のサーキットで好成績を残した実力派です。
2.0Lターボエンジンで320PSを発揮し、電子制御による走行安定性も飛躍的に向上しました。特に、日常でも乗れる快適性と、サーキットでの鋭いパフォーマンスの両立は、幅広い層に高く評価されています。
外観も特徴的なエアロを備えており、「所有する喜び」も満たしてくれる1台でした。
また、FD2型も一部のファンから根強い支持を得ています。
これは、4ドアセダンとして唯一タイプRの称号を与えられた異端モデルで、走行性能だけでなく実用性も備えていました。こうして見ると、人気モデルはそれぞれに「時代を代表する設計思想」が込められていることが共通点です。
型式別おすすめ中古車とは

中古でシビックタイプRを検討する際、型式によっておすすめのポイントや注意点が大きく異なります。まず初心者や「タイプR初体験」の方におすすめなのがEP3型です。2001〜2005年に生産されたこのモデルは、中古市場で比較的価格が落ち着いており、K20A型エンジンによる安定したパフォーマンスと、万人向けの乗り味が魅力です。また、国内仕様と異なりイギリス製である点も、所有の特別感につながります。
次に本格的にサーキット走行なども視野に入れているならば、FD2型が適しています。4ドアボディながら走行性能は非常に高く、補強されたシャーシと高剛性な構造により安定感があります。ただし、サスペンションは硬めなので、日常用途では多少の乗り心地に妥協が必要です。
そして現行に近い中古車としては、FK8型が非常に魅力的です。2017年から販売されているこのモデルは、電子制御も含めた装備が充実しており、ドライビングサポートも万全。中古車市場では高年式の在庫も多く、コンディションが良い個体も豊富です。
逆に注意が必要なのが、EK9型のような初代モデルです。走行距離が多く、改造歴のある個体も多いため、状態をしっかり見極める目が必要になります。ノーマルに近い状態で残っている個体はプレミアがついており、価格も高騰しています。
新型シビックの型式と今後の展望
2021年に登場した新型シビックの型式はFL1(通常モデル)およびFL5(タイプR)です。
これらは11代目にあたるモデルで、ホンダの「操る楽しさ」と「質感の向上」を両立させるという新たなテーマのもと開発されました。特にFL5型は、先代FK8の良さを残しつつ、より精緻なハンドリングと乗り心地を追求した進化型となっています。
まずFL1型について触れると、こちらは1.5L VTECターボを搭載しながらも、上質な内装、広々とした居住空間、安全装備の充実など、コンフォート性に重きを置いた仕上がりです。
パネル類やディスプレイの配置、触り心地まで徹底してユーザー目線でデザインされており、家族層にも配慮された仕様となっています。
一方のFL5型は、徹底したスポーツ性能を追求したモデルです。
エンジンはFK8と同様にK20C1型を採用しながらも、エアフローや冷却性能の改善、ブレーキ性能の向上などが図られています。また、最新のHonda SENSINGを搭載しつつも、MTのみという硬派な姿勢を貫いています。
これからの展望としては、国内外の厳しい排ガス規制やEVシフトの加速が背景にある中、シビックシリーズはどう進化していくかが注目されています。おそらく将来的には、e:HEV(ハイブリッド)やEV化された「シビックタイプR」も登場するかもしれません。
ホンダが目指す「スポーツと環境性能の両立」が、次世代シビックの鍵となるでしょう。今後もその動向から目が離せません。
まとめ:シビックの歴代型式について

・初代シビック(SB1型)はマスキー法を世界で初めてクリアした
・初代はFF駆動と2ボックスデザインで革新を起こした
・各世代ごとに異なる型式とボディバリエーションが存在する
・ワンダーシビック(3代目)からボディタイプが大幅に拡大された
・グランドシビック(4代目)でVTECエンジンが初搭載された
・6代目ミラクルシビックでは3ステージVTECとCVTを初採用
・スマートシビック(7代目)はトールボディで室内空間を重視した
・EK9は初代タイプRとしてサーキット志向の設計がされた
・FK7は欧州チューニングとHonda SENSING搭載で実用性が高い
・歴代シビックは画像で比較すると時代ごとのデザイン変化が明確
・タイプRはEK9からFL5まで6型式が存在する
・各タイプRは時代ごとに異なる技術テーマと設計思想を持つ
・FK8は最も完成度が高く世界中で高評価された
・中古で狙いやすいのはEP3やFD2などの中間世代モデル
・現行11代目はFL1(標準)とFL5(タイプR)で構成されている
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