日産エクストレイルは、アウトドアから街乗りまで幅広く対応できる人気SUVですが、「エクストレイルの維持費」と検索したあなたが気になるのは、やはり日々のコストではないでしょうか。
本記事では、年間でかかる主な維持費とその内訳からスタートし、車検・税金・燃料代など費用の詳細を丁寧に解説します。
また、同じエクストレイルでもハイブリッド・ディーゼルで違うコスト感があることをご存じでしょうか?さらに、ヴェゼルやCX-5、RAV4といった競合車との維持費比較も行い、「どの車が本当に自分に合っているのか?」という判断にも役立ちます。
付け加えてT30・T31・T32・T33といった型式別に見るコスト差や、車検費用の相場と抑えるポイント、自動車税・重量税の実額と支払時期など、維持に関わるリアルな情報も満載。最後には、維持費を抑えたい人におすすめの購入プランまでご提案しています。
コスト面で損をしないために、まずはこの記事でエクストレイルの維持費をしっかり把握していきましょう。
・エクストレイルの年間維持費の内訳と平均コスト
・車検・税金・燃料代などの支出内容
・ハイブリッド・ディーゼル・型式ごとの維持費
・維持費を抑えるための購入方法や注意点
エクストレイル維持費の全体像と他車との違い

・年間でかかる主な維持費とその内訳
・車検・税金・燃料代など費用の詳細
・ハイブリッド・ディーゼルで違うコスト感
・ヴェゼル・CX-5・RAV4との維持費比較
・中古車はなぜ安い?
・中古購入後にかかる意外な維持コストとは
年間でかかる主な維持費とその内訳
エクストレイルを維持するためには、年間でおよそ24万円から30万円程度のコストがかかります。これは、車種グレードや使い方によって変動するものの、多くのユーザーにとって現実的な目安です。内訳としては、大きく分けて5つの要素が存在します。
それが「税金」「保険」「車検」「燃料費」「メンテナンス・消耗品代」です。
まず「自動車税」は排気量1,497ccであれば年間30,500円が必要です。
これは毎年5月に請求される固定費で、エンジンの排気量が上がればそれに比例して高くなります。次に「保険料」は運転者の年齢や条件により幅がありますが、30代以上のドライバーでゴールド免許を所持している場合、年間で約43,000〜50,000円程度が一般的です。
保険内容を充実させれば当然費用も増えます。
「車検費用」は2年ごとに訪れる大きな支出の一つです。1年あたりで考えると約36,000〜40,000円ほどが平均的で、これには法定費用や整備基本料、検査手数料などが含まれます。
さらに、日常的な使用で発生する「燃料費」は、エクストレイルe-POWERモデルで年間約87,000円前後が想定されます。これは年間走行距離が1万km、ガソリン単価160円/L程度を基準とした場合です。
エクストレイルの年間維持費(目安)一覧表
項目 | 内容・条件例 | 年間費用(目安) | 備考 |
---|---|---|---|
自動車税 | 排気量1,497cc(e-POWER) | 30,500円 | 年1回、5月に納付 |
任意保険料 | 30代・ゴールド免許・車両保険あり | 43,000〜50,000円 | 補償内容で大きく増減 |
車検費用(年換算) | 2年に1回の費用(重量税・自賠責・整備料込み) | 36,000〜40,000円 | 車検時は+8〜10万円の支出が見込まれる場合もあり |
燃料費 | 年間走行距離1万km・燃費16〜18km/L・ガソリン単価160円/L基準 | 約87,000円 | 渋滞・冬季・坂道走行が多いと燃費悪化 |
メンテナンス・消耗品 | オイル・フィルター交換/ワイパー/バッテリー/タイヤ代の積立 | 約10,000円(年平均) | 年によって増減あり(タイヤ交換年は3〜6万円程度見積もり) |
年間総額の目安(合計)
状況 | 年間維持費合計(概算) |
---|---|
通常年(車検なし) | 約24〜28万円程度 |
車検のある年 | 約30〜35万円程度 |
補足ポイント
- エクストレイルは中型SUVの中では標準的な維持費。
- 車検・保険は条件やタイミングで変動が大きいため、余裕ある予算設計が重要。
- タイヤ交換やバッテリー交換が重なる年は**+5〜10万円の突発支出**があり得ます。
最後に「メンテナンス費用」は消耗品の交換や軽微な修理などを含み、おおむね年1万円程度を見積もると無難です。特にタイヤ交換やバッテリー、オイルなどは数年ごとに大きな支出となるため、予備費として計上しておくことが重要になります。
このように、エクストレイルの維持費は一見すると高く感じるかもしれませんが、項目ごとに把握しておくことで無理のない資金計画が立てやすくなります。
車検・税金・燃料代など費用の詳細

エクストレイルを所有する際に避けて通れない支出が「車検」「税金」「燃料代」です。それぞれの項目について具体的に解説していきましょう。
まず「車検」について。エクストレイルはミドルサイズSUVに分類されるため、重量税や整備項目もそれなりに多く、費用もかさみます。
車検費用の平均はおよそ72,000円前後です。これには法定費用(自賠責保険17,650円、重量税約32,800円、印紙代1,800円)と、整備費用を含めた基本料金が含まれます。これらを2年に1度支払うため、年間でならすと36,000円程度と考えられます。
次に「税金」ですが、エクストレイルの排気量(1,497cc)に該当する自動車税は年額30,500円です。
これは毎年5月に納付義務がある固定支出であり、車を所有している限り避けられません。さらに、重量税は車検時にまとめて支払う税金で、車両重量に応じて課税されます。エクストレイルの場合、2年分で約32,800円です。
エクストレイル維持費の主要項目比較表(年額換算)
項目 | 内容・内訳項目 | 支払頻度 | 金額(年間換算) | 備考 |
---|---|---|---|---|
車検費用 | 自賠責保険(17,650円) 重量税(約32,800円) 印紙代・整備代含む | 2年ごと | 約36,000円 | 実際の支払いは約72,000円/2年 |
税金 | 自動車税(排気量1,497cc) ※重量税は車検費に含む | 年1回(5月) | 30,500円 | 所有している限り毎年固定支出 |
燃料代 | 年間走行距離10,000km 燃費18.0km/L想定 ガソリン160円/L | 都度(給油時) | 約87,000〜90,000円 | 渋滞・山道・冬季はさらに燃費低下の可能性あり |
年間支出合計(3大固定費のみ)
区分 | 年間合計費用の目安 |
---|---|
車検+税金+燃料代 | 約153,500〜156,500円 |
補足ポイント
- 燃料費が最大の変動要素:ガソリン単価が180円/Lを超えると、年間+10,000円以上の負担になることも。
- 車検費用は整備内容で上下:ブレーキパッド交換・タイヤ摩耗などが重なると一気に高額に。
- 税金は登録時期によって変わる:13年超えで自動車税・重量税ともに重課の可能性あり。
「燃料代」も忘れてはならない要素です。
WLTCモードでの燃費は18.4〜19.7km/Lとなっており、年間走行距離を10,000kmと仮定すると、およそ86,000円から90,000円程度のガソリン代が必要です。燃料単価が上がると当然コストも跳ね上がりますし、高速道路主体の走行では燃費も落ちやすくなります。
これら3つの固定費だけでも、年間で15万円を超える支出になります。加えて任意保険や消耗品代が発生するため、維持費の計算では最低でも年間24〜30万円を見積もっておく必要があります。
こうした費用の発生タイミングを把握しておくと、家計への負担を分散でき、計画的なカーライフが実現しやすくなるでしょう。
ハイブリッド・ディーゼルで違うコスト感

エクストレイルには、ガソリン車に加えてハイブリッド(e-POWER)やディーゼルモデルといったバリエーションがあります。それぞれの燃料方式によって維持費の性質や金額に大きな違いがあるため、どのタイプを選ぶかは総合的な費用面からも重要な判断材料となります。
まずハイブリッドモデルについてですが、エクストレイルe-POWERは18〜19.7km/Lと比較的高い燃費性能を備えています。ただし、高速道路での燃費効率はガソリン車にやや劣る傾向があるため、長距離移動が多い人にとっては実燃費が伸びにくい点が注意点です。
また、ハイブリッドモデルは車両価格が高めに設定されており、初期費用が増える点もデメリットといえるでしょう。
一方で、ディーゼルエンジン搭載モデル(T31・20GTなど)はトルク性能に優れ、長距離走行において燃費の安定感があります。燃料代の面では軽油がガソリンより安価なことから、結果的にランニングコストを抑えることが可能です。
加えて、ディーゼルは耐久性が高く、10万km以上の走行にも比較的強い点が魅力とされています。ただし、ディーゼル車は排ガス規制や点検項目が多く、メンテナンスにかかるコストは高くなる傾向にあります。
このように、同じエクストレイルでも燃料方式によって維持費のかかり方が大きく変わります。日常的な使い方や走行距離、購入予算などを総合的に考慮したうえで、最適なタイプを選ぶことが重要です。
ヴェゼル・CX-5・RAV4との維持費比較
エクストレイルの購入を検討している人の中には、同クラスのSUVであるヴェゼル、CX-5、RAV4との比較を気にする方も多いでしょう。それぞれの車両はサイズや用途が似ている一方で、維持費には違いがあります。ここでは、各車の年間維持費を比較しながらその差を解説します。
まず、ヴェゼル(ハイブリッドモデル)は燃費性能が非常に優れており、WLTCモードで25〜30km/Lとされています。
そのため燃料費は年間5〜6万円程度に抑えられるケースもあります。加えて排気量が1.5L以下のため、自動車税は30,500円とエクストレイルと同水準ですが、軽量な分だけ重量税や車検基本料が若干安くなる傾向があります。
一方、マツダのCX-5は排気量が2.0〜2.5Lとやや大きく、燃費も12〜14km/L台と控えめです。
その分、自動車税や燃料代が増え、年間維持費は30万円を超えるケースも少なくありません。高級感や走行性能の高さが魅力ですが、維持費の負担を考えると注意が必要です。
ミドルクラスSUV 4車種の年間維持費比較表(目安)
車種名 | 排気量 | 自動車税(年) | 燃費(WLTC) | 年間燃料代(目安) | 車検費(年換算) | 年間維持費合計(概算) | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
エクストレイル | 1.5L(e-POWER) | 30,500円 | 約18.4〜19.7km/L | 約87,000〜90,000円 | 約36,000円 | 約153,500〜156,500円 | 税金・燃料・車検バランス型/運転支援も充実 |
ヴェゼル | 1.5L(HV) | 30,500円 | 約25〜30km/L | 約53,000〜64,000円 | 約30,000円 | 約113,500〜124,500円 | 燃費最強・軽量で車検費も安め |
CX-5 | 2.0〜2.5L | 39,500〜45,000円 | 約12〜14km/L | 約115,000〜133,000円 | 約40,000円 | 約194,500〜218,000円 | 排気量・車重の影響で全体的に高め/走行性能◎ |
RAV4 | 2.0L〜2.5L(HV含) | 39,500〜45,000円 | 約15〜22km/L(HVは優秀) | 約80,000〜120,000円 | 約40,000円 | 約159,500〜205,000円 | 燃費はグレード差が大きい/HVモデルは燃料費抑制効果あり |
特徴まとめ
項目 | 最も有利な車種 | 理由 |
---|---|---|
燃料費 | ヴェゼル | ハイブリッド+軽量ボディで最も低燃費 |
維持費全体 | ヴェゼル(1位)・エクストレイル(2位) | 燃費・税制・整備コストのバランスが取れている |
高級感+走行性能 | CX-5・RAV4 | 快適性・動力性能に優れるが、維持費はやや高め |
維持コスト重視 | ヴェゼル or エクストレイル | 実用性を保ちつつ、税・燃費・整備費が抑えられる |
アドバイス
- 燃費重視・街乗り中心 → ヴェゼル
- 走行安定性・力強さ重視 → RAV4 or CX-5
- トータルバランス重視・万能志向 → エクストレイル
トヨタのRAV4も同様に排気量2.0L以上のモデルが多く、維持費はCX-5と同等かやや高めです。ハイブリッドモデルでは燃費が20km/Lを超えるものもありますが、車両価格や整備費が高くつきやすいという側面があります。
エクストレイルはその中間に位置するコストバランスの車といえます。
燃費はヴェゼルに劣るものの、CX-5やRAV4よりは燃料費が抑えられ、かつ使い勝手も良好です。維持費と性能のバランスを重視するのであれば、エクストレイルは非常に現実的な選択肢となるでしょう。選択にあたっては、ライフスタイルや利用頻度に合わせた比較が欠かせません。
中古車はなぜ安い?

エクストレイルの中古車価格が安く感じられるのは、いくつかの明確な要因が関係しています。まず第一に、中古車市場では「年式」と「走行距離」が価格に大きく影響します。
エクストレイルのようなSUVはアウトドアや長距離移動で使われることも多く、10万kmを超える走行距離の個体も珍しくありません。その結果、年式が新しくても走行距離が長ければ価格は大きく下がります。
次に、モデルチェンジによる「陳腐化」も一因です。エクストレイルはすでにT33型という最新モデルが登場しており、T32以前の旧型車はデザインや機能面で見劣りすると見なされがちです。これにより需要が落ち、価格も下がる傾向にあります。
また、e-POWERのような電動技術の進化によって、ガソリン車や旧型ハイブリッドの相場が相対的に低くなるケースもあります。
さらに、リースアップ車や法人からの放出車が中古市場に多く流通することで、価格競争が激化しやすくなります。これらの車両は比較的整備状態が良くても価格が安く設定されることが多いため、購入者にとっては魅力的に映ります。
ただし、価格の安さだけに目を奪われると、思わぬ整備費用や部品交換費用が発生することもあるため注意が必要です。安さの背景にはそれなりの理由があると理解し、冷静に車両の状態を見極める目が求められます。
中古購入後にかかる意外な維持コストとは
中古のエクストレイルを購入したあとに多くの人が見落としがちな費用があります。
それが「初期整備費用」「部品交換」「タイヤ代」「保証延長費」などの“予想外の維持コスト”です。安く車体を手に入れても、その後の出費がかさむと結局総費用が高くつくということもあります。
特に10万km前後を走行している中古車では、足回りやエンジン関連の消耗部品に劣化が見られるケースが少なくありません。例えば、ブレーキパッド、バッテリー、ファンベルト、エアフィルター、ワイパーゴムなどが購入後すぐに交換時期を迎えることがあります。
それぞれの費用は一見小さいように感じますが、合計すると数万円単位になることがほとんどです。
また、前オーナーが純正以外のカスタムをしていた場合、部品の互換性や劣化によって追加整備が必要になることも。さらには、ディーラー保証が適用外となる中古車もあるため、故障時には全額自己負担となるリスクも抱えることになります。
これを避けるためには、中古購入時に「保証延長」や「整備パック」を選ぶ必要がありますが、それもまた追加費用が発生する原因です。
もうひとつ意外に感じられるのが、タイヤ交換費用です。エクストレイルのようなSUVは18インチ以上のタイヤを装着していることが多く、1本あたりの価格が高め。交換時には4〜8万円かかるケースもあります。
このように、中古車の価格が安い理由には「見えないコストの発生リスク」が含まれていることを覚えておきましょう。
年代・収入別に見るエクストレイル維持費の現実

・年収はいくら必要?維持にかかる家計の負担
・学生や若年層が所有する場合の注意点
・型式別に見るT30・T31・T32・T33のコスト差
・車検費用の相場と抑えるポイント
・自動車税・重量税の実額と支払時期
・維持費を抑えたい人におすすめの購入プラン
年収はいくら必要?維持にかかる家計の負担
エクストレイルを所有するにあたって、「自分の年収で本当に維持できるのか?」と不安に感じる方も多いかもしれません。実際、エクストレイルのようなミドルクラスSUVは、購入費だけでなく維持費もそれなりにかかるため、収入とのバランスをよく考える必要があります。
一般的に車の維持に適した年収の目安としては、「年間維持費×10」が一つの基準とされています。エクストレイルの年間維持費が約30万円と仮定すれば、年収は300万円以上が望ましいといえるでしょう。
ただし、これはあくまで車の維持費に対する目安であり、実際には住宅ローンや家族構成、生活費の割合などによって変動します。
エクストレイル|年収・月収と維持可能性の目安表
項目 | 基準値・前提条件 | 金額目安 | コメント |
---|---|---|---|
年間維持費 | 税金・保険・燃料・メンテ・車検費用など | 約300,000円 | 年収300万円以上が維持の「最低ライン」目安 |
推奨年収(維持費×10) | 維持費30万円 × 10 | 約3,000,000円 | 生活費と並行して余裕を持って維持できるライン |
新車価格(グレード別) | Xグレード:約330万円〜/G:約450万円〜 | 3,300,000〜5,000,000円 | 購入時は頭金 or 長期ローン計画が必要 |
車関連コストの理想割合 | 月収に対する割合:20%以下 | 月5万円以内(手取り25万円想定) | ローン+維持費を含めて月5万円を超えないのが理想 |
ローン返済+維持費(月換算) | 例:ローン月3万円+維持費月2.5万円 | 約55,000円 | 月収25万円以下の場合、やや家計を圧迫する可能性 |
臨時出費の備え | 税金(5月)/車検(2年ごと) | 年間5〜10万円 | ボーナスまたは積立による一時支払い計画が重要 |
年収別おすすめアプローチ
年収目安 | 維持レベルの可否 | 推奨グレード・対策 |
---|---|---|
〜250万円 | △(家計に負担) | 中古・ローン控えめ+維持費積立重視 |
300〜400万円 | ○(標準的に維持可能) | Xグレード中心/ローン月3万円前後が目安 |
500万円以上 | ◎(余裕あり) | Gグレード・装備充実・高年式も選択可能 |
アドバイスまとめ
- 「維持費×10=最低年収」を目安に、年収300万円からが現実的。
- 月々の出費は車関連合計で月収の20%以下に抑えると安心。
- 住宅ローンや子育て世帯の場合は、「ボーナス or 積立対応型」の予算計画がおすすめ。
さらに、エクストレイルは新車価格が300〜500万円前後となるため、ローンを組む場合は月々の返済と維持費を合わせて家計を圧迫しない設計が必要です。理想は、車にかかる費用(ローン+維持費)を月収の20%以下に収めること。
仮に月収が25万円であれば、車にかけられるコストは5万円以下という計算になります。
また、税金や保険料、車検などのタイミングによっては一時的に大きな出費が発生します。これらをボーナスや積立で賄えるかどうかも重要な判断ポイントです。維持費を事前に試算して、余裕のある支払い計画を立てることが、家計を守るための第一歩となります。
学生や若年層が所有する場合の注意点

エクストレイルを学生や20代前半の若年層が所有する場合、特有のリスクや注意点があります。まず最も大きいのが「任意保険料の高さ」です。
若年ドライバーは事故リスクが高いと見なされるため、保険料が非常に高く設定されています。例えば、20歳未満の初回加入者であれば、年間10万円を超えることも珍しくありません。
さらに、エクストレイルは普通車の中でも重量があり、維持費も決して安くありません。
特にガソリン代は、使用頻度によっては月1万円以上かかる可能性があります。アルバイト収入などで賄うには厳しい金額となる場合もあるため、事前に支出をシミュレーションすることが不可欠です。
また、初めての車選びでありがちなのが「見た目や憧れだけで選んでしまう」こと。エクストレイルは高い走行性能を誇る一方で、街乗り中心の生活には少々オーバースペックとなる可能性もあります。
車両本体が中古で安くても、タイヤや部品の交換コストが割高になるケースもあるため、ランニングコストを見落とさないようにしましょう。
さらに注意すべきは駐車場の確保です。都市部では月極駐車場代が高額で、これも維持費に大きく影響します。実家暮らしで駐車場代が不要であれば負担は軽くなりますが、そうでなければ追加で数万円の出費が必要になります。
若いうちにクルマを持つことは生活の幅を広げる反面、金銭的な責任も伴います。初めて車を持つ際は「かかる費用を全部書き出してみる」など、具体的な数字を見える化することが大切です。そのうえで本当に必要かどうかを見極めることが、失敗しない車選びにつながります。
型式別に見るT30・T31・T32・T33のコスト差
エクストレイルは長年にわたり改良が重ねられてきたSUVで、型式によって維持費の構造が大きく異なります。
T30(初代)は2000年から登場し、T31、T32、そして最新のT33へとモデルチェンジが行われてきました。ここでは、それぞれの型式にかかるコストの違いを解説します。
T30およびT31は中古市場でも流通量が多く、購入価格自体は非常に安価です。しかしながら、年式が古いため、整備費や部品交換の頻度が高く、維持費は見た目以上にかかる傾向があります。
例えば10万km超えの車両では、サスペンションやブレーキパーツ、エンジン補機類の劣化が想定され、車検時に10万円以上の整備費が発生することも珍しくありません。
エクストレイル型式別|年間維持費・特徴比較表
型式 | 登場年 | 主な特徴 | 年間維持費目安 | 整備・修理リスク | 保険料傾向 | 燃費(実燃費)目安 | コメント |
---|---|---|---|---|---|---|---|
T30(初代) | 2000〜2007年 | ガソリン車/中古価格が非常に安い | 約25〜32万円 | 高(10万km超で部品劣化多数) | 低(車両価値が低いため) | 約8〜10km/L | 初期費用は安いが整備代が高騰しやすい |
T31(2代目) | 2007〜2013年 | ディーゼル仕様あり/4WD多い | 約26〜34万円 | 中〜高(ブッシュ・補機類等) | 低〜中 | 約9〜12km/L | 重量あり・燃費控えめ/中古車でも整備前提で考える必要あり |
T32(3代目) | 2013〜2022年 | ハイブリッド・e-POWERあり/安全装備充実 | 約27〜35万円 | 中(電装系トラブル注意) | 中 | 約13〜17km/L | 電子制御装備が多く、部品交換費が高くなる可能性あり |
T33(4代目) | 2022年〜現在 | e-POWER専用/保証期間が長く維持しやすい | 約28〜36万円 | 低(保証内が多い) | 中〜高(新車補償価値) | 約15〜18km/L | 最新装備・安全性◎だが、保険料・初期費用はやや高め |
トータルコストとリスクのバランスまとめ
優先項目 | おすすめ型式 | 理由 |
---|---|---|
初期費用重視 | T30・T31 | 車両価格は安いが、修理代に注意が必要 |
燃費重視 | T32ハイブリッド or T33 | 維持費を燃料代で抑えやすい/走行距離が多い人向け |
整備コスト回避 | T33(保証期間中) | 新しさとメーカー保証で不意の出費を抑えやすい |
保険料重視 | T30・T31 | 車両価格が安いため、車両保険を付けずに保険料を抑える手もあり |
アドバイス
- 走行距離が多い方は燃費の良いT32後期〜T33を推奨。
- 予算重視の方はT31でも可だが、整備履歴が明確な車両選びが必須。
- ローン購入や新車検討なら、T33で保証の安心感を得る方が長期的には安全。
一方、T32は2013年に登場した3代目で、e-POWER搭載モデルやハイブリッド仕様も用意されました。
これにより燃費性能は向上しましたが、電装部品の故障リスクや高額修理の可能性も出てきます。また、4WD仕様ではタイヤ交換費も高額になるため、ランニングコスト全体が中程度〜やや高めです。
T33は2022年以降の最新モデルで、燃費性能・静粛性・安全装備が大幅に進化しています。
購入価格は高めですが、保証が残っている期間が長いため、予期せぬ修理費が抑えられやすい点がメリットです。とはいえ、最新モデルだけに自動車保険料は割高になる傾向があり、任意保険の見積もりは事前確認が必要です。
このように、どの型式も一長一短があり、初期費用だけでなくトータルコストで比較することが重要です。
車検費用の相場と抑えるポイント

エクストレイルの車検費用は型式や使用状況によって差はありますが、平均的には6万〜10万円程度が相場とされています。
車検時にかかる費用は「法定費用」と「整備費用」に分けられ、前者には自賠責保険料・重量税・印紙代などが含まれます。例えば、自賠責保険は約17,650円、重量税は車重によって異なりますが、エクストレイルの場合は24,600円前後が一般的です。
整備費用については、車の年式が新しければ大きな負担はない一方で、5年以上経過した車両では部品の交換や調整作業が増えるため、費用が跳ね上がることもあります。特にブレーキパッド、タイヤ、バッテリーなどの消耗品交換が重なると、10万円を超えることも珍しくありません。
費用を抑えるためには、まずは「整備付き車検」ではなく「ユーザー車検」や「格安車検サービス」を検討するのも一つの方法です。ただし、安さ重視の車検では安全性にかかわる整備が省略されることもあるため、信頼できる業者を選ぶことが大切です。
また、車検前にディーラーや整備工場で無料点検を受けておくことで、交換が必要な部品を事前に把握し、費用の見積もりも可能になります。定期的なメンテナンスを怠らないことで、結果的に車検時の出費を抑えることができるのです。
自動車税・重量税の実額と支払時期
自動車を維持する上で、毎年・隔年で必ず発生するのが「自動車税」と「重量税」です。
エクストレイルは排気量1.5Lクラスに該当するため、自動車税の年額はおおよそ30,500〜39,500円となります。これは毎年4月1日時点の所有者に対して課税され、5月上旬に納付書が届きます。支払い期限は5月末までが一般的で、都道府県によって異なる場合があります。
重量税は車検の際に2年分をまとめて支払う仕組みです。
エクストレイルのような1.5トン〜2.0トンクラスの車両であれば、2年で約24,600円の負担となります。車両の重量やエコカー減税の対象かどうかによっても額が変動するため、車検時の見積もりで正確な金額を確認しておきましょう。
エクストレイル|自動車税・重量税の概要比較表
税目 | 対象・条件 | 支払い時期 | 金額(目安) | 支払い頻度 | 主な注意点 |
---|---|---|---|---|---|
自動車税 | 排気量1,497cc(T33 e-POWERなど) | 毎年4月1日現在の所有者 | 年額:30,500円 | 毎年(5月納付) | 延滞で延滞金加算・車検不可の可能性あり |
排気量1,997cc(T32 2.0L) | 年額:36,000〜39,500円 | 排気量アップで税額も上昇 | |||
重量税 | 車両重量1.5〜2.0トン未満 | 車検時に2年分まとめて | 2年分:24,600円 or 32,800円 | 隔年(車検時) | エコカー対象なら軽減/13年超で**増税(34,200円以上)**の可能性 |
補足:節約・管理のポイント
管理のヒント | 解説 |
---|---|
月割で積立て準備 | 自動車税:30,500円 ÷ 12ヶ月 ≒ 2,541円/月で準備できる |
オンライン納付の活用 | 多くの自治体で口座振替・PayPay・クレカ納付が可能、延滞防止に効果的 |
13年以上経過車両の増税に注意 | 年式の古いT30・T31型は**重課(15%前後)**が適用される可能性がある |
車検前の事前見積りで重量税を確認 | エコカー減税対象・初年度登録により税額が変わるため、見積もりの事前チェックが重要 |
合計の参考目安(T33型・標準車の場合)
| 年間換算の合計税額目安 | 自動車税30,500円 + 重量税12,300円(2年割) = 約42,800円/年 |
これらの税金は、「延滞するとペナルティがある」という点も見逃せません。
自動車税の支払いを怠ると延滞金が加算され、車検も受けられなくなる場合があります。また、口座振替やクレジットカード支払いが可能な自治体も増えているため、支払い忘れ防止にはこうした手段を活用すると良いでしょう。
なお、エクストレイルのようにミドルクラスの車両は、税金だけでも年間4万円程度がかかります。これを見越して月割で積み立てておくと、支払い時の家計負担を軽減できます。
維持費を抑えたい人におすすめの購入プラン

維持費をできるだけ抑えてエクストレイルを所有したいと考える人にとって、購入方法の選択は非常に重要です。近年注目を集めているのが「カーリース」や「残価設定型ローン」といったプランで、これらを活用することで月々の出費を一定に抑えやすくなります。
たとえば、日産の提供する「おまとめプラン」は、車両代だけでなく税金・車検・メンテナンス・消耗品の交換費用まで月額に含まれており、突発的な支出のリスクを減らせます。こうしたプランは予算管理がしやすいため、家計への影響を最小限に抑えることができます。
また、「残価設定型ローン」を利用することで、月々の支払い額を抑えつつ新車に乗ることも可能です。
この方法では数年後の車両価値(残価)をあらかじめ設定し、差額分を分割で支払います。残価分を据え置く形になるため、月々の負担が軽減される仕組みです。ただし、走行距離や車両の状態によっては、残価保証が受けられないケースもあるため注意が必要です。
維持費を安定化させるもう一つの方法は、中古車購入後の「延長保証」や「定期整備パック」の利用です。これにより、予期せぬ故障や部品交換の際にもコストを一定に保てるため、トータルでの支出計画が立てやすくなります。
このように、車両価格だけに目を向けるのではなく、月々のランニングコストを含めたプラン選びをすることで、維持費の圧縮が可能になります。購入方法そのものを見直すことが、賢いカーライフへの第一歩です。
まとめ:エクストレイルの維持費について

・年間のエクストレイル維持費はおおよそ24万〜30万円程度
・維持費の主な内訳は税金・保険・車検・燃料費・消耗品代
・自動車税は排気量1,497ccで年額30,500円
・車検は2年ごとで平均72,000円、1年あたり36,000円前後
・燃料費は年間10,000km走行で約86,000〜90,000円
・ハイブリッドは燃費性能が高いが初期費用が高め
・ディーゼルは燃料単価が安く長距離向きだが点検コストが高い
・ヴェゼルは燃費が優秀で維持費が比較的安い
・CX-5やRAV4は排気量が大きく維持費も高め
・中古のエクストレイルは走行距離や型落ちで価格が安い
・中古車は初期整備費や部品交換費用がかかる可能性がある
・年収300万円以上が維持の目安であるとされる
・若年層は任意保険料が高く維持が困難な場合もある
・型式によって故障リスクや部品価格に差がある
・維持費を抑えるにはカーリースや残価設定ローンの活用が有効
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