ホンダのヴェゼルは、SUVらしい力強さとクーペのような洗練されたデザインを併せ持つ人気モデルで、販売当初から多くのユーザーに支持されてきた一方で、前期と後期の違が気になるという声も少なくありません。
また、初代モデルの変遷と装備の違いを振り返ると、ヴェゼルがどのように進化してきたかを理解することができ、中古で狙う際もより的確に選ぶことができるでしょう。
本記事では、これらを総合的にまとめて、ヴェゼルの前期・後期を徹底的に比較していき、マイナーチェンジ前との比較や、口コミから見るヴェゼルオーナーの満足度といった視点も取り上げますので、ぜひご覧ください。
- ヴェゼルの前期・後期の走行性能や装備の違い
- RSやRU3型などグレード別の特徴と変化
- 年式ごとの違いとマイナーチェンジの内容
- 中古購入時に狙うべきおすすめモデル
ヴェゼルの前期と後期の違いを比較

・RSモデルは前期と後期で何が違う?
・RU3型で体感できる走行性能の変化
・RU系の違いは走行感覚に注目
・初代モデルの変遷と装備の違い
・前期・中期・後期の違いを年式で比較
・中古で狙うならどのモデルがおすすめ?
RSモデルは前期と後期で何が違う?
RSモデルは、ヴェゼルの中でも「走り」を重視したスポーティなグレードです。前期型と後期型では見た目こそ大きく変化していないものの、実際の運転感覚には明確な違いがあります。
最も注目すべきは、トランスミッション制御とギア比の見直しにより、後期型では低速域から中速域にかけてのギクシャク感が緩和されている点です。
前期型では加速時やエンジンとモーターの切り替え時に若干のもたつきが感じられ、「思ったように加速しない」といった声が少なくありませんでした。一方で後期型では、3速ギア比の変更によりこの点が改善。加速のスムーズさが向上し、特に市街地での扱いやすさが際立ちます。
ただし、その分70~100km/hの中間加速がやや鈍くなったとの指摘もあり、スポーツ走行を好む方にとっては物足りなさを感じる場面もあるかもしれません。
さらに、後期型では「Honda SENSING」や細かな足回りの調整も実施されており、総合的な安心感と乗り心地のバランスも高められています。これにより、長距離ドライブや高速巡航時の快適性が増しています。
デザイン面では大きな変化はありませんが、走行性能や安全装備の向上を求める方には後期型がおすすめです。
RU3型で体感できる走行性能の変化
RU3型は、ヴェゼルのハイブリッドモデルに該当し、モーター駆動を活かしたスムーズな加速が特徴です。
前期型と後期型の最大の違いは、やはり制御プログラムの改良によるドライバビリティの向上にあります。特に街中や渋滞時の発進・停止におけるギクシャク感が、後期型ではかなり軽減されています。
前期型RU3は、モーターとエンジンの切り替えが唐突で、アクセル操作に対するレスポンスもやや曖昧な印象を持つユーザーが多くいました。特にエンジン始動のタイミングや減速時の制御が不自然に感じる場面が見られ、快適とは言いづらい部分もありました。
これに対し後期型では、エンジンのオンオフ制御や回生ブレーキの挙動に手が加えられ、より自然で違和感のない走行感覚が得られます。また、高速道路などでの再加速も滑らかになり、ストレスの少ない走りが可能になった点も見逃せません。
細かな変更ではありますが、運転のしやすさや快適性という観点では大きな進化といえます。特にハイブリッドならではの静粛性とレスポンスを求めるなら、RU3の後期型は検討に値する車種です。
RU系の違いは走行感覚に注目

RU系ヴェゼルの前期と後期の違いを語るうえで、最も注目すべきは走行感覚です。
見た目や車体サイズに大きな違いはなくても、ドライバーが実際に運転して感じる「乗り味」には明確な差が現れます。具体的には、エンジンとモーターの協調制御、サスペンションの味付け、静粛性の強化といったポイントが挙げられます。
前期モデルでは、発進時のモーターとエンジンの切り替えに違和感を覚える場面が多く、アクセル操作に対して車両の反応が遅れがちでした。また、路面の凹凸を拾いやすく、長時間の運転では疲労感が出やすかった点も否めません。
これに対して後期型では、吸音材の追加やエンジンルーム周辺の防音対策が強化されており、車内の静粛性が大幅に向上。さらに、サスペンションセッティングも見直され、路面からの突き上げ感が軽減されています。結果として、長距離走行時の疲れが抑えられ、快適なドライブが可能になりました。
走行中のスムーズな加速感や、自然なステアリングフィールも後期型の魅力です。RU系ヴェゼルを選ぶ際は、走行性能の違いに着目することで、自分に合った一台を見つけやすくなるでしょう。
初代モデルの変遷と装備の違い
ヴェゼルの初代モデルは2013年にデビューし、以降いくつかのマイナーチェンジを経て進化を遂げてきました。
前期型では、デザイン性と広い室内空間が評価され、デビュー直後から人気を集めましたが、先進安全装備が未搭載である点や、加速時のギクシャク感が課題とされていました。
2016年の中期モデルでは、これらの点が改善され、「Honda SENSING」の搭載によって安全性が向上。また、RSグレードの登場によりスポーティなラインも加わりました。
そして2018年の後期型では、静粛性の向上やスマホ連携対応のナビゲーションが標準装備化され、より快適な車内空間が実現しています。燃費性能も向上しており、実用性を重視するユーザーにも支持されています。
このように、初代ヴェゼルは年式ごとに装備や性能が進化しています。購入の際は「どの時期のモデルが、自分のライフスタイルに合っているか」を見極めることが大切です。見た目の印象だけでなく、安全装備や使い勝手の違いに目を向けると、納得のいく選択ができるでしょう。
前期・中期・後期の違いを年式で比較
ヴェゼルの初代モデルは、2013年の登場から2021年まで生産され、その間に大きく3つの時期に分けられます。大まかに分けると、以下のようになります。
・前期:2013年~2015年
・中期:2016年~2017年
・後期:2018年以降
これらの違いは、単なる年式の差にとどまらず、装備や走行性能、快適性、安全性に至るまで多岐にわたります。
まず前期モデルは、発売直後ということもあり、基本性能やデザインがシンプルな構成でした。Honda SENSINGなどの先進安全装備は未搭載であり、現代の基準からすると物足りなさを感じる点もあるかもしれません。ただし、価格帯が抑えられているため、コストを重視する方には検討するに値します。
中期型に入ると、安全性能の強化が図られました。代表的な装備としては、ついにHonda SENSINGが採用され、衝突軽減ブレーキや車線維持支援などが標準化されました。また、RSグレードが登場し、走行性能や外観に個性を求めるユーザーにも対応しています。
後期型ではインフォテインメント系の装備が大幅に強化され、スマートフォンとの連携が可能なナビや、快適性を高めるパフォーマンスダンパーなども導入されました。さらに、静粛性や燃費性能も向上しており、長距離走行や家族利用にも適しています。
このように、年式ごとに進化したポイントを整理することで、自分に合ったモデルを見極めるヒントになります。装備重視なら後期型、価格重視なら前期型、安全性とバランスを求めるなら中期型が有力です。
中古で狙うならどのモデルがおすすめ?
ヴェゼルの中古車選びにおいて、「どの年式・グレードを狙うべきか?」は多くの人が抱える悩みです。結論から言えば、2021年以前の初代後期モデル(2018~2021年)が最もバランスが良く、狙い目といえます。その理由は、装備・安全性・価格の3点が最も良いバランスで成立しているからです。
後期型では、前述の通り「Honda SENSING」が全車標準装備となり、安全性能が大きく向上しています。
また、スマホとの連携が可能なナビゲーションや、静かな室内、そして改善された足回りなど、快適性も高まっています。それでいて、中古市場では初期よりも価格が落ち着いてきており、費用対効果が高いモデルといえるでしょう。
一方、予算を抑えたい方は中期型(2016~2017年)も視野に入ります。Honda SENSING搭載車が多く、安全性能には十分な配慮があるうえに、価格は後期型よりも控えめです。ただし、ナビや内装のデジタル機能はやや時代を感じる部分もあるため、用途に応じて検討するのが良いでしょう。
逆に、前期型(2013~2015年)は最も安価で購入可能ですが、安全装備が非搭載なモデルもあるため、選ぶ際には注意が必要です。走行距離や修復歴の有無をしっかり確認し、状態の良い個体を選ぶことが重要です。
総じて、初めてヴェゼルを買う方には、後期型「e:HEV Z」や「HYBRID X」などの高年式・低走行モデルをおすすめします。装備も充実しており、長く安心して乗ることができるでしょう。
グレード別に見るヴェゼルの前期と後期の違い

・人気グレード「X」と「Z」の選び方
・新型の違いはデザインと快適性がカギ
・旧型の違いはRSやXグレードがポイント
・後期型はいつから?年式ごとのポイント整理
・マイナーチェンジはいつ実施?
・マイナーチェンジ前の比較!口コミから見る満足度
人気グレード「X」と「Z」の選び方
ヴェゼルのハイブリッドモデルで特に人気のあるグレードが「e:HEV X」と「e:HEV Z」です。どちらもファミリーユースから通勤まで幅広い用途に対応していますが、装備内容や価格帯に違いがあるため、自分のニーズに合ったグレードを選ぶことが大切です。
「e:HEV X」はエントリーグレードにあたりますが、必要十分な安全装備や快適装備が揃っています。特に、Honda SENSINGの全車標準装備は大きなポイントで、運転支援機能に不満はありません。価格も控えめで、コストパフォーマンスに優れる点が特徴です。
一方の「e:HEV Z」は、より上質さを求めるユーザー向けのグレードです。左右独立温度調整エアコン、パワーテールゲート、アクティブコーナリングライトなど、細かな快適装備が追加されており、ワンランク上の使い心地を提供。また、インテリアの質感も高められ、所有満足度の面でも優れています。
ただし、「Z」は価格が上がるため、予算に余裕があるかどうかが選択の分かれ道です。また、使わない装備が多いと感じる方には、装備を絞った「X」の方が合理的な選択となるでしょう。
このように、日常的な使い勝手や装備に対する価値観によって、適切なグレードは変わってきます。価格重視なら「X」、装備重視なら「Z」と覚えておくと選びやすくなります。
新型の違いはデザインと快適性がカギ
2024年のマイナーチェンジで新型ヴェゼルが登場し、多くのドライバーから注目を集めています。前期モデルからの進化点を一言で表すなら、「より洗練されたデザインと大幅な快適性向上」です。外観の変更は一見小さいように見えますが、細部を見ると確かな変化が感じられます。
まず、フロントマスクのデザインが刷新され、グリルがより直線的でシャープな印象に。これにより、全体の雰囲気が引き締まり、都会的かつ力強い印象を与えています。また、リアもLEDランプが水平基調に変更され、視認性と高級感が向上しました。
インテリア面でも大きな改良が加えられ、特にセンターコンソールの形状が見直され、スマートフォンを2台並べて置けるトレーや、非接触充電エリアの追加など、日常での使い勝手が飛躍的に向上しました。これはユーザーの声を反映した改良で、実用性を重視する層には非常にうれしいポイントです。
さらに、静粛性の向上も見逃せません。新型では吸音材の増加やパネル厚の見直しが行われ、走行中のノイズが大きく抑えられています。これにより、高速走行時でも快適にドライブできる環境が整えられています。
新型のヴェゼルは、ただのフェイスリフトにとどまらず、ユーザー体験を重視した実質的な進化を遂げたモデルです。デザインに加えて日常使いの快適性も重視する方にとって、非常に魅力的と言えます。
旧型の違いはRSやXグレードがポイント

旧型ヴェゼル(初代:2013~2021年)のグレード選びでは、「RS」や「X」が注目です。
特にRSグレードは、走りに特化したモデルで、専用サスペンションやボディ補強が施されており、ハンドリングや高速域での安定性に優れています。外観面でも専用エアロやホイールが与えられ、スポーティな印象が強いです。
一方、「X」は装備バランスに優れた中間グレードで、価格と機能のちょうどよい落とし所として人気があります。上位の「Z」と比較すると、一部快適装備は省略されていますが、Honda SENSINGが搭載されている年式も多く、安心して日常利用できる仕様といえます。
旧型は年式によって装備の有無やチューニング内容が微妙に異なるため、RSとXを比較する際には、同じ年のモデルかどうかも確認する必要があります。走行性能を求めるならRS、コスパと実用性を求めるならX。このように目的に応じた選び方ができるのが、旧型ヴェゼルの大きな魅力です。
後期型はいつから?年式ごとのポイント整理
ヴェゼルの初代モデルにおける「後期型」は、2018年2月のマイナーチェンジ以降にあたります。このタイミングで外観・装備ともに大きく進化し、初期モデルとの差別化がより明確になりました。
特に前期型との比較では、安全性と快適性の向上が際立っており、見た目の刷新以上に実用面での改良が評価されています。
外観ではフロントグリルやバンパーデザインが変更され、より洗練された都会的な印象へと進化。また、内装の質感向上に加え、スマートフォン連携可能なナビゲーションシステムなど、ユーザーの使い勝手を意識した装備が追加されています。
さらに、振幅感応型ダンパーの採用により、乗り心地とハンドリングが格段に改善された点も見逃せません。
年式ごとの違いとしては、2019年以降のモデルでは一部のグレードで細かな装備変更が加わり、2020年モデルではさらに燃費や静粛性の向上が図られました。これにより、特に長距離運転や高速道路での快適性が一段と高まっています。
このように、2018年から2021年までの後期型は、外観の変化にとどまらず、実際の使用感や安全性の面で大きく改善された仕様といえます。中古で検討する際も、「2018年式以降かどうか」が一つの大きな判断基準になるでしょう。
マイナーチェンジはいつ実施?
ヴェゼルのマイナーチェンジは、これまで複数回実施されてきましたが、特に大きな変更があったのは以下の2回です。
まず初代モデルでは、2016年に安全装備「Honda SENSING」の一部搭載を含む中期マイナーチェンジが行われ、次いで2018年に後期型へとアップデートされました。そして、直近では2024年4月に現行型の大規模マイナーチェンジが実施され、話題となっています。
この2024年の改良では、外観デザインに細かな変更が加えられたほか、センターコンソール形状の刷新やインテリアの使い勝手向上、静粛性の強化といった内面の進化が目立ちます。特に吸音材の追加や制振性向上による快適性アップは、従来型オーナーでも驚くレベルの仕上がりといえます。
また、新グレードとして「HuNTパッケージ」が登場し、アウトドアユーザーやスタイリング重視の層にも訴求するモデル構成となっています。加えて、ハイブリッドシステムの制御見直しによる走行性能の改善や、渋滞支援機能の追加など、走りと安全性の両面でレベルアップが図られました。
これらの変更は、実際の使い勝手や快適性、走りの質にまで踏み込んだ改良といえます。ヴェゼルの購入を検討する際には、どのマイナーチェンジの後のモデルかをチェックすることが、後悔しない選び方につながります。
マイナーチェンジ前の比較!口コミから見る満足度
マイナーチェンジ前後でヴェゼルの満足度にどのような違いがあるかは、実際のオーナーの口コミに多くのヒントがあります。
前期型(2013~2015年頃)は、初期型ならではの先進感とスタイリッシュなデザインが好評でしたが、一方で「ギクシャク感のある走り」や「ナビや安全装備の物足りなさ」を指摘する声も目立ちました。とくに渋滞時や上り坂での加速にストレスを感じるという意見は複数確認されています。
一方、中期型(2016~2017年)になると、「Honda SENSING」搭載によって安心感が増し、口コミでも安全性に対する満足度が上昇しています。
走行中の安定性も高まり、前期型からの乗り換えで「快適になった」という声も多く見られました。ただし、「ナビ操作がもたつく」「収納が少ない」といった細かな不満も一定数存在しています。
後期型(2018~2021年)は、これまでの課題に対応した形でアップデートされており、全体的な口コミ評価は高い傾向です。特に「乗り心地が大幅に改善された」「ナビやスマホ連携が便利になった」という具体的な評価が多く、通勤からレジャーまで幅広いシーンでの使いやすさが支持されています。
このように、口コミを通じて見えてくるのは、マイナーチェンジによってヴェゼルが着実に進化を遂げてきたという点です。どの年式にも一定の評価はありますが、満足度を重視するなら後期型、価格を重視するなら前期または中期型を中心に検討するとよいでしょう。
まとめ:ヴェゼルの前期と後期の違いについて

・RSモデルは後期型で低中速のギクシャク感が改善されている
・RU3型は後期になるとエンジンとモーターの切り替えがよりスムーズ
・RU系全体では静粛性や乗り心地が後期型で向上している
・初代モデルは2013年に登場し、2016年と2018年に大きな変更があった
・前期は価格が安いが安全装備が不十分なケースもある
・中期はHonda SENSING搭載で安全性が大幅に強化された
・後期はナビやスマホ連携、静粛性など快適性が大幅に向上
・中古で狙うなら装備と価格のバランスが良い2018年以降の後期型
・「e:HEV X」は必要最低限の装備が整ったコスパ重視グレード
・「e:HEV Z」は高級装備が充実しており所有満足度が高い
・2024年の新型は外装と内装が刷新され、デザイン性が強化された
・新型はセンターコンソールや収納機能が改善され実用性が高い
・マイナーチェンジは2016年、2018年、2024年に実施された
・後期型は2018年2月以降に該当し、装備と性能が大幅に進化
・口コミでは後期型の乗り心地や使い勝手の評価が特に高い
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