ホンダのシステム点検の消し方を探していると、同じ表示でも原因や初期対応が異なり、何から手を付けるべきか迷いやすいと感じます。
本記事では、エンジン関連の異常やACCシステム点検の表示が出る主な原因、メーターの表示を読み解くコツ、警告灯一覧の活用、ブレーキシステム警告灯の見極めまで整理します。
フリードやステップワゴンに多い事例と、再発を防ぐリセット方法の考え方、自然に消える?と迷うケースの判断軸もまとめました。安全第一で、無駄な入庫や誤った操作を避けながら、正しく表示を消すための手順を身に付けてください。
<記事のポイント>
・エンジンやACCを含む主要システムの表示の意味を理解できる
・車種別の傾向とリセット方法の考え方を把握できる
・自然消灯と点検が必要なケースの違いを判断できる
・表示を消す前に確認すべき安全ポイントが分かる
ホンダ・システム点検の消し方の基本知識と概要

- エンジンの不調が与える影響
- ACCシステム点検が出る主な原因と対処法
- 警告灯一覧で確認できる情報と意味
- ブレーキシステム警告灯の見方と注意点
エンジンの不調が与える影響
メーター内のエンジン関連の警告やメッセージは、動力だけでなく他システムにも連鎖します。たとえば燃料切れや失火が起きると、排気ガス制御の保護や駆動系の安全確保のため、パワー制限や多重の注意表示が同時に現れることがあります。
ホンダの制御では、特定条件で失火が検出されると点滅や持続点灯でドライバーに注意を促す設計が一般的です。
一方、12Vバッテリー電圧の低下や再接続直後は、複数のシステムが初期化シーケンスに入り、短時間の多重点灯が起こり得ます。
この場合、一定速度での走行やステアリング学習などの初期化が完了すれば順次消灯するケースもあります。公式の取扱説明書では、再接続後にしばらく走行することで警告が消えることがあるとされています。
要するに、エンジン単体の不調でも電装系や運転支援まで波及するため、表示を消す行為そのものよりも、本当に直っているかの見極めが先決です。
燃料や点火、吸気の基本点検に加え、バッテリー・発電系の健全性を合わせて確認すると、再発リスクを下げられます。
ACCシステム点検が出る主な原因と対処法
ACCシステム点検が出ても、必ずしもハード故障とは限りません。実務で多いのは次のパターンです。
まずセンサー視界の問題です。フロントカメラ周辺のガラスの汚れや曇り、レーダー部位の泥・雪の付着、フロントグリル内側への虫の付着など、視界が悪化すると一時的に機能が停止して点検表示が出ます。清掃後に再始動し、直進走行を数分続けると復帰することがあります。
次に車体姿勢の変化です。リア側に重い荷物を積んで前上がりの姿勢になると、カメラの照準がずれてACCやLKASが点検に入ることがあります。
積載を見直し、姿勢が戻ると解除されやすくなります。さらに電圧起因として、低電圧や瞬低で制御がフェイルセーフに入り、ACCや他の安全支援の複数表示が同時に出る状況もあります。充電状態の確認や、必要に応じてバッテリーの点検・交換を検討してください。
衝突歴・バンパー交換・レーダーブラケットの変形・ガラス交換後は、角度ずれが起こり、エーミング調整が必要になることがあります。復帰しない、あるいは頻発する場合は、早めに点検を受けるのが賢明です。
警告灯一覧で確認できる情報と意味

警告灯の色と種別は行動判断の手掛かりになります。
赤系は直ちに停止を検討する重大警告、オレンジ系は注意・点検推奨、青や緑は動作・情報の表示が一般的です。ホンダ車の取扱説明書でも、油圧・充電・冷却水高温・ブレーキなどの赤系は安全な場所に停車のうえ点検を求めるよう案内されています。
見慣れないアイコンが出た場合は、警告灯一覧を参照し、名称・意味・推奨行動を確認します。情報表示に付随して、詳細な文字メッセージが出る車種も多く、例えばシステム点検や機能一時停止など、次にとるべき行動が示されます。
複数が同時に出たときは、色の優先度と、走る・止まるの判断に関わる項目(ブレーキ、電動パワステ、冷却など)から確認してください。
色区分 | 代表例 | 優先度の目安 | 推奨行動 | 走行継続の目安 |
---|---|---|---|---|
赤 | ブレーキ、油圧、充電、高水温 | 最優先 | 安全な場所に停車し点検 | 原則避ける |
オレンジ | VSA、ACC、LKAS、PGM-FI、タイヤ空気圧 | 高 | 無理せず点検・初期化を試みる | 状況次第 |
青・緑 | ランプ点灯、各種作動表示 | 低 | 状態把握 | 継続可 |
安全・保安に関する事項は、公式サイトによると赤表示は安全な場所に停車し販売店へ連絡とされています。断定的な走行可否判断は避け、取扱説明書に従ってください。
ブレーキシステム警告灯の見方と注意点
ブレーキ関連は赤とオレンジの見分けが鍵です。赤のブレーキ警告灯は、パーキングブレーキの作動やブレーキ液量の著しい低下など、即対応が必要な内容を示すとされています。解除しても消えない場合は、直ちに停車して点検が推奨されます。
オレンジのブレーキシステム警告灯は、電子制御パーキングブレーキやブレーキホールド、関連制御の異常・点検要求です。短時間に繰り返し操作すると保護のため一時停止し、約1分で回復するケースがあると説明されています。
また、赤とオレンジが同時に点灯・点滅する状況では、パーキングブレーキが作動していない可能性や、解除できなくなる恐れが記載されることがあります。
走行中に違和感(ペダルストロークの変化、制動力低下、警告音)があれば、速やかに停車しましょう。要するに、ブレーキの赤は止まる判断、オレンジは注意深く点検のシグナルです。
車種別に見るホンダ・システム点検の消し方と対応法

- フリードでのシステム点検表示の特徴
- ステップワゴンでのリセット方法の手順
- システム点検表示は自然に消える?状況と条件
- 原因別に見る点検表示の消し方と注意点
- 表示を消す前に確認すべきポイント
フリードでのシステム点検表示の特徴
フリード、とくにe:HEVでは、12Vバッテリー再接続後に複数の警告が一時点灯し、システム初期化中の案内が出ることがあります。
公式の案内では、車速20km/h以上でしばらく走行し、各制御の自己学習を完了させると自然消灯する場合があるとされています。
また、運転支援のカメラ・センサー類は小型化されている一方、視界条件に敏感です。梅雨時のガラス曇り、夏場の高温、冬の降雪、朝夕の逆光やトンネル出入り口など、視界不良の条件下では点検表示が出やすく、環境が改善されると復帰するケースが多く見られます。
e:HEV特有の回生協調ブレーキでは、メカブレーキと電気制御が協調して制動を行います。稀に制御保護で警告が点く場合があり、ペダルフィールの変化に注意が必要です。
販売店の診断では制御履歴(DTC)を参照し、ブレーキ液量、キャリパー・パッド、ハーネス・センサーまで順に確認します。初期化走行で消えれば良好ですが、繰り返し出る、赤系が伴う、制動に違和感がある場合は、早めに点検予約を取りましょう。
ステップワゴンでのリセット方法の手順
ステップワゴンは電子制御の搭載点数が多く、1つの要因で複数の警告が連鎖することがあります。
リセットの考え方は次の順序が安全です。まず、目視点検と清掃です。レーダー・カメラ部の汚れ、バンパー内側の付着物、配線カプラーの緩み、ヒューズ切れ、補機バッテリー端子の腐食・緩みを点検し、異常があれば整備を先に行います。
次に、ソフトリセットとしての再始動・直進走行です。再始動後、直進で一定速度を保ち各制御の自己診断を完了させます。12V電圧を安定させるため、不要な電装負荷を減らして様子を見ます。そのうえで、DTC(故障コード)を診断機で読み取り、原因箇所を整備してから消去するのが確実です。
ネット上にはバックアップヒューズ(7.5A)を抜き差しする応急的なリセット手順も見られますが、メーカー公式の方法ではないとされ、時計や学習値の消失など副作用もあります。
安全装置や電動パーキングブレーキが絡む系統では、自己判断での強制リセットは避け、整備記録として残る方法を選ぶほうが再発抑止につながります。整備後の確認走行では、ACC・LKASの動作、VSAの介入、メーターメッセージの再発有無を点検し、必要ならエーミング作業を依頼します。
よくある表示と初期対応の整理
表示の例 | 可能性のある要因 | 初期対応の軸 | 継続対応の目安 |
---|---|---|---|
ACCシステム点検 | センサー汚れ、積載姿勢、電圧低下、エーミングずれ | 清掃・姿勢是正・再始動 | 頻発時は診断とエーミング |
LKASシステム点検 | カメラ視界不良、車線不明瞭、電圧低下 | 視界改善・走行環境変更 | 継続なら点検 |
ブレーキシステム警告灯(橙) | EPB保護、スイッチ系、電圧 | 1分待機・電圧確認 | 消えなければ入庫 |
PGM-FI警告 | 燃料系、失火、吸気、センサー | 燃料補給・冷間待機 | 消えなければ診断 |
公式サイトによると、赤表示や走行に関わる異常は安全な場所に停車し、販売店へ連絡する対応が推奨とされています。
システム点検表示は自然に消える?状況と条件

自然消灯が見込めるのは、環境や状態の改善で自己診断が合格するタイプの表示です。代表的なのはセンサー視界不良、積載姿勢由来、再接続後の初期化進行中、低電圧による一時的な保護です。清掃や姿勢是正、十分な充電、一定速度での走行により消える場合があります。
一方、自然消灯が期待しにくいのは、センサー・ハーネスの断線や固定不良、ガラスやバンパー交換後のエーミング未実施、内部部品の磨耗・故障、ソフト更新未実施などです。これらは学習で補正できないため、診断と部品交換・調整が必要です。
また、燃料切れを契機にエンジン関連の警告が出ることがあります。給油後にパワーモードのON・走行・OFFを数回繰り返すと消灯するという案内がある車種もありますが、再発する場合は燃料系や失火原因の点検が必要です。
以上の点を踏まえると、「自然に消える?」は環境要因と一時的要因に限定して期待すべきで、機械的不具合や調整不足が疑われる場合は早めに入庫する判断が安全です。
原因別に見る点検表示の消し方と注意点
消し方は目的ではなく結果です。原因ごとに適切な手順を踏むことが、確実な消灯と再発防止につながります。電圧起因なら、12Vバッテリーの充電量・劣化度・端子状態を確認し、必要に応じて充電・交換を行います。オルタネーター出力が不足していないかも合わせて測定します。
センサー視界・汚れ起因なら、カメラ前面のガラス・レーダーカバー・グリル内の清掃、雪や泥の除去、ワイパーの拭き取り性能の確認が効果的です。調整起因(エーミング)なら、ガラスやバンパー交換歴、軽い接触歴でもブラケットが歪むことがあるため、専用ターゲットで調整します。
ソフトウェア起因(更新・学習)なら、学習リセットや最新ソフト適用で改善することがありますが、整備書に従った手順で行い、ログを残すことが大切です。DIYの強制リセット(ヒューズ抜き、バッテリー外し、安易な学習消し)は、時に必要な学習値まで消して症状を複雑化させます。
安全支援に関わる部分は自己判断での操作を避け、診断機で原因に紐づけて消すのが王道です。
表示を消す前に確認すべきポイント
表示の消去操作に入る前に、次の5点を確認すると失敗が減ります。
第一に安全性です。赤系の表示や制動・操舵の違和感があれば、その場での走行継続を避け、ロードサービスや販売店への連絡を優先します。
第二に記録です。いつ・どんな状況で出たか、天候・路面・積載・清掃状況、再始動での変化をメモしておくと診断が早まります。
第三に電源状態です。電圧が不安定だと、学習・初期化が途中で中断され、余計な誤作動を誘発します。補機バッテリーコンディションを整えてから学習走行に移ります。
第四に周辺要因です。ドライブレコーダーや社外ナビの配線取り回し、増設電装のアース共有がノイズを生み、CAN通信に影響することがあります。増設の有無や取り付け時期も確認します。
第五に正規手順です。車種と年式で手順が異なるため、取扱説明書や整備解説に沿った順番で点検・初期化を進めます。公式情報では、特定の表示についてしばらく走行して消える、販売店で点検を受けるといった行動指針が明記されています。手順を飛ばさないことが、最短の解決につながります。
まとめ:ホンダ・システム点検の消し方について
・ホンダのシステム点検は原因特定を優先し表示は結果と捉える
・エンジンや電圧の不調は他システムに連鎖するため総合点検が要る
・12V再接続後の多重点灯は初期化完了で消えるケースがある
・ACCやLKASはセンサー視界と車体姿勢の影響を強く受ける
・センサー清掃と積載是正で自然消灯する状況が存在する
・赤のブレーキ警告は安全な場所に停車して点検を優先する
・橙のブレーキシステム警告は保護作動や電圧をまず疑う
・ステップワゴンは多系統連動のため強制リセットは避ける
・バックアップヒューズでの消去は副作用があり推奨されない
・フリードe:HEVは一定速度走行で学習が進み消灯する場合がある
・自然に消えるのは環境起因で機械的不具合は消えにくい
・診断機でDTCを読み修理後に消去するのが再発抑止の近道
・社外電装の干渉や配線の取り回しは原因になり得る
・表示を消す前に安全性記録電源周辺要因正規手順を確認する
・公式情報では赤表示は停止と販売店連絡が推奨とされている