ヴォクシーのタイヤをご自身で交換しようと考えた際、「ホイールナットはどのくらいの力で締めればいいのだろう?」と疑問に思ったことはありませんか。
特に、新型の90系から人気の80系、そして70系や60系まで、歴代ヴォクシーのオーナーにとって、タイヤの締め付けに関するトルク値は、安全な走行を維持するために不可欠な知識です。
「タイヤのトルクはどこに書いてあるのか」という基本的な疑問をはじめ、正しいナットサイズでの締め付け方法、さらにはタイヤ交換作業に必須となるジャッキポイントの位置や収納場所に至るまで、知っておくべきことは多岐にわたります。
この記事では、ヴォクシーのオーナーが安心してタイヤメンテナンスを行えるよう、型式ごとの正確な情報から安全な作業手順まで分かりやすく解説していきます。
・ヴォクシーの型式ごとの正しい規定トルク値
・安全なタイヤ交換作業の手順と注意点
・トルクレンチやジャッキなど必要な工具の知識
・走行中のトラブルを未然に防ぐためのトルク管理方法
ヴォクシーのタイヤトルク|型式別の規定値

・タイヤのトルクはどこに書いてある?
・守るべき規定トルク値の重要性
・新型90系と80系の特徴
・70系ヴォクシーのホイールナット
・60系ヴォクシーのナットサイズ
タイヤのトルクはどこに書いてある?
愛車のタイヤを交換する際、まず最初に確認すべき「締め付けトルク」。この数値は、一体どこで確認できるのでしょうか。
最も確実で信頼性の高い情報源は、車両の取扱説明書です。メーカーが車種ごとに指定している公式な数値が記載されているため、タイヤ交換の前には必ず一度目を通すことをお勧めします。
取扱説明書が見当たらない場合でも、多くの車両では運転席のドアを開けた内側のピラー部分や、グローブボックスの内側に貼られたステッカーに、空気圧と並んでトルク値が記載されていることがあります。
ネットで調べる場合は、信頼できる自動車情報サイトや、ディーラー、タイヤ専門店の公式サイトなどを参考にすると良いでしょう。確実な情報を基に作業することが、安全への第一歩となります。
守るべき規定トルク値の重要性
ホイールナットを締め付ける力、すなわちトルク値がなぜこれほどまでに大切なのでしょうか。結論から言うと、これは車両の安全走行に直結するからです。メーカーが指定する規定トルク値を守ることには、明確な理由が存在します。
締め付けが弱すぎる場合のリスク
もし規定よりも弱い力で締め付けた場合、走行中の振動や車体にかかる力によって、ナットが徐々に緩んでしまう可能性があります。
最初はわずかな緩みでも、走行を続けるうちにガタつきが大きくなり、最悪の場合、走行中にタイヤが外れてしまう「ホイール脱落」という重大な事故を引き起こしかねません。
締め付けが強すぎる場合のリスク
一方で、「緩むのが怖いから」と力任せに強く締め付けすぎることも非常に危険です。過大なトルクは、ホイールを固定しているハブボルトやホイールナットそのものに想定以上の負荷をかけます。
この負荷が金属疲労を招き、ある日突然ボルトが折れてしまう原因となります。特に、オーバートルクによる損傷は目に見えない部分で進行するため、気づいた時には手遅れというケースも少なくありません。
このように、規定トルク値を守ることは、締め付け不足による脱輪事故と、締め付け過多による部品破損の両方を防ぎ、同乗者や周囲の安全を守る上で極めて大切な作業なのです。
新型90系と80系の特徴

ここでは、近年のヴォクシーの中でも特にユーザーが多い新型90系と80系について、タイヤ周りの主要なスペックを見ていきましょう。これらの情報は、ホイールやタイヤを交換する際の基本的な知識となります。
型式 | 主な生産時期 | 規定トルク値 | ホイールナットサイズ | PCD | ハブ径 |
---|---|---|---|---|---|
90系 | 2022年~ | 103N・m | 21HEX | 114.3mm / 5穴 | 60mm |
80系 | 2014年~2021年 | 103N・m | 21HEX | 114.3mm / 5穴 | 60mm |
表を見て分かる通り、新型の90系と、その前のモデルである80系では、基本的な規定トルク値やホイールの取り付け規格に変更はありません。どちらのモデルも、締め付けトルクは103N・m(ニュートンメートル)が指定されています。
80系は、そのスタイリッシュなデザインと使い勝手の良さから中古車市場でも非常に人気が高く、DIYでメンテナンスを行うオーナーも多いモデルです。後継の90系においても、この基本的な仕様が引き継がれているため、80系から乗り換えた方でも同じ感覚でトルク管理が可能です。
ただし、社外品のホイールに交換している場合は、ホイールメーカーが別途トルク値を指定している可能性もあります。基本は車両の規定値を守りつつ、パーツの取扱説明書も併せて確認することが大切です。
70系ヴォクシーのホイールナット
2007年から2014年にかけて販売された70系ヴォクシーも、街中でまだまだ多く見かける人気のモデルです。この世代のヴォクシーのメンテナンスを考えている方も多いでしょう。
70系ヴォクシーのホイールナットに関するスペックも、後継の80系や90系と基本的に同じです。規定の締め付けトルクは103N・m、ホイールナットのサイズ(二面幅)は21HEX(21mm)となっています。
この世代の車両は、年式によってはハブボルトやナットに錆や疲労が蓄積している可能性も考えられます。タイヤ交換の際には、ボルトやナットのねじ山に損傷がないか、スムーズに回るかなどを確認する習慣をつけると、より安全性が高まります。
もし、固着や大きな錆が見られる場合は、無理に力を加えず、専門の整備工場に相談することも検討しましょう。
60系ヴォクシーのナットサイズ
初代モデルにあたる60系ヴォクシー(2001年~2007年販売)は、ミニバンブームを牽引した歴史的なモデルです。年数が経過しているとはいえ、今なお大切に乗られているオーナーもいらっしゃいます。
60系ヴォクシーのホイールナットサイズも、後継モデルと同様に21HEX(21mm)が採用されています。そして、締め付けの規定トルク値に関しても、同じく103N・mが指定されています。ヴォクシーという車種が一貫して同じ規格を採用していることが分かります。
ただし、前述の通り、60系は最も古いモデルとなるため、足回りの部品の経年劣化には特に注意が必要です。自分でタイヤ交換を行う際は、ハブボルトの状態を念入りにチェックし、トルクレンチを使って正確な力で締め付けることが、他のどの世代よりも重要になると考えられます。
安全な作業を!ヴォクシーのタイヤトルクと交換

・ホイールナットの正しい締め付け方
・タイヤ交換で使う工具と準備
・車載ジャッキの収納場所を確認
・ヴォクシーの正しいジャッキポイント
ホイールナットの正しい締め付け方
ホイールナットの締め付けは、タイヤ交換作業における最後の仕上げであり、最も重要な工程の一つです。正しい手順で行わないと、せっかくのトルク管理も意味をなしません。
対角線締め(スターパターン)の基本
ナットを締める際は、必ず対角線上にあるナットを順番に締めていくのが基本です。例えば5穴ホイールの場合、星を描くような順序で締め付けます。時計回りや反時計回りに順番に締めていくと、ホイールがハブの中心からずれたまま固定されてしまい、走行中の振動やハンドルのブレの原因となります。
締め付けの手順
まず、すべてのナットを手で回せるところまで均等に仮締めします。
次に、十字レンチなどの工具を使い、対角線の順でナットが軽く当たる程度まで締めます。この段階ではまだ本締めはしません。
車体を地面に下ろしてから、最終的な本締めを行います。ここでトルクレンチを使用し、規定トルク(103N・m)に設定して、再度対角線の順で「カチッ」と音がするまで締め付けます。
すべてのナットをトルクレンチで締め付けたら作業完了です。
この手順を守ることで、ホイールを車体に均等な力で、かつ中心に正しく取り付けることができます。
タイヤ交換で使う工具と準備
安全でスムーズなタイヤ交換を行うためには、事前の工具の準備が欠かせません。以下に、最低限揃えておきたい基本的な工具を紹介します。
工具名 | 用途・説明 |
---|---|
トルクレンチ | 規定トルク(103N・m)でホイールナットを正確に締め付けるための必須工具。 |
ジャッキ | 車体を持ち上げるための工具。車載ジャッキでも可だが、安定性の高い油圧式フロアジャッキが推奨される。 |
ジャッキスタンド(ウマ) | ジャッキアップした車体を安全に支えるための器具。必ず使用すること。 |
十字レンチ(クロスレンチ) | ホイールナットの仮締めや素早い取り外しに便利な工具。 |
ホイールナットソケット | ヴォクシーには21mmのソケットが必要。薄口タイプや樹脂カバー付きのものがアルミホイールにやさしい。 |
輪止め | ジャッキアップ時に車体の動きを防止するために、対角線上のタイヤに設置。 |
手袋(軍手など) | 作業中の手の保護や滑り止めのために使用。 |
これらの工具を事前に準備し、使い方を理解しておくことで、作業効率が向上するだけでなく、不意の事故を防ぐことにもつながります。
車載ジャッキの収納場所を確認

いざタイヤ交換をしようと思った時に、「ジャッキはどこにあるんだっけ?」と探すことのないよう、事前に収納場所を把握しておくことが大切です。
ヴォクシーの場合、多くのモデルでラゲッジスペース(荷室)のフロア下に車載工具と共に収納されています。80系ヴォクシーを例に挙げると、三列目シートを跳ね上げた状態で見えるラゲッジボックスのカバーを開けると、その下にジャッキやレンチが格納されているスペースがあります。
モデルやグレードによっては収納場所が若干異なる可能性もあるため、一度ご自身の車の取扱説明書で正確な位置を確認しておくと、パンクなどの緊急時にも慌てず対応できるでしょう。取り出し方も含めて、一度シミュレーションしておくことをお勧めします。
ヴォクシーの正しいジャッキポイント

車体を安全に持ち上げるためには、メーカーが指定した「ジャッキポイント」に正しくジャッキを当てなければなりません。
ジャッキポイントは、車体の底を覗き込むと確認できる、補強された部分です。一般的に、前輪側はフロントタイヤの後ろ、後輪側はリアタイヤの前に位置するサイドシル(ドアの下の部分)にあります。
目印として、2つの切り欠きやくぼみがあり、その間にジャッキの先端が収まるように設計されています。
この指定場所以外の、例えばフロアパネルのような平らな部分にジャッキをかけてしまうと、車体の重みでフロアが凹んだり、最悪の場合は突き破ってしまったりする危険があります。また、不安定な場所にかけた結果、ジャッキが外れて車体が落下する事故にもつながりかねません。
作業前には必ず地面に潜り込むなどして、ジャッキポイントの正確な位置を目で見て確認する習慣をつけましょう。
まとめ:ヴォクシーのタイヤトルク管理は必須
・タイヤの締め付けには規定トルク値を守ることが不可欠
・トルクの確認はまず車両の取扱説明書を見る
・締め付け不足は走行中のホイール脱落を招く恐れがある
・締め付け過ぎはハブボルトの破損につながる
・ヴォクシーの規定トルクは多くのモデルで103N・m
・新型90系や人気の80系でも規定トルクは基本的に同じ
・70系や初代60系も同様に103N・mが基準となる
・ホイールナットのサイズは21HEXが一般的
・締め付けは必ず対角線の順序(スターパターン)で行う
・最終的な締め付けにはトルクレンチの使用が最も安全で確実
・作業前には必要な工具をしっかり準備する
・安全のためジャッキアップ後はジャッキスタンドを必ず併用する
・ジャッキポイントは車体のサイドシルにある指定箇所にかける
・タイヤ交換後は100km程度走行した後に増し締め点検を推奨する
・正しい知識と手順で安全なカーライフを維持することが大切
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