ミニバンを選ぶ際、最低地上高」が気になるという方は少なくありません。車体の下と地面の距離は、乗り降りのしやすさはもちろん、段差や駐車場の対応可否など、日常の使い勝手に直結する大切なポイントです。
本記事では、ホンダ ステップワゴンの最低地上高はどれくらい?という疑問をはじめ、歴代ステップワゴンの最低地上高の推移についても詳しく解説します。
また、新型ステップワゴンとスパーダの最低地上高の比較や、ノア・セレナという他社との比較も見逃せません。
ステップワゴンの車高と立体駐車場での注意点も踏まえ、購入前の判断材料として活用できるよう丁寧にまとめましたので、ぜひご覧ください。
・歴代ステップワゴンの最低地上高の変化
・グレードや駆動方式ごとの最低地上高の違い
・他車種(ノア・セレナ)との地上高の比較
・無限仕様や立体駐車場での注意点
ステップワゴンの最低地上高の基礎知識

・ステップワゴンの最低地上高はどれくらい?
・歴代ステップワゴンの推移
・RK・RK5の最低地上高とは
・RP3・RP5の最低地上高まとめ
・RP8の最低地上高の特徴
・新型ステップワゴンの意外な数値とは
ステップワゴンの最低地上高はどれくらい?
ホンダ・ステップワゴンの最低地上高は、モデルや駆動方式によってわずかに異なりますが、一般的には約150mm〜160mm程度が標準とされています。
たとえば、5代目ステップワゴン(RP系)の前輪駆動モデルでは最低地上高が約155mm前後、一方で四輪駆動モデルでは若干高めの約160mmとなっています。これは雪道や未舗装道路での走行を想定した設計によるものです。
最低地上高とは、車両の最も低い部分(路面と車体の隙間)を指しており、段差の乗り越えや悪路走破性、安全性に関わる重要な指標です。
日常の街乗りや立体駐車場での使用を考えると、150mm以上あればほとんど問題はありませんが、キャンプや雪道走行を考えるなら160mm以上あると安心です。
ステップワゴン最低地上高の推移
世代 | FF車 最低地上高 (mm) | 4WD車 最低地上高 (mm) | 全高の目安 (mm) |
---|---|---|---|
初代 (RF系) | 180.0 | 185.0 | |
2代目 (RF3〜8系) | |||
3代目 (RG系) | 170.0 | 180.0 | |
4代目 (RK系) | 165.0 | ||
5代目 (RP系) | 155.0 | 160.0 | |
6代目 (RP6〜8系) | 150.0 | 1,840〜1,855 |
特にハイブリッドモデルはバッテリーやモーターの搭載位置によって若干地上高が異なることもあるため、購入前には諸元表での確認が重要です。
歴代ステップワゴンの推移
ステップワゴンは1996年の初代モデルから2022年発売の6代目まで、最低地上高においても少しずつ変化を重ねてきました。
初代モデル(RF系)では、FF車で約180mm、4WD車では約185mmという、比較的高めの最低地上高が確保されていました。これは当時の日本の道路環境やユーザーの使い方に配慮された設計でした。
しかし、時代とともに車両の低床化や乗り降りのしやすさが重視され、2代目(RF3〜8系)以降では徐々に地上高が下がる傾向となります。たとえば、3代目(RG系)ではFF車が約170mm、4WDが約180mm。4代目(RK系)になると、FFモデルで約165mm程度まで下がります。
5代目(RP系)ではさらに低床化が進み、FFで約155mm、4WDでも約160mmと、安全性と利便性のバランスを意識した設計に。
最新の6代目(RP6〜8系)でも、前輪駆動車は1,840〜1,855mmの全高に対して、最低地上高は約150mm前後と想定され、室内空間と乗降性を両立しながらも、一定の走破性を維持しています。
RK・RK5の最低地上高とは
4代目ステップワゴン(RK系)は、2009年から2015年にかけて販売されたモデルで、RK1からRK7までの型式が存在します。
その中でもRK5は特に4WDモデルとして知られており、最低地上高はFFモデルで約165mm、4WDモデルでは約170mmとされています。RK型の特徴は、低床・低重心プラットフォームを採用しつつ、室内空間を広く確保している点にあります。
そのため、最低地上高も過去モデルに比べてやや抑えられ、乗降しやすく、重心の低さが安定走行にも寄与しています。
RK5のような4WDモデルでは、雪道や坂道での安定性を考慮して地上高が若干高めに設定されていますが、全高が1,830mm前後あるため、車庫や立体駐車場の高さ制限にも注意が必要です。
さらに、RK系では「スパーダ」や特別仕様車などバリエーションも豊富で、それぞれ装備によって車重や地上高が微妙に変化するケースも見受けられます。カタログで諸元を確認することが、適切なグレード選びにおいて大切です。
RP3・RP5の最低地上高まとめ
ステップワゴンRP系の中でも、rp3とrp5はそれぞれ駆動方式と仕様が異なる点に注目すべきです。
rp3はFF(前輪駆動)モデル、rp5は4WD(四輪駆動)モデルとして販売されており、最低地上高においても差が生じます。rp3の最低地上高は約155mm前後、rp5ではこれより少し高い約160mmが一般的です。
これは4WD機構の搭載による車体下部の設計変更が影響しています。
RP系は2015年の5代目ステップワゴンとして登場し、低床プラットフォームとターボエンジン「L15B型」やハイブリッド「e:HEV」システムを採用しており、走行性能と燃費のバランスが取れたモデルです。
わくわくゲートや3列目マジックシートといった装備に注目が集まりがちですが、最低地上高も立体駐車場の利用や段差走行時の重要な判断材料になります。rp3とrp5を比較すると、走破性ではrp5に分があり、燃費や使い勝手の面ではrp3が優位となるケースも。
最低地上高と日常の使用環境の相性を見極めることが、最適な選択につながります。
RP8の最低地上高の特徴
ステップワゴンRP8型は、2022年登場の6代目ステップワゴンに該当するモデルのうち、ハイブリッド×四輪駆動(e:HEV+4WD)仕様の車両を指します。
このRP8型の最低地上高は約155mm程度で設定されており、前輪駆動モデルよりやや高めに保たれています。最低地上高とは車体と地面とのクリアランスを示すもので、段差走行時や悪路走破性、安全性に直結する数値です。
RP8では、バッテリーを床下に配置するハイブリッド構造と、4WDシステムによる追加部品を収めるため、全体的な設計バランスに配慮が求められました。
そのため、最も低い部分でも150mmを下回らないよう設計されています。実用性と乗降性を高めつつ、雪道や山道といったシーンにも対応できるよう、最低地上高の設定には明確な意図があります。日常使いからレジャー利用まで対応できる仕様として、RP8は万能性の高い一台といえるでしょう。
新型ステップワゴンの意外な数値とは
2022年に登場した新型ステップワゴン(6代目・RP6〜RP8型)は、車体デザインの刷新と機能性の向上により、注目を集めています。
その一方で見落とされがちなのが最低地上高の数値です。
一般的なミニバンに比べて高すぎず低すぎずのバランスを取っており、新型ステップワゴンの最低地上高はおよそ150〜160mm程度に設定されています。全体的にロングホイールベース化しつつも、最低地上高を無理に下げなかった理由には、乗降性と走破性の両立があります。
特にフロントバンパーや床下構造は段差や坂道でも擦らないよう工夫され、日常の使いやすさを重視した結果としてこの絶妙な数値が採用されました。
SUVのような高地上高ではありませんが、立体駐車場への入庫性や小さなお子様、高齢者の乗り降りのしやすさを考慮した設計となっています。目立たない部分ではありますが、ユーザーに寄り添った最適設計がここにも表れています。
ステップワゴンの最低地上高と他モデルを比較

・新型ステップワゴンとスパーダの比較
・4WDとFFモデルの違い
・無限仕様の最低地上高の注意点
・ノア・セレナの最低地上高はどっちが高い?
・地面からの高さ・シート地上高にも注目
・車高と立体駐車場での注意点
新型ステップワゴンとスパーダの比較
新型ステップワゴン(6代目)には、「AIR」と「SPADA」という2つの主なグレードが用意されており、それぞれ装備やデザインだけでなく、最低地上高にも微妙な違いが見られます。
標準モデルの「AIR」は最低地上高が約150mm前後で設計されており、街乗りを想定した快適性重視の設計です。
一方、「SPADA」はエアロパーツや大径ホイールを装備するため、見た目の印象は低重心に感じられますが、実際の最低地上高はAIRと同等か、モデルによっては数mm高く設定されています。
とくにハイブリッドモデルでは、SPADAの重量配分やサスペンションの調整により、地上高を確保しながら走行安定性を高めています。つまり、見た目は低く見えても、段差の走破性や安全性はしっかり保たれている設計といえます。
最低地上高の数値は近いものの、乗り味や使い勝手に違いがある点を理解して選ぶことが重要です。
4WDとFFモデルの違い
ステップワゴンには、前輪駆動(FF)モデルと四輪駆動(4WD)モデルの2種類が設定されており、最低地上高にもそれぞれ違いが見られます。FFモデルでは一般的に約150〜155mmの最低地上高が標準となっており、都市部での走行や駐車場利用に適した仕様となっています。
一方、4WDモデルでは最低地上高が160mm前後に設定されており、雪道や未舗装路などへの対応力が高められています。この差は主に駆動機構の追加による車体構造の変化に起因しますが、意図的に4WDモデルを高めに設計している側面もあります。
例えば、リアのド・ディオン式サスペンションの採用により、荷重分散性と路面追従性を確保しながら、下部クリアランスも確保されているのです。
ファミリー用途で安全かつ快適に走れるかどうかは、地上高のわずかな差でも実際の使用感に大きく影響を与えます。自身の生活環境に合わせて選ぶと満足度の高い選択が可能になります。
無限仕様の最低地上高の注意点
無限(MUGEN)仕様のステップワゴンは、純正モデルに比べてスポーティな印象を強調するエアロパーツやローダウンサスペンションなどが装着されていることが多く、見た目の迫力だけでなく実用面にも変化が生じます。
特に注意したいのが「最低地上高」の変化です。
一般的な純正ステップワゴンの最低地上高は150mm前後が標準ですが、無限仕様ではフロントバンパーの形状やサイドスカートの装着により、実質的な最低地上高が10〜20mm程度下がることがあります。
この影響で、段差の乗り越えや傾斜のある駐車場でバンパーが地面に接触しやすくなります。とくに車止めが高い場所では注意が必要です。また、後付けの無限パーツを取り付ける場合、車検対応品かどうかや道路交通法における基準を満たしているかも確認しなければなりません。
スタイルを重視しすぎて日常の取り回しに支障が出ないよう、事前のシミュレーションとディーラーでの相談をおすすめします。
ノア・セレナの最低地上高はどっちが高い?
ファミリー層に人気のミニバンといえば、ホンダ・ステップワゴン、トヨタ・ノア、日産・セレナの三強が挙げられます。
中でも気になるのが最低地上高の違い。ステップワゴンは前輪駆動モデルでおよそ150〜155mm、四輪駆動では160mm前後に設定されています。これに対して、トヨタ・ノアの最低地上高はおよそ140〜160mmとやや幅があり、グレードによってばらつきがあります。
日産・セレナは約135〜155mmと全体的に低めに設計されています。つまり、平均的にはステップワゴンの方が若干高い傾向にあります。ただし、実際の使い勝手を左右するのは数ミリ単位の違いではなく、どの部分が最も低いかという「最低地点」の位置です。
たとえば、エアロパーツの出っ張りやサスペンションの設定などにより、段差や坂道での擦りやすさが変わるため、単純な数値比較ではなく実車の形状にも注目すべきです。
地面からの高さ・シート地上高にも注目
ステップワゴンの魅力は単に広い室内空間や便利なシートアレンジにとどまりません。実は「地面からの高さ」、つまり乗り降りしやすさにも大きな配慮がなされています。
まず、床面までの高さはFFモデルでおよそ390〜400mm前後となっており、スライドドアを開けた際にステップが低めに設定されています。小さなお子さんや年配の方が利用する場面でも安心して乗り降りできる構造です。
さらに、シート地上高に注目してみると、2列目のキャプテンシートで約600mm、3列目でも550〜580mm程度に設計されており、自然な姿勢で座れる絶妙な高さになっています。
これにより、乗り込んだときの目線も高すぎず低すぎず、ドライバーや同乗者の視界を確保しつつ、運転時の疲労も軽減されます。単なる数値では判断しづらいこの“地面からの設計バランス”こそが、ステップワゴンの使い勝手を大きく左右するポイントと言えるでしょう。
車高と立体駐車場での注意点
都市部の住宅事情を考えると、車の購入時に「立体駐車場に入るかどうか」は見逃せないポイントです。
ステップワゴンの車高は、FFモデルでおよそ1,840mm、4WD仕様では1,855mm前後と設定されており、多くの立体駐車場で設けられている「高さ制限1,550mm」や「1,800mm以下」といった基準を超えてしまうケースが少なくありません。
特にスパーダ系やモデューロXなどの専用バンパー付きグレードではさらに車高が高くなることがあり、注意が必要です。また、駐車場の傾斜がきつい場合にはフロントバンパーが地面に擦るリスクも高くなります。
こうしたリスクを避けるためには、駐車場の高さ制限だけでなく、実際の勾配や車止めの高さも事前にチェックしておくことが重要です。
ミニバンだからこそ起こりやすい問題なので、「使える場所を選ぶ」ことを前提に車高に目を向けておくと、購入後の後悔を防ぐことにつながります。
まとめ:ステップワゴンの最低地上高について

・ステップワゴンの最低地上高はモデルや駆動方式によって異なる
・一般的な最低地上高は約150〜160mm
・FF車より4WD車の方が最低地上高がやや高い傾向
・初代モデルは約180mmと高めの設定だった
・モデルチェンジごとに低床化が進んでいる
・RK型はFFが約165mm、4WDが約170mm
・RP3は約155mm、RP5は約160mmの最低地上高
・RP8(e:HEV+4WD)は約155mmの設定
・新型ステップワゴンは全体的に150〜160mmの範囲に収まる
・SPADAはAIRに比べて見た目は低いが地上高はほぼ同等
・無限仕様ではエアロ装着により実質の地上高が下がる可能性あり
・ノアやセレナと比べて平均的に地上高はやや高め
・シート地上高は600mm前後で乗降性に配慮されている
・車高は1,840〜1,855mmで立体駐車場利用時に注意が必要
・駆動方式やグレードによって走破性や乗り心地が変わる
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