トランポ車両と聞くと「ハイエース」のような大型バンを思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、日常使いも考慮したうえでバイクを積載できるクルマを探しているなら、「フリードでトランポ」という選択肢は見逃せません。
ホンダのフリードは、フィットベースの低床設計を活かし、グロムやカブ、モンキーといった小型バイクはもちろん、大型バイクやSSモデルにも対応できるポテンシャルを秘めています。
この記事では、「トランポ仕様とは?用途と魅力を解説」しつつ、「フリードはトランポに向いているのか?」という素朴な疑問にもお答えします。
さらに、「スパイク」や「GB3」などバイク積載に適したモデル選びから、「フルサイズ積載時の工夫と注意点」、「トランポ化に必要な装備とDIYのポイント」まで、実用的なノウハウを丁寧にまとめました。
後半では、「二列目・三列目シートの活用と収納術」や「スロープ付き車両で積み降ろしを楽にする方法」も紹介。フリード トランポの魅力と弱点の両面を踏まえ、あなたのトランポ選びに役立つリアルな情報をお届けします。
・フリードがトランポ車両として使える理由
・小型〜大型バイクの積載可否と具体例
・トランポ化に必要な装備やDIYの工夫点
・モデル別(スパイク・GB3など)の積載適性
フリードでトランポの基本と積載アイデア

・トランポ仕様とは?用途と魅力を解説
・フリードはトランポに向いている?
・バイク積載に適したモデル選び(スパイク・GB3など)
・大型バイクやSSは積めるのか
・グロム・カブ・モンキーなど小型バイクとの相性
・フルサイズ積載時の工夫と注意点
トランポ仕様とは?用途と魅力を解説
トランポ仕様とは、バイクや自転車、キャンプ道具など大型の荷物を車内に効率よく積み込めるようにカスタム・工夫された車両のことを指します。元々は「トランスポーター(transporter)」という英語からきており、特にモータースポーツやアウトドアシーンでよく使われる言葉です。
つまり、単なる「移動手段」以上の役割を担うのがトランポ車です。
このように言うと、特別なプロ仕様のバンが必要と思われるかもしれませんが、実際は一般的なミニバンや軽バンをトランポ化する人も多くいます。なぜなら、フルフラットシート、広めの荷室、後部座席の取り外しや跳ね上げが可能な車両であれば、比較的簡単に「積載空間の確保」ができるからです。
用途としては、オフロードバイクやミニバイク、トライアルバイクなどの搬送から、サーキット走行用バイクの運搬、さらにはサーフィンやスノーボード、キャンプ用品の運搬まで幅広く対応できます。
魅力は「車中で積載と休息の両立が可能になること」。
例えば長距離移動の途中で仮眠を取れる空間を確保しながら、バイクを安全に運べるというのは、趣味を本気で楽しむ人にとって非常に大きなメリットです。さらに、後部をベッドキットにして寝泊まりも可能にすれば、移動拠点そのものになります。
いくら大きなクルマを持っていても、荷物を積むのにストレスを感じる構造であればトランポには向いていません。そこで、床がフラットになりやすく、シートアレンジの自由度が高い車種が人気なのです。
フリードはトランポに向いている?

結論からいえば、ホンダ・フリードはトランポに向いている車種のひとつです。
理由は、室内空間の活用性が高く、車体サイズと荷室のバランスが絶妙だからです。特にGB3型やGB5型、さらにはフリードスパイクなどは、後席の跳ね上げ・取り外しが可能で、床面が比較的フラットになりやすい構造が特徴です。
このため、バイク1台を積載する程度であれば、フリードでも無理なく対応できます。実際、多くのユーザーがミニバイクや125ccクラスのグロムなどを積んでサーキットに通っており、インターネット上のレビューやカスタム事例にも数多く掲載されています。
フリードを使ったトランポ例では、2列目を外し、3列目を跳ね上げることで荷室長が大幅に拡大し、1台分のバイクと整備道具を同時に載せられる仕様に仕上がっています。
また、フリードにはクロスターなどのアウトドア寄りのモデルもあり、カーサイドタープやルーフボックスを装着すれば、トランポとしての利便性がさらに高まります。
走行性能においても、渋滞追従機能やホンダセンシングが装備されているモデルであれば、遠征時の運転も快適になります。
もちろん、大型バイク2台の積載となるとスペース的に無理がありますが、軽量なバイクやコンパクトサイズのモンキー・カブ程度であれば現実的です。つまり、サイズ制限さえ理解しておけば、フリードは実用性の高いトランポとして十分機能するのです。
バイク積載に適したモデル選び(スパイク・GB3など)
バイクを車内に積載するには「モデル選び」が非常に大切です。
フリードシリーズの中でも、とくにトランポ向きとされているのが「フリードスパイク」と「GB3型」です。これらは後部座席の収納方法やラゲッジスペースの形状に優れており、積載性を重視するユーザーに人気があります。
まず、フリードスパイクは2列シート構成で、もともと荷室スペースを広く使うことを前提に設計されたモデルです。ラゲッジフロアが低く、後席を完全に床下に収納することで、ほぼ段差のないフラットな床面が出現します。
この構造により、ミニバイクやカブ、さらにはグロムのような小排気量バイクであれば、積み込み・固定がしやすい環境が整っています。
一方のGB3型は、3列シートを持ちながらも、2列目の跳ね上げと3列目の収納によって、バイク1台分のスペースを確保できる点が評価されています。特にDIYで床面を補強したり、タイダウンフックを装着することで、本格的なトランポ仕様にも対応できます。
また、積載だけでなく「バイクの出し入れのしやすさ」も重要な視点です。
リアゲートの開口部が広いこと、地上高が低めであること、車内の段差が少ないことはバイク積載時に大きなメリットとなります。その点、スパイクやGB3は十分な条件を備えているといえます。
つまり、トランポ仕様のベースとして選ぶなら、フリードシリーズの中でもスパイクとGB3は有力候補になるということです。
大型バイクやSSは積めるのか

ここで気になるのが「フリードに大型バイクやスーパースポーツ(SS)は積めるのか?」という点です。
結論から述べると、基本的には難しいと考えておくのが無難です。なぜなら、大型バイクは重量があるうえ、全長・全高も大きく、車内に収めるにはスペース的にも搬入方法的にも厳しいからです。
例えば、CB1300クラスやヤマハR1のようなバイクは、全長が2mを超えるものが多く、リアゲートからの斜め積みを試みたとしても前輪が干渉したり、リアシートの骨格にぶつかる可能性があります。また、床の強度や固定方法も課題です。
通常のフロア材では重量に耐えきれず、沈み込みや破損リスクも考えられます。
さらに、SSタイプのバイクはカウル部分が広くて繊細な構造をしているため、積み込みの際に傷がついたり、倒れた場合のダメージも大きくなります。このため、バイクショップや輸送業者でも専用の搬送機材を使って運ぶケースがほとんどです。
ただし、絶対に不可能というわけではありません。フロアを強化し、2列目・3列目シートを完全に撤去し、かつリアゲートの開口部を最大限利用することで、ギリギリ搭載可能な例も一部あります。とはいえ、毎回それを行うには大変な手間とリスクを伴います。
そのため、現実的にはフリードでトランポを構築する場合、大型バイクやSSは対象外とし、ミニバイクやオフ車を中心とした積載計画を立てるのが賢明です。フリードの利点は取り回しの良さと燃費性能にあるため、それを活かす方向で使い方を考えるのがベストでしょう。
グロム・カブ・モンキーなど小型バイクとの相性
フリードとグロム・カブ・モンキーなどの小型バイクとの相性は非常に良好です。
これらのバイクは全長が短く、重量も比較的軽いため、フリードの荷室スペースでも無理なく積載することが可能です。特にホンダ・グロム(125ccクラス)は人気の高い車種で、サーキット練習や通勤・街乗りにも適しており、多くのライダーに愛されています。
このようなバイクをフリードに積載する場合、床面がフラットであること、そしてシートアレンジによって広いスペースを確保できることが大きな利点になります。
例えば、3列シート仕様のフリードであれば、3列目を跳ね上げ、2列目を前方に移動または取り外すことで十分なスペースが確保できます。また、フリードスパイクやフリードプラスのような2列仕様であれば、後部スペースがさらに広く、積載しやすさはさらに向上します。
Honda Freed and Small Bike Compatibility
バイクモデル | バイク特徴 | フリードとの相性 | 積載時の注意点 |
---|---|---|---|
グロム | 全長が短く、軽量。街乗り、サーキット練習にも適する | 荷室スペースで無理なく積載可能。3列シート仕様でスペース確保しやすい | オイル漏れ、ガソリン揮発による車内汚れに注意。タイダウンでしっかり固定 |
モンキー | コンパクトで軽量。レトロデザインが特徴、普段使いからツーリングまで幅広く活用 | 荷室スペースでの積載に問題なし。フリードスパイクやフリードプラスでより積載しやすい | 転倒リスクを避けるため、しっかり固定が必要。オイルやガソリンの取り扱いに注意 |
カブ | 軽量で耐久性が高い。日常使いからツーリングまで適している | 荷室に十分なスペースあり。軽量なので積み込みも簡単 | 車内の汚れ防止にラバーマットを使用。転倒を防ぐための固定が重要 |
一方で、どれだけ小型とはいえ、バイクの積載には注意点もあります。
例えば、オイル漏れやガソリンの揮発による車内汚れ、固定不足による転倒リスクなどです。そのため、床にラバーマットを敷いたり、タイダウンベルトでしっかり固定する工夫が求められます。
このように考えると、グロム・モンキー・カブといった小型バイクは、フリードをトランポとして使う際の理想的なパートナーと言えるでしょう。
取り回しも簡単で積載も現実的。特に週末のミニサーキット通いや、林道へのオフロードツーリングに行くユーザーにとっては、コストと実用性を両立させたトランポ運用が実現できます。
フルサイズ積載時の工夫と注意点

フリードにフルサイズのバイクを積載するには、工夫と慎重な準備が必要です。なぜなら、車体サイズの限界に近い全長や全高のバイクを積もうとする場合、単純にスペースが足りないだけでなく、安全性や使い勝手にも大きく影響するからです。
多くのフルサイズバイクは2mを超える全長を持ち、重量も200kg以上になることがあります。
これをフリードに積載する場合、最も重要なのは「斜め積み」というテクニックです。リアゲートから前輪を助手席側に振りながら斜めに載せることで、車内スペースを最大限に使う形になります。
ただし、これにはシートを完全に取り外すか、跳ね上げたうえでスペースを確保しなければなりません。また、ハンドルを切った状態で固定する工夫も必要です。
次に気を付けたいのが車内の「床強度」と「養生」です。フルサイズバイクの重量が1点に集中すると、フロア材が破損したり、バイクのスタンドが沈み込んだりする可能性があります。このため、コンパネ(ベニヤ板)などで荷重を分散させる工夫をすることが推奨されます。
さらに、走行中の横揺れや急ブレーキ時のバイクの動きを防ぐためには、タイダウンベルトや固定リングの使用も不可欠です。場合によっては、ラゲッジスペースにフックを取り付けるDIY加工も必要になります。
このように、フリードにフルサイズバイクを積載するのは不可能ではありませんが、快適性・安全性を損なわないよう工夫が求められます。計画的な準備を行うことで、限られたスペースでも効率的なトランポ運用が実現できます。
フリードでトランポを快適にする改造と活用法

・トランポ化に必要な装備とDIYのポイント
・二列目・三列目シートの活用と収納術
・スロープ付き車両で積み降ろしを楽に
・クロスター・プラスの積載力をチェック
・オフ車やトライアルバイク積載の工夫
・渋滞追従や燃費性能など日常使いの弱点
トランポ化に必要な装備とDIYのポイント
フリードをトランポ化する際に最初に考えるべきは「どのバイクを、どのような用途で運ぶか」という点です。そのうえで、必要となる装備やDIYの方向性が決まってきます。特に荷室の確保と積載時の安全性確保は最重要ポイントです。
まず、必須アイテムとして挙げられるのがラダーレールです。これはバイクを車内に押し込むためのスロープであり、段差を安全に超えるためには不可欠です。材質や長さにより価格も異なりますが、折りたたみ式を選べば収納も簡単になります。
次に検討したいのが床面の補強です。フリードの荷室は比較的フラットですが、重たいバイクをそのまま載せると凹んだり、マットが傷ついたりする恐れがあります。ここで活躍するのが合板(コンパネ)や滑り止めマットです。
床一面に板を敷くことで荷重を分散させ、車体の安定性も高まります。
固定のためにはタイダウンベルトとフックの設置が重要です。車両に標準でフックがついていない場合は、後付けで金具を設置する必要があります。DIYでこれを行う際は、荷重のかかる箇所を見極め、確実にビス止めすることがポイントです。
また、積載時にリアゲートがバイクに干渉しないようハンドルロックをかけてから積み込むなど、小さな工夫も積み重ねが大切です。場合によっては、車内照明や換気ファンの追加といった快適性アップの改造もトランポ化の一部といえるでしょう。
こうした装備を整えることで、フリードはより安全かつ快適なトランポ車両へと変貌します。自分のライフスタイルや積載するバイクの種類に応じて、装備やDIY内容を柔軟に選ぶことが成功のカギとなります。
二列目・三列目シートの活用と収納術

フリードをトランポとして最大限活用するためには、二列目・三列目シートの扱い方が重要なポイントとなります。積載スペースを確保するには、どれだけ効率的にシートを格納できるかが鍵を握っているのです。
まず、二列目シートは多くのフリードモデルで前方スライドまたは跳ね上げが可能です。
とくにGB3型やGB5型では、シートを前方にスライドさせたうえで、床面に固定できる構造になっており、バイク積載の妨げになりません。この機能を活用することで、ラゲッジスペースの奥行きを最大限に拡張できます。
一方、三列目シートの扱いはモデルによって差があります。
スパイクやプラスなどの2列シート車であればこの問題はありませんが、3列仕様の場合は跳ね上げ収納が基本となります。ただし、シートを横に跳ね上げた際に荷室幅が狭まることがあるため、必要に応じてシートの取り外しも検討すべきです。
フリード シート収納術
シートの種類 | 説明 |
---|---|
二列目シート(前方スライド機能) | 前方スライドにより、バイク積載のための奥行き確保が可能。 |
二列目シート(跳ね上げ機能) | 跳ね上げることで、荷室にスペースを作りバイクを収納可能。 |
三列目シート(跳ね上げ収納) | 3列目シートは跳ね上げて収納、荷室幅が狭くなることがある。 |
三列目シート(取り外し) | シート取り外しでさらに広いスペースを確保。ただし、法的な問題に注意。 |
収納術(天井ネット) | 天井ネットを利用し、ヘルメットやタイヤなど軽量物を固定。 |
このときの注意点として、シートを取り外す場合には車検対応や法的な問題もあるため、自己責任での判断が求められます。なお、後部シート下のスペースも収納として有効活用することで、工具やメンテナンス用品をスマートに収納することが可能です。
収納術としては、バイクと干渉しない範囲で天井ネットを設置し、ヘルメットやタイヤなどの軽量物を上部に固定する方法も有効です。さらに、床下収納やドアポケットなどの小物入れを活用することで、積載スペースを最大限に使えます。
このように、フリードの二列目・三列目シートをどのように扱うかで、トランポの使い勝手は大きく変わります。車両の特性を理解し、無駄なスペースを作らない工夫が、理想的なトランポ空間づくりへの第一歩になります。
スロープ付き車両で積み降ろしを楽に
バイクを車内に積み込む際、最も神経を使うのが「積み込み・降ろし」の工程です。特に車高がある車両や重いバイクを運ぶ場合は、一人で作業するには大きな危険を伴います。
こうした場面で活躍するのが、スロープ付きの車両や後付けスロープの導入です。スロープを使えばバイクを持ち上げる必要がなく、車内への出し入れがスムーズに行えます。
一部の福祉車両やスロープ仕様車では、リアゲートを開けると床面と地面を繋ぐスロープが自動または手動で展開されるタイプもあります。このような車両は車高が低く、乗降が前提となっている設計のため、段差が少なく傾斜もゆるやかです。
そのため、比較的軽量なバイクであれば、押しながら一人で積載作業が可能です。
一方で、スロープのない通常のフリードに後付けスロープを使う場合、スロープの長さや角度に注意する必要があります。スロープが短すぎると傾斜がきつくなり、前輪が浮いたり、転倒のリスクが高まります。
そのため、180〜240cm程度のアルミ製折りたたみスロープが現実的な選択肢と言えます。
さらに、スロープ上での転倒を防ぐために、ゴム製の滑り止めやラダー固定ベルトを使うなどの工夫も大切です。積載時の安定性は、安全な移動の鍵を握ります。できることなら、積み込み作業は2人以上で行い、片方がバイクを支えながらもう一人が押す体制が理想です。
このようにスロープを使うことで、身体への負担を軽減し、安全かつ効率的な積載作業が実現できます。バイクとトランポの相性を高めるための重要な装備として、導入を検討する価値は十分にあるでしょう。
クロスター・プラスの積載力をチェック

ホンダ・フリードにはさまざまなバリエーションがありますが、中でも「クロスター」と「プラス」はトランポとしての使い勝手において注目すべきモデルです。
まず、クロスターはアウトドア志向のスタイルが魅力で、専用の内装素材や防水加工されたラゲッジスペースが特徴です。一方、フリードプラスは荷室に特化した設計で、リアシートが完全に床下に格納できる2列シート仕様となっており、使い勝手の良さが際立っています。
これらのモデルの積載力を比較するうえで重要なのが、荷室の「床面の形状」と「開口部の広さ」です。
フリードプラスは、ラゲッジの床面が低くフラットに設計されており、積み下ろしのしやすさが抜群です。さらに、リアゲートの開口幅も広く、大型の荷物やバイクの積み込みにも適しています。
一方、クロスターは3列シート仕様が基本ですが、3列目を跳ね上げることで荷室を確保できます。床は完全なフラットではありませんが、アウトドア用品や中型バイクを積むには十分なスペースが得られます。
また、クロスターにはラゲッジルームの防水性があるため、汚れたタイヤや泥のついたバイクを積んだ際も掃除がしやすく、実用面での安心感があります。
このように、バイクやアウトドアギアの積載を目的とした場合、シートアレンジの自由度が高いプラス、あるいは耐久性に優れたクロスターのいずれも魅力的です。どちらを選ぶかは、積載するバイクのサイズや使用目的、普段の家族利用とのバランスを考慮して決めると良いでしょう。
オフ車やトライアルバイク積載の工夫

オフロードバイクやトライアルバイクをフリードに積載する場合、車両の特性を活かした積み方の工夫が必要になります。
これらのバイクは一般的に軽量でスリムな車体を持っていますが、ハンドル幅が広かったり、タイヤに泥がついていたりすることが多いため、そのまま積むと車内が汚れたり固定が難しくなったりすることがあります。
積載前にはまず、泥や土をできるだけ落としてから車内に入れることが基本です。
タイヤカバーやフロアシートを敷くことで、車内の汚れを最小限に抑えることができます。また、バイクの固定にはフロントフォークを沈ませた状態でタイダウンベルトを使うのが一般的です。これは車体の跳ね上がりを防ぎ、安定性を高めるためのポイントです。
さらに、ハンドル幅に合わせて前輪を斜めに配置するなど、積載時の姿勢にも工夫が必要です。
フリードの荷室は左右に余裕があるとは言えませんが、斜め積みによって無理なく載せられる場合も多いです。トライアルバイクであれば、さらにコンパクトで軽量なため、より自由な積載方法が選択できます。
また、車内にラダーや工具箱、ヘルメットなどを一緒に収納する場合には、天井ネットや後部収納スペースを活用することで空間を効率よく使うことができます。
オフ車は山間部や林道などへのアクセスが多いため、帰りに泥だらけになることも考え、シートカバーや防水ボックスなどを用意しておくと安心です。
このように、車内を清潔かつ効率的に使いながら、安定してオフ車やトライアルバイクを積むためには、細かい工夫が求められます。フリードのような実用性の高いミニバンであれば、これらの工夫次第で本格的なトランポとして十分活用できるでしょう。
渋滞追従や燃費性能など日常使いの弱点
フリードはバイクを運ぶトランポとしての機能性だけでなく、普段使いでも評価の高い車種です。ただし、どんな車にも「弱点」は存在し、フリードにも日常的な利用においていくつかの気になるポイントがあります。
まず、渋滞追従機能に関してですが、これは「ホンダセンシング」に含まれるACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)の仕様に関係しています。
初期型や一部グレードでは、停車までの追従ができず、一定速度以下になると自動で解除されてしまうため、都市部の混雑路では機能を十分に活かせない場面もあります。現行型では改良が進んでいますが、すべてのモデルに完全停車対応があるわけではないため、購入時に確認が必要です。
また、燃費性能に関しても注意が必要です。ハイブリッド仕様であれば、カタログ燃費で20km/L前後という高い数値を誇りますが、実際の走行環境や積載状況によって大きく変動します。
特にバイクを積載して走る場合は重量が増加し、空気抵抗も増えるため、10〜14km/L程度まで落ち込むこともあります。
さらに、3列シート車の座席配置によっては荷物を多く積むことができず、トランポとしての使用時には不便さを感じることもあるでしょう。つまり、フリードは万能ではあるものの、使用目的に応じた選択や運転環境への理解が求められるのです。
このように日常使いにおける「小さな不便」は存在しますが、それを把握した上で工夫すれば、フリードはトランポ兼ファミリーカーとして十分な性能を発揮してくれます。事前の確認と対策によって、満足度の高いカーライフが実現できるでしょう。
まとめ:フリードのトランポについて

・フリードはホンダのフィットベースで低床・広荷室を備えたミニバン
・初代フリードフレックスは5人乗りでトランポに最適な構造
・ハイエースよりは積載性で劣るが街乗りとのバランスが良い
・フリードスパイクは床がフラットで作業しやすいが高さがネック
・ハイブリッド仕様は床が高くなるためトランポにはやや不向き
・フル加速時は緩やかな加速だが最高160km/h程度まで出せる
・トランポ化にはシート取り外しとボルト4本の作業で広い空間が確保できる
・バイクの積載は低床設計により手押しでも楽にできる
・ステーやシートレールの処理に注意が必要
・床にはサンバーからのコンパネを転用して簡易フローリングを施工
・ミニバイク程度ならシートをすべて外さなくても積載可能
・メンテナンス用パネルの処理には注意が必要で切り込み作業が発生
・スペアタイヤのスペースが無く修理キットと電動コンプレッサーが搭載
・街乗り燃費は12〜15km/L、高速では15〜20km/L前後
・フリードはバイクトランポとしてはまだ少数派だが今後の選択肢になり得る
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