オデッセイはLクラスミニバンでありながらも、優れた「最小回転半径」で高い評価を受けてきた車種です。
特にRC1・RC4型はなぜ小回りに強いのか、その設計思想と走行性能を知ることで、その扱いやすさの秘密が見えてきます。また、アブソルート系の取り回し性能をチェックすることで、同一車種内でもグレードごとの差にも注目できます。
近年注目されているオデッセイハイブリッドは狭い道で使いやすい?という点も実際の使用感と共に検証しています。
初代からの変遷で見える回転半径の進化をたどると、ホンダが一貫して「大きくても扱いやすい車づくり」にこだわってきたことがわかります。日常使いで実感する最小回転半径の恩恵は、狭い住宅街や立体駐車場など日々の運転シーンで顕著に現れます。
同クラスのアルファードと比較してどうかという観点からも、オデッセイの個性が明確になります。
・オデッセイ各型式の最小回転半径
・アブソルート系やハイブリッドモデルの旋回性能
・同クラスのアルファードやステップワゴンとの比較
・中古車購入時に見るべきスペック
オデッセイの最小回転半径の魅力とは?

・RC1・RC4型はなぜ小回りに強いのか
・アブソルート系の取り回し性能をチェック
・オデッセイハイブリッドは狭い道で使いやすい?
・初代からの変遷で見える回転半径の進化
・日常使いで実感する最小回転半径の恩恵
・同クラスのアルファードと比較してどうか
RC1・RC4型はなぜ小回りに強いのか
RC1およびRC4型のホンダ・オデッセイが「小回りに強い」と評価される理由には、いくつかの設計上の特徴が関係しています。
まず最小回転半径が5.4mに抑えられている点が大きいです。
これは5ナンバーサイズのミニバンにも匹敵する数値で、Lサイズミニバンとしては非常に優れた取り回し性能を実現しています。車体サイズは全長4.86m、全幅1.82mと大柄にもかかわらず、驚くほどコンパクトに感じられるのはこの最小回転半径のおかげです。
さらに注目したいのは、ステアリングのギア比や前輪の切れ角が絶妙に調整されている点です。
これにより、ハンドルを大きく切った際にも車両の挙動が安定し、無理なくUターンや狭路での方向転換ができます。とくに都市部での駐車や交差点での右左折など、限られたスペースでの取り回しを求められる場面において、RC1・RC4型のドライバーはストレスを感じにくいといえるでしょう。
一方で、リアサスペンションがトーションビーム式であることが「乗り心地の硬さ」として言及されることがありますが、それはこの優れた取り回し性能と引き換えに選ばれた選択ともいえます。
項目 | 内容 | メリット |
---|---|---|
最小回転半径 | 5.4m | 5ナンバーサイズ並の小回り性能。狭い路地やUターンでも取り回しやすい |
車体サイズ | 全長4.86m、全幅1.82m | Lサイズでありながらも、取り回しやすさが際立つ |
ステアリング設計 | ギア比と前輪切れ角の最適化 | 大きくハンドルを切っても安定した挙動。交差点や駐車時も安心 |
リアサスペンション | トーションビーム式 | 簡素ながらもコンパクトな構造で、床下スペースを有効活用可能 |
低床プラットフォーム | フロアが低く設計されている | 乗り降りがしやすく、室内高・荷室空間の確保にも貢献 |
取り回し性能の総合設計 | ハードウェアと設計思想による実走行環境を想定した最適化 | 単なる数値だけでなく、実際の使い勝手においても小型車のような操作性を実現 |
都市部での使いやすさ | 駐車・右左折・狭路通過時のストレス軽減 | 日常使いでの快適さと安全性が向上 |
もちろんこの設計にもメリットはあり、コンパクトなリア足回りは床下空間の自由度を高め、低床プラットフォームとの組み合わせで車内の広さや荷室の使い勝手にも好影響を与えています。
このようにRC1・RC4型が小回りに強い理由は単に数値上の回転半径だけではなく、総合的な設計思想や実際の走行環境を想定した調整にあります。こうした工夫によって、大型ミニバンでありながらも小型車のような操作性を実現しているのです。
アブソルート系の取り回し性能をチェック
ホンダ・オデッセイの「アブソルート」系は、シリーズの中でもとくにスポーティさや高性能が強調されたグレードですが、取り回し性能においても見逃せない特徴があります。
まず最小回転半径は、他のグレードと同様に5.4mであり、この数値自体がすでにミニバンとしては極めて優秀です。しかしアブソルートには、それ以上に実感できる「扱いやすさ」が存在しています。
アブソルート系の多くは、17〜18インチのワイドタイヤを採用しており、接地性と安定感に優れています。この装備によって旋回時のグリップが高まり、滑らかな回頭性を感じられるのが特徴です。
またサスペンションは通常グレードよりも締められており、ロールが抑えられる設計になっています。これによりハンドル操作と車体の動きが一致しやすく、特に駐車や交差点での旋回時には車両の向きが予想どおりに変わる安心感が得られます。
もちろん車体サイズは他のグレードと同様ですので、物理的な制限は変わりませんが、走行フィールの違いが取り回しのしやすさに影響を与えている点は見逃せません。たとえば狭いコインパーキングなどでも、前後左右の感覚がつかみやすいため、ドライバーが自信を持って操作できます。
一方で、スポーツ性を強調した足回りにより、段差や悪路での突き上げがやや強く感じられる場面もあるため、ファミリーカーとしての乗り心地重視派にとっては事前確認が必要です。
とはいえ、運転のしやすさという面では、アブソルート系は非常にバランスが取れており、日常使いから高速走行まで幅広く対応できる点で高い評価を受けています。
オデッセイハイブリッドは狭い道で使いやすい?

オデッセイのe:HEVモデル、いわゆるハイブリッド車は、パワートレインの静粛性と燃費性能の高さで注目されていますが、実は狭い道での使いやすさにも多くの魅力を持っています。
ハイブリッドだからといって特別大きなボディになることもなく、最小回転半径も従来のガソリンモデルと同様に5.4mに抑えられています。これにより、住宅街の細い路地や狭いスーパーの立体駐車場などでも扱いやすくなっています。
さらに、ハイブリッドモデル特有の駆動システムにより、アクセルレスポンスが非常に滑らかです。
電動モーターによる加速はガソリン車よりもリニアであるため、微妙な速度調整がしやすく、狭い場所での操作性を大きく向上させています。また、発進時のノイズも少ないため、深夜や早朝など静粛性が求められる時間帯にも配慮できます。
ただし、ハイブリッド車ならではのバッテリー搭載スペースがあるため、ガソリン車に比べてわずかに荷室の自由度が下がる点は否めません。とはいえ、床下収納や3列目の格納機構に工夫が施されており、実用面での不便さはほとんど感じられません。
オデッセイハイブリッドは単なる燃費の良いミニバンではなく、静かさやスムーズな加速、そして取り回しの良さといった点においても、高い完成度を誇ります。こうした点を重視するなら、都市部での使用においては非常に相性の良い一台だといえるでしょう。
初代からの変遷で見える回転半径の進化
ホンダ・オデッセイは1994年の初代モデル登場以来、5世代にわたって進化を遂げてきました。
その中で「最小回転半径」に注目すると、意外にも一貫して“運転しやすさ”を大切にしている姿勢が見えてきます。初代モデルから5代目RC型に至るまで、最小回転半径は概ね5.4m前後に保たれており、ミニバンとしては非常に優秀な設計といえます。
初代モデル(RB1型)では、セダンに近い低全高ボディとダブルウィッシュボーンサスペンションの採用により、乗用車感覚の運転フィーリングが好評でした。
回転半径も狭く、都市部での使用に適していたのが特徴です。そこから進化したRB2やRB3では、多少のサイズ拡大が行われたものの、取り回し性能を犠牲にしない設計が維持されています。
その後のRC系では、低床プラットフォームの進化によって室内空間を拡大しつつも、車両の全高を抑え、結果として安定した旋回性能と小回りのしやすさを両立することに成功しました。
加えて、ハイブリッドや先進安全装備の搭載にもかかわらず、回転半径の拡大を最小限に抑えている点は、ホンダの設計力の高さを物語っています。
このように、歴代オデッセイは「サイズは拡大しても、扱いやすさは犠牲にしない」という開発ポリシーを堅持しており、結果として常に高い評価を得ています。今後の新型モデルでも、こうした基本姿勢がどのように維持されるのか注目されるところです。
日常使いで実感する最小回転半径の恩恵

オデッセイの「最小回転半径5.4m」という数値は、一見すると単なるスペックの一つに見えるかもしれません。しかし、実際に日常生活でこの回転半径の小ささがもたらすメリットは非常に大きく、特に都市部での使用においてその恩恵を実感する場面は数多くあります。
たとえばスーパーや駅前などの狭い立体駐車場では、回転スペースが限られているため、ハンドルをどれだけ切れるかが駐車のしやすさに直結します。
オデッセイはミニバンという大きなボディサイズでありながら、コンパクトカー並みの取り回しを実現しており、狭いスペースでの切り返し回数が少なくて済むのは大きな利点です。
また、住宅街の細い路地や急なカーブが連続する場所でも、その最小回転半径の小ささは力を発揮します。
前述のとおり、5.4mという数値は5ナンバーサイズの小型車と同等でありながら、車内には3列シートを備えた7~8人乗りの空間を確保している点において、ファミリー層にとっては特に重宝されます。
これはホンダ独自の低床プラットフォームによって、重心が低く、安定性を保ったままボディサイズを効率的に設計している成果です。
さらに、Uターン時のストレスの少なさも見逃せません。交差点や車庫入れの際、他の車が切り返しをしている中でオデッセイは一度で回りきれることも多く、運転が得意でない方にとっても安心材料となります。
いずれにしても、最小回転半径が小さいという事実は、カタログの数値以上に、日々の運転を快適にしてくれる要素として大きな意味を持っているのです。
同クラスのアルファードと比較してどうか
オデッセイとよく比較されるミニバンの代表格が、トヨタのアルファードです。
どちらも3ナンバーサイズのLクラスミニバンとしてファミリー層を中心に人気がありますが、「取り回しのしやすさ」に焦点を当てて比較すると、明確な違いが見えてきます。
まず注目すべきは、最小回転半径の数値です。
オデッセイは5.4m、一方アルファードは5.6mから5.9mと、グレードやタイヤサイズによってやや広めの回転半径を持っています。この差はわずか数十センチに過ぎないように思えるかもしれませんが、実際には駐車や狭い路地での方向転換時に如実に体感できるものです。
一方で、アルファードはその車体の大きさゆえに「威圧感」や「存在感」を武器とし、後席の快適性や高級感に重点を置いています。
比較項目 | ホンダ・オデッセイ(RC系) | トヨタ・アルファード |
---|---|---|
車体サイズ | 全長:約4.86m、全幅:約1.82m、全高:低め設計(約1.69m) | 全長:約4.95〜5.00m、全幅:約1.85〜1.89m、全高:約1.93〜1.95m |
最小回転半径 | 5.4m(全グレード共通) | 5.6m〜5.9m(グレード・タイヤサイズにより変動) |
取り回し性能 | 都市部や狭路での小回りに強く、Uターンや駐車がしやすい | 車体が大きく、狭路や駐車時の取り回しはやや難しい |
設計思想 | 低床設計で乗降性・室内高を確保しつつ、取り回しの良さを重視 | 高級志向で車格の大きさと後席の快適性・存在感を重視 |
車内空間 | 全高は抑え気味だが、低床により実用的な室内空間を実現 | 室内高が高く、広々とした空間とラグジュアリーな装備が魅力 |
適しているユーザー層 | 「都心でも乗りやすいファミリーカー」を求める実用重視のユーザー | 「広くて豪華な後席」を求めるラグジュアリー志向・郊外利用者 |
取り回し面の評価 | ◎ コンパクトで取り回し抜群 | △ 威圧感はあるが小回りには不向き |
総評(取り回し重視) | 実用性と運転のしやすさを両立しており、都市部に適したモデル | 高級感・快適性は高いが、狭い場所での扱いやすさはオデッセイに劣る |
そのため、車内空間やラグジュアリーな装備を求めるユーザーには非常に魅力的な選択肢ですが、都心部などの狭い道路ではやや扱いにくいという意見も見られます。
これに対してオデッセイは、全高を抑えつつも低床設計により車内空間を確保し、さらに最小回転半径をコンパクトに収めることで、運転時の扱いやすさを優先した設計になっています。
つまり、「家族を快適に乗せつつ、日常の移動でもストレスを感じにくいクルマ」を求めるなら、オデッセイの方が現実的な選択肢となりやすいのです。どちらのモデルにも魅力はありますが、都市部での取り回しを重視するならオデッセイに軍配が上がると言えるでしょう。
歴代オデッセイの最小回転半径の比較

・RB1・RB2・RB3の違いと取り回し性能
・「オデッセイの運転は難しい」は本当か?
・ステップワゴンと比較して見える個性
・自動運転との相性と回転性能の関係
・中古車を選ぶ際に見るべきスペックとは
・サイズだけでは分からない旋回性能の実力
RB1・RB2・RB3の違いと取り回し性能
RB1・RB2・RB3という型式は、ホンダ・オデッセイの3代目モデルを中心に展開された車両であり、それぞれ異なる駆動方式や設計特徴を持っています。
まずRB1はFF(前輪駆動)モデルで、都市部での走行性や燃費効率を重視した設定となっています。
最小回転半径も5.4mとコンパクトで、Lクラスミニバンの中ではトップクラスの取り回し性能を誇ります。この設計思想は、「ミニバン=運転しづらい」というイメージを払拭する大きな要因となりました。
次にRB2は、RB1をベースに4WD(四輪駆動)機能を追加したモデルです。
雪道や山道といった悪路での安定性が強化されている一方で、駆動系の追加による車両重量の増加や地上高の変化により、若干ながら回転半径が広がっています。といっても5.5m前後にとどまり、実用面では大きな支障はありません。
そしてRB3では、さらなる改良が加えられ、エンジンの性能向上とともに足回りのチューニングが施されました。スポーティな走行性能が強化される一方で、取り回し性能も維持されており、街乗りからロングドライブまで対応可能な万能型としての完成度が高まっています。
総じてRB系のオデッセイは、どのモデルも「大きな車体でも運転しやすい」というコンセプトが一貫しており、特にRB1とRB3はその完成度の高さから中古市場でも根強い人気を誇っています。
取り回しを重視したミニバン選びをする際には、これらのモデルも十分に検討する価値があるでしょう。
「オデッセイの運転は難しい」は本当か?
「オデッセイの運転は難しい」という声が一定数あるのは事実ですが、それが本当かどうかは、乗る人の視点や経験、使う環境によって大きく異なります。
まず押さえておきたいのは、オデッセイはLクラスミニバンでありながら、全高を低く抑えたデザインを採用している点です。このため視点が低くなり、SUVやハイト系ミニバンと比べると運転中の見晴らしに差が出ることがあります。
とくに初めてミニバンを運転する人にとっては、車両感覚をつかむのに少し時間がかかるかもしれません。
一方で、車幅や全長といった基本サイズは他の大型ミニバンに比べてむしろコンパクトであり、前述の最小回転半径5.4mという数値が示す通り、取り回しは非常にしやすい設計です。
また、近年のモデルにはパーキングセンサーやマルチビューカメラが装備されており、駐車時のサポート機能も充実しています。これをうまく活用すれば、運転の不安もかなり軽減されるでしょう。
さらに、アクセルやブレーキのレスポンスも滑らかで、特にハイブリッドモデルでは静かで安定した加速が可能です。これは市街地走行におけるストレスを減らし、結果として「運転しづらい」という印象を持たれにくくしている要素のひとつです。
つまり、「運転が難しい」という意見は、あくまで慣れていない人が抱く一時的な感想であることが多く、機能や設計自体はむしろ親切な部類に入ると言えるでしょう。運転に不安がある方こそ、実際に試乗して体感してみることで、印象が大きく変わるかもしれません。
ステップワゴンと比較して見える個性

ホンダが誇る2大ミニバンの一つ「ステップワゴン」と「オデッセイ」は、どちらもファミリーユースに人気の車種ですが、両者には明確な個性の違いがあります。
ステップワゴンは比較的全高が高く、車内空間を垂直方向に広く取ることで、開放感や使い勝手の良さをアピールしています。
一方、オデッセイは低床・低重心設計を採用し、セダンに近いドライビング感覚と安定性を実現しているのが特徴です。この違いは、日常の走行感や車庫入れのしやすさに直結します。
ステップワゴンの最小回転半径は5.4〜5.7mとされ、オデッセイとほぼ同等ですが、実際の体感は異なります。
比較項目 | ホンダ・ステップワゴン | ホンダ・オデッセイ |
---|---|---|
車体設計コンセプト | 全高を高く取り、縦方向の空間を最大化。ミニバンらしい広さを重視 | 低床・低重心設計で、セダンに近い走行フィーリングを実現 |
最小回転半径 | 約5.4〜5.7m(グレードによる) | 約5.4m(全グレード共通) |
運転視界 | 着座位置が高く見晴らしが良い | 着座位置が低めで落ち着いた視界 |
操作性・取り回し感覚 | 高い目線で取り回ししやすい反面、全高の高さから風の影響を受けやすい | 低重心で旋回時の安定感が高く、街乗りから高速走行まで安心感が高い |
高速安定性 | 横風にやや弱く、ふらつきを感じることがある | 長いホイールベースと低重心により、直進安定性と乗り心地が良好 |
車内空間の特徴 | 室内高が高く、3列目や荷室スペースの活用度が高い | 低床構造により、乗り降りがしやすく、床下収納などで実用性も高い |
走行フィーリング | ファミリーユースに優しい柔らかめの乗り味 | ボディ剛性と足回りがしっかりしており、スポーティさと快適性を両立 |
適したユーザー層 | 大人数や荷物が多く、多目的用途・室内活用を重視する家族向け | 操作性や運転のしやすさを重視し、長距離移動も快適にこなしたいユーザー向け |
総合評価(取り回し面) | ◎ 視界の広さで運転はしやすいが、風の影響には注意が必要 | ◎ 安定性・最小回転半径のバランスが良く、運転が非常に快適 |
理由の一つは運転時の視点の高さです。
ステップワゴンは着座位置が高く見晴らしがよいため、運転しやすいと感じる人もいますが、車体の背の高さゆえに風の影響を受けやすく、高速道路ではふらつきを感じることもあります。
それに対しオデッセイは、低重心による安定した走行と、しっかりとしたボディ剛性により、走りの質感で差をつけています。旋回時のロールも抑えられており、ドライバーに安心感を与えます。
さらに、ホイールベースが長いため直進安定性が高く、長距離運転でも疲れにくいという特徴があります。どちらの車も優秀ですが、「取り回しの良さ」を重視するのであれば、オデッセイの低床設計と最小回転半径のバランスの良さが光ります。
逆に、より多目的な室内活用を重視するなら、ステップワゴンの方が適しているとも言えるでしょう。このように、似たように見える2台でも、乗ってみるとその個性ははっきりと感じられるのです。
自動運転との相性と回転性能の関係
近年、クルマ選びにおいて「自動運転対応かどうか」という点が注目されるようになりました。
ホンダ・オデッセイも例外ではなく、ホンダセンシングのような先進運転支援システム(ADAS)が標準装備されているモデルも多数存在します。ただ、ここで見逃せないのが、回転性能――つまり最小回転半径との関係です。
実はこの2つ、密接なつながりがあるのです。
自動運転技術は、カメラやセンサーを使って周囲の環境を把握し、最適な走行を判断する仕組みですが、車両そのものの「動きやすさ」が担保されていなければ、その性能を活かしきれません。たとえば、狭い場所での自動駐車支援を考えてみましょう。
センサーが駐車スペースを検知しても、車が大きく、回転半径が大きいと「入りきらない」こともあります。オデッセイの最小回転半径5.4mという数値は、このような状況において極めて有効で、システムの精度と実車の機動性のバランスが高いことを意味します。
また、低床で安定したボディ設計は、ステアリング動作に対する車体の応答性を向上させる効果もあります。
自動ブレーキやレーンキープ機能が作動した際、スムーズな回避動作が可能になる点は見逃せません。これにより、オデッセイは自動運転技術との親和性が高く、日常の安全運転をより確実にサポートする車両に仕上がっています。
ただし、過信は禁物です。完全自動運転ではない以上、ドライバーの操作補助という位置づけを忘れてはなりません。その中で、旋回性能の高さは、いざというときに「ドライバーが助けられる余地」を大きくする、言わば最後の砦とも言えるでしょう。
中古車を選ぶ際に見るべきスペックとは

中古のオデッセイを検討する際、どこに注目すべきかという問いに対して、多くの人は「走行距離」や「価格」を挙げるかもしれません。
確かにそれらは重要な要素ですが、実際に快適に使えるかどうかを見極めるためには、他にも注目すべきスペックがあります。特に意識してほしいのが「最小回転半径」「全長」「駆動方式」「車両重量」の4点です。
まず最小回転半径ですが、これは車の取り回しのしやすさに直結します。
オデッセイは世代を問わずおおむね5.4m前後と、Lサイズミニバンの中では非常にコンパクトです。都心の狭い道や立体駐車場での運用を想定するなら、この数値が大きな安心材料になります。
次に全長と駆動方式です。
4WDモデルは雪道や山道での走破性が高まる一方で、車重が重くなりがちで燃費も悪化することがあります。また、全長が長いモデルはラゲッジスペースが広い反面、駐車スペースの制限を受ける可能性があります。つまり、ライフスタイルに合ったサイズ感を見極めることが大切です。
さらに、車両重量は走行性能や燃費、さらにはタイヤやブレーキへの負荷にまで影響を与えます。
たとえばRC4型のようにハイブリッドシステムを搭載したモデルでは、バッテリー分の重量が加算されるため、動力性能とのバランスを事前に把握しておくことが必要です。
中古車選びは「スペックを知ること」が第一歩です。スペック表は難解に見えるかもしれませんが、最低限ここで述べたポイントを押さえることで、長く満足できる一台に出会える可能性は確実に高まります。
サイズだけでは分からない旋回性能の実力
一般的に「車体サイズが大きい=曲がりにくい」と思われがちですが、ホンダ・オデッセイに関してはその常識が当てはまりません。
外寸だけを見ると、全長4.8m以上・全幅1.8m超という堂々たるボディを持つこの車ですが、最小回転半径は5.4mと、5ナンバークラスのコンパクトカー並みです。このギャップこそが、オデッセイの設計上の工夫と実力を物語っています。
なぜこのような旋回性能が可能なのか。
その理由の一つは、ホイールベースとタイヤ切れ角の絶妙なバランスにあります。
ホンダは低床・低重心のプラットフォームを活用しながら、前輪の切れ角を最大限に取る設計を採用しています。このことが、長いホイールベースにも関わらず小さな回転半径を可能にしているのです。
もう一つ注目したいのが、ステアリングのフィーリングです。
項目 | 内容 | 効果・メリット |
---|---|---|
車体サイズ | 全長:約4.8m以上 全幅:約1.8m超 | 見た目はLクラスミニバンらしい堂々としたサイズ感 |
最小回転半径 | 5.4m(5ナンバーサイズのコンパクトカーと同等) | 驚異的な取り回し性能。都市部や狭路でもスムーズに方向転換可能 |
ホイールベースと設計バランス | 長いホイールベースと大きな前輪切れ角の絶妙な設計バランス | 大柄な車体でもコンパクトな旋回を実現 |
低床・低重心プラットフォーム | フロアが低く、重心も低いため、前輪の切れ角を大きく確保可能 | 安定性と旋回性を両立し、運転しやすさを向上 |
ステアリング特性 | セダンに近い滑らかな操舵感 | 大きな車でも自然なハンドル操作でストレスなく曲がれる |
サスペンション構造 | ロールを抑えるセッティング(特に旋回時) | カーブでもふらつきにくく、同乗者にも安心感を与える |
実使用での体感 | 駐車場・立体駐車場・狭路・Uターンでも扱いやすい | 「サイズのわりに運転しやすい」と高評価のポイント |
オデッセイはミニバンでありながら、セダンに近い操舵感を持っており、狭いカーブや立体駐車場でもスムーズに方向転換できます。また、サスペンション構造も緻密に設計されており、旋回中のロールを最小限に抑えてくれます。
このように、車両サイズだけで「小回りが効くかどうか」は判断できません。カタログスペックに隠れた設計思想や、実際のドライブフィールが重要な要素となります。
オデッセイは「大きくても扱いやすい」車の代表例であり、運転に不安がある方にも安心して勧められる理由が、この旋回性能の高さにあるのです。
まとめ:オデッセイの最小回転半径について

・RC1・RC4型は5.4mの最小回転半径でLクラスミニバンとしては非常に小回りが効く
・前輪の切れ角とステアリング設計によりUターンがスムーズ
・アブソルート系はスポーティな足回りで旋回時の安定感が高い
・ハイブリッドモデルも最小回転半径はガソリン車と同じで扱いやすい
・電動モーターの滑らかな加速が狭い道での操作性を高める
・RB1~RB3までの歴代モデルも5.4~5.5mと小回り性が維持されている
・低床プラットフォームにより安定性と操作性を両立
・アルファードと比べて回転半径が小さく狭い場所で優位
・日常の駐車や狭い交差点で回転性能の恩恵を実感しやすい
・最小回転半径が小さいことで運転初心者にも扱いやすい
・自動運転支援機能と相性が良く、狭い場所での自動操作にも有利
・ステップワゴンより低重心設計で旋回時の安定感に優れる
・中古車選びでは回転半径や駆動方式などを確認するのが重要
・サイズが大きくても設計次第で高い旋回性能を持つことが分かる
・全高を抑えたことで旋回時のロールが少なく快適な運転が可能
・オデッセイは何人乗り?7人と8人乗りの選び方・旧型比較
・オデッセイのハイブリッドの寿命と後悔しないための購入判断基準
・オデッセイ荷室寸法と室内サイズの最適なバランス・モデル別比較