日産エクストレイルのモデルチェンジはいつなのか、今一台を買うべきか待つべきか。多くの方が迷いや不安を抱きがちです。
本記事では、T32からT33への流れをわかりやすく振り返り、次期T34の見通しや2025~2026年の動きを整理します。マイナーチェンジの可能性や受注停止の情報、評価が分かれる新型の印象、そして用途別のグレード選びまで、客観的な情報に基づいて解説します。
・モデルチェンジの時期と内容の読み解き方
・T32からT33、将来型T34までの流れ
・購入タイミングの判断軸と実務的なチェックリスト
・グレード選びと中古検討時の要点
エクストレイルのモデルチェンジ最新動向

- T32と歴史の整理
- T33のモデルチェンジ
- T34型を待つべき?
- 2025年に受注停止?
- 2026の計画と市場動向
- マイナーチェンジ予想
T32と歴史の整理
まず押さえたいのは、T32期がエクストレイルの実用SUVとしての立ち位置を大きく固めた世代だという点です。
家族利用からアウトドアまで使いやすいパッケージと、幅広いグレード展開が販売の安定につながりました。具体的には、2010年代後半にかけて装備や内外装の見直しが段階的に進み、上位グレードの充実も目立ちます。
歴史を振り返ると、T32は小さな改良を重ねて完成度を高めていったモデルといえます。日産のカタログでは、2017年当時の主要グレードや特別仕様車が整理されており、当時の位置づけが確認できます(参照:日産カタログ)。
用語メモ
マイナーチェンジ:外観の一部変更や装備追加、走行性能の調整などを中心とした改良のこと。フルモデルチェンジに比べると、構造やプラットフォームの変更は限定的です。
T33のモデルチェンジ

ひと言で言えば、T33は電動化を前面に押し出し、走りと快適性のバランスを高めた世代です。
e-POWER(エンジンで発電しモーターで走る方式)とe-4ORCE(前後を個別に緻密制御する電動四駆)の組み合わせにより、静かで滑らかな加速や悪路での安定感が期待できます。
国内発表後は装備の拡充や特別仕様の展開が続いており、制御思想は公式でも詳しく説明されています(参照:日産公式 e-4ORCE 解説)。
項目 | T32(概要) | T33(概要) |
---|---|---|
パワートレイン | ガソリン中心、段階的改良 | e-POWER中心、電動化を強化 |
駆動システム | 機械式4WDが中心 | e-4ORCEの電動4WD制御 |
注目装備 | 安全装備の拡充 | 運転支援と快適装備を強化 |
位置づけ | 実用SUVの熟成 | 上質さと電動化を両立 |
あわせて、2024年には装備の標準化や仕様見直しが案内されています。
T34型を待つべき?
次期型エクストレイル(通称:T34型)に関する予測情報が出始めており、フルモデルチェンジを待つべきか悩んでいる方も多いでしょう。
結論から言うと、最先端のパワートレインや技術に魅力を感じるなら待つ価値は十分にありますが、登場は2027年頃と予測されており、時間的な制約や現行モデルとの比較が重要になります。
ある自動車情報サイトによると、次期型エクストレイル(T34型)は、姉妹車である北米モデル「ローグ」が2026年度に生産開始されることから、日本市場への導入は2027年度頃が有力と見られています。
次期型(T34)を待つべき理由(予測される進化点)
- パワートレインの大きな進化:
- 第3世代e-POWER: 新開発エンジンにより、特に高速燃費が最大15%向上するとされています。システム出力もアップし、よりパワフルで静かな走りが期待されます。
- PHEVモデルの追加: 三菱アウトランダーベースのプラグインハイブリッドが設定される見込みです。80kmを超えるEV走行が可能になれば、日常のほとんどをモーターだけで走行できます。
- 先進的なデザインへの刷新:
- 公開されたティザー画像からは、ハニカムパターンのグリルや一文字のテールランプなど、現行モデルから大幅に刷新された、よりシャープで未来的なデザインが示唆されています。
- 内装と先進技術の向上:
- Googleを搭載した大型ディスプレイや最新のデジタルメーターが採用され、コネクテッド機能が大幅に向上する見込みです。
- 将来的にはAIを活用した次世代の「プロパイロット」が搭載される可能性もあり、運転支援技術の飛躍的な進化が期待できます。
次期型を待つ場合の注意点
- 登場時期: 日本での発売は2027年度頃と予測されており、購入までまだ2年以上待つ可能性があります。
- 情報の不確実性: 現時点での情報はメーカーの公式発表ではなく、あくまで予測に基づいています。仕様や価格、発売時期は変更される可能性があります。
- 価格の上昇: パワートレインの進化や装備の充実により、現行モデルから20万円以上の価格上昇が予測されています。特にPHEVモデルは600万円を超える可能性も指摘されています。
現在のT33型も完成度の高いモデルですが、次期T34型はそれを大きく上回る進化を遂げる可能性を秘めています。ご自身の車の買い替えタイミングや、PHEVといった新技術への関心度、予算などを総合的に考慮して、最適な一台を選ぶことをおすすめします。
注意点
未発表モデルの情報は流動的です。購入を急がない方は、公式発表や販売店での正式案内を待つのも一案です。早めに必要な場合は、現行T33の在庫・納期・条件を比較し、メリットとリスクの釣り合いで判断しましょう。
2025年に受注停止?
2025年5月時点で、日産エクストレイルの一部グレードにおいて受注が停止されています。これは、2025年夏頃に予定されているマイナーチェンジに向けた動きと見られています。
自動車情報サイト(carview!)の内容によると、受注停止の対象となっているのは「G」や「オーテック」「エクストリーマーX」といった上位グレードです。日産販売店の関係者もマイナーチェンジが予定されていることを認めており、他のグレードについても順次受注停止となる可能性が高いようです。
現行モデルは登場から3年近くが経過しており、今回の受注停止はマイナーチェンジが間近に迫っていることを示唆しています。
マイナーチェンジのヒントは北米モデル「ローグ」に
具体的な変更内容はまだ明らかになっていませんが、日本に先駆けて新型が導入されている北米市場の姉妹車「ローグ」が参考になると言われています。ローグはすでに内外装デザインが大幅にアップデートされており、同様の変更がエクストレイルにも加えられる可能性があります。
購入を検討されている方は、ご希望のグレードが受注可能かどうか、またマイナーチェンジに関する最新情報について、お近くの日産販売店へ直接確認することをおすすめします。
2026の計画と市場動向

2025年後半にエクストレイルはデザインの刷新を含むビッグマイナーチェンジが予測されており、2026年はその新モデルが市場で評価される重要な年になります。
日産の新中期経営計画「The Arc」では電動化の加速が明確に示されており、エクストレイルもその戦略に沿った商品力向上が図られます。
具体的には、北米の姉妹車「ローグ」で先行公開された新しいフロントデザインや、利便性を高める「Googleビルトイン」の搭載などが、このマイナーチェンジで導入されると見られています。
こうした大幅な改良が実施されると、価格や納期、グレード構成が変更されるのが通例です。購入を検討する際は、ご自身の利用目的(通勤、家族、レジャーなど)を整理し、必要な装備の優先順位を決めておくと、改良前後のモデルを冷静に比較検討できるでしょう。
マイナーチェンジ予想
2025年後半に予測されるマイナーチェンジは、内外装の質感向上と機能の大幅なアップデートが中心となるでしょう。
近年のSUV市場では、安全運転支援の高度化、コネクテッド機能(インフォテインメント)、そして内外装デザインの魅力が競争の核となっています。エクストレイルもこのトレンドに乗り、特に以下の点の強化が期待されています。
- デザイン刷新: 先進的な「デジタルVモーショングリル」の採用によるフロントフェイスの大幅な変更。
- 機能性の向上: 日産として本格採用が進む「Googleビルトイン」の搭載によるナビ・エンタメ機能の革新。
- 安全・快適装備の拡充: 2024年5月の仕様向上(アラウンドビューモニターの標準装備化など)で示されたように、利便性の高い機能がより多くのグレードで標準装備となる可能性があります。
これらの改良は、商品力全体を大きく底上げすることが期待されます。
マイナーチェンジは待つべきか
マイナーチェンジを待つべきかは、「いつまでに車が必要か」と「何を重視するか」で判断するのが現実的です。
- すぐに車が必要な方・現行モデルで満足な方
改良前の現行モデルを、在庫や価格条件を見ながら検討するのが良いでしょう。完成された現行モデルも十分に魅力的です。 - 最新デザインやGoogle搭載に魅力を感じる方
時間に余裕があれば、2025年後半に予測されるマイナーチェンジを待つのがおすすめです。デザインや機能が大きく向上する可能性が高く、満足度も変わってくるでしょう。ただし、価格が上昇する可能性も考慮に入れる必要があります。 - 第3世代e-POWERやPHEVを狙う方
もし最先端のパワートレインを望むのであれば、視野に入れるべきはさらに先の2027年以降に予測されるフルモデルチェンジ(T34型)です。これには数年の時間が必要となるため、現在の車との兼ね合いを考えた長期的な計画が求められます。
エクストレイルのモデルチェンジの詳細

- 新型の特徴と改良点
- ひどいという評判の検証
- 中古相場と選び方の要点
- どのグレードがおすすめか比較
新型の特徴と改良点
現行エクストレイル(T33型)の最大の特長は、第2世代「e-POWER」と電動駆動4輪制御技術「e-4ORCE」の組み合わせによる、滑らかで力強い加速と高い静粛性、そして走行安定性にあります。
- 静かで滑らかな走り: エンジンは発電に徹し、100%モーターで駆動するe-POWERの特性により、電気自動車のようなスムーズな走りを実現します。また、発電用のエンジンには日産独自の可変圧縮比エンジン「VCターボ」を採用しており、走行状況に応じて最適な効率で発電することで、エンジン作動時のノイズを低減させています。
- 優れた走行安定性と乗り心地 (e-4ORCE): 前後のモーター出力を緻密に制御する「e-4ORCE」は、悪路や雪道での高い走破性を実現するだけでなく、日常的な走行シーンでの貢献も大きいのが特徴です。カーブでは狙い通りのラインを安定してトレースし、市街地での減速時には前後の回生ブレーキを巧みに調整して車体の揺れを抑制。これにより、同乗者が車酔いしにくい快適な乗り心地を提供します。
エクストレイルは定期的に仕様向上が行われており、2024年5月にはアラウンドビューモニターが全車標準装備になるなどの改良が実施されました。購入を検討する際は、公式サイトで最新の装備や価格を確認することをおすすめします。
ひどいという評判の検証

インターネット上で「ひどい」といったネガティブな評判が見られることがありますが、これはエクストレイルの特性やグレードによる装備差に起因する期待値とのギャップである場合がほとんどです。
主な指摘と、その背景は以下の通りです。
- 「高速走行時にエンジン音が気になる」: e-POWERはバッテリー残量や走行負荷に応じてエンジンが作動します。特に高速道路での合流や登坂時など、大きな力が必要な場面ではエンジンが高回転で唸るように感じられることがあり、従来のガソリン車との感覚の違いに戸惑う声があります。
- 「乗り心地が硬い」: 上級グレードに標準装備される19インチや20インチの大径タイヤは、見た目がスタイリッシュな一方、路面の凹凸を拾いやすく、乗り心地が硬質に感じられることがあります。乗り心地を重視する場合は、18インチタイヤを履く中間グレード「X」が比較的好評です。
- 「e-Pedalの感覚に慣れない」: アクセル操作で加減速を調整できる「e-Pedal Step」は便利な機能ですが、その独特の減速感に慣れが必要です。
一方で、「市街地走行は驚くほど静か」「e-4ORCEのおかげで雪道でも安心感が段違い」といった高い評価も数多く存在します。
購入後に後悔しないためには、試乗で自分の利用シーンを想定したチェックをすることが不可欠です。発進・停止、バイパスへの合流、少し荒れた路面などを試し、特にエンジン音や乗り心地が許容範囲かを確認しましょう。
中古相場と選び方の要点
現行T33型も中古車市場での流通が増え、300万円台前半から見つかるようになってきました(2025年8月時点)。複雑な電動システムを搭載しているため、中古車を選ぶ際は価格だけでなく保証と整備記録の確認が特に重要です。
確認ポイント | T32 | T33 |
---|---|---|
電動化システム | 該当なしまたは限定的。機構の整備履歴を確認 | e-POWERの点検記録、ソフト更新の有無を確認 |
安全装備 | 当時の先進装備の作動確認 | 運転支援やカメラ類の作動・故障履歴 |
消耗品 | タイヤ・ブレーキ・バッテリー状態 | 高電圧関連の点検記録、12Vバッテリー状態 |
保証 | 販売店の保証条件を確認 | 認定保証の範囲と期間 |
旧型のT32はガソリン車とハイブリッド車が選択でき、より手頃な価格帯が魅力ですが、T33型は走りや静粛性、先進性が大きく進化しています。両者の違いを理解した上で、予算と求める性能に応じて選ぶことが大切です。
どのグレードがおすすめか比較

エクストレイルのグレード選びは、e-4ORCE(4WD)が必要かどうかを最初に決めるのが基本です。その上で、ライフスタイルに合わせて装備を選びましょう。
【基本グレードのキャラクター】
S / S e-4ORCE: 装備をシンプルにしたベーシックグレード
主に法人向けですが、価格を抑えたい場合の選択肢となります。
G / G e-4ORCE: 最上級グレード
プロパイロットパーキングやBOSEサウンドシステム、本革シート(ナッパレザー)など豪華装備が標準。快適性を最大限に追求したい方向け。
X / X e-4ORCE: 販売の主力となるバランス型グレード
18インチタイヤによる快適な乗り心地と、必要十分な先進装備が魅力。オプションの選択肢も豊富で、自分好みの一台を作りやすいです。ほとんどの方におすすめできるグレードです。
主な使い方 | おすすめグレード | 理由 |
---|---|---|
街乗り・通勤が中心 | X(2WD) | 価格と乗り心地のバランスが良く、日常使いでの満足度が高い |
降雪地帯・アウトドア | X e-4ORCEエクストリーマーX(e-4ORCE) | e-4ORCE搭載で悪路・雪道に強い。 エクストリーマーXは防水シート装備のタフ仕様、X e-4ORCEはバランス重視 |
高速道路での長距離移動が多い | X 以上(特に G) | 「ナビリンク機能付プロパイロット」が標準装備。 Gグレードは静粛性がさらに高く快適 |
まとめ:エクストレイルのモデルチェンジについて
- T32は実用性の熟成が進んだ世代
- T33は電動化と快適性の強化が特徴
- T34は正式発表前で時期や仕様は未確定
- 受注停止は時期や仕様で変動し得る事象
- 2026は電動化と運転支援強化の可能性
- ビッグマイナーチェンジは装備強化が軸
- マイナーチェンジは必要装備の観点で判断
- 新型の走りはe-POWERとe-4ORCEが要点
- ひどいという評判は使用環境で感じ方が変わる
- 中古は点検履歴と保証の有無を重視
- グレード選びは用途と装備パッケージで決める
- 購入前に試乗シナリオを複数用意する
- 公式サイトで最新の装備と価格を確認する
- 将来計画は公式発表を待ってから判断する
- 総合的にはタイミングと必要装備の一致を重視
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