ヴェゼルの購入を検討している方の中には、馬力について検索し、性能面を重視した比較や選び方を知りたいと考える人が多いはずです。
そこで、本記事では、新型は何馬力なのか、また、ハイブリッドとガソリンの違いといった基本的なポイントから詳細なスペックを解説していきます。
また、それぞれのグレードの馬力の違いをはじめ、4WDモデルの馬力と燃費のバランスやRSハイブリッドの性能をチェックすることで、使用環境に合った最適な車種選びにも役立つ情報を掲載しています。
さらに、RU1・RU3型の出力や、RV5型のエンジン性能と進化のポイントなど、歴代モデルとの比較も取り上げ、システム出力とエンジン出力の違いについてもわかりやすく解説。ヴェゼルのパワーに関するあらゆる疑問に応える構成となっています。
- ヴェゼルのグレードごとの馬力やトルク性能の違い
- ハイブリッド(e:HEV)とガソリンモデルの出力構成と特徴
- 他車(プリウス・フィット・カローラクロスなど)とのパワー比較
- 馬力アップの方法や中古購入時のグレード選びのポイント
ヴェゼルの馬力の基本スペックを解説

・新型は何馬力?ハイブリッドとガソリンの違い
・e:HEVのシステム最高出力と特徴
・1.5Lエンジンの最高出力とトルク性能
・GとZの馬力の違いとは?
・4WDモデルの馬力と燃費のバランス
・RSハイブリッドの性能をチェック
・RU1・RU3型の出力はどれくらい?
・RV5型のエンジン性能と進化のポイント
・システム出力とエンジン出力の違い
新型は何馬力?ハイブリッドとガソリンの違い
新型ヴェゼルの馬力を知りたい方にとって、最も気になるのは「ハイブリッドとガソリンで何が違うのか」という点ではないでしょうか。実際、エンジン構造やシステムの違いによって、出力性能は大きく異なります。
項目 | e:HEV(ハイブリッド) | G(ガソリン) |
---|---|---|
エンジン型式 | 1.5L 直列4気筒 DOHC i-VTEC(LEC-H5) | 1.5L 直列4気筒 DOHC i-VTEC(L15Z) |
最高出力(PS) | 106 PS + モーター 131 PS(96kW) | 118 PS(87kW) |
最大トルク(Nm) | 127 Nm + モーター 253 Nm | 142 Nm |
ハイブリッド | e:HEV(2モーターハイブリッド) | なし |
システム出力(PS) | 約150 PS 相当(公表なし) | 118 PS(エンジンのみ) |
特徴 | モーター主体の加速で力強く静かに走れる | 軽快な加速とコストパフォーマンス重視 |
燃費(WLTC) | 最大26.0km/L(FF) | 約15.0km/L(FF) |
このように、カタログ上の数値で比較すると、ガソリン車の方がエンジン出力は高めに見えますが、実際の走行ではモーターのトルクによる加速力が優れるハイブリッド車の方がパワフルに感じる場面もあります。どちらを選ぶかは、使用環境や求める走行性能によって異なります。
e:HEVのシステム最高出力と特徴

ヴェゼルのハイブリッドモデル「e:HEV」は、ホンダが独自開発した2モーターハイブリッドシステムを採用しています。このe:HEVシステムの特徴は、「エンジンで走る」というよりも「モーターで走る」ことを前提とした構造で、他社のハイブリッドとは一線を画しています。
システム全体での最高出力は、モーターが131PS(96kW)、トルクは253Nmと非常に高い値を記録しています。これはエンジン車では得られない低速からの力強い加速を可能にし、特にストップ&ゴーが多い市街地で威力を発揮します。
また、e:HEVは3つの走行モードを自動で切り替えるのが特長です。バッテリーのみで走行するEVモード、エンジンで発電しモーターで駆動するハイブリッドモード、そして高速走行時にエンジン直結で走るエンジンモードの3種類が切り替わり、走行状況に応じて最も効率の良い駆動を選択します。
さらに、PCU(パワーコントロールユニット)を水冷化し、スイッチング効率を向上。バッテリーも高密度なリチウムイオン電池を採用し、省スペース化と高出力化を同時に実現しました。こうした技術の結集により、e:HEVは静粛性、加速性能、燃費性能の全てにおいて優れたバランスを持っています。
1.5Lエンジンの最高出力とトルク性能
ヴェゼルに搭載されている1.5Lエンジンは、ガソリン車・ハイブリッド車ともにホンダ独自のDOHC i-VTEC技術を用いた新開発エンジンです。ただし、ガソリンモデルとハイブリッドモデルでは、同じ排気量ながら仕様が異なります。
項目 | G グレード(ガソリン) | e:HEV(ハイブリッド) |
---|---|---|
エンジン型式 | 1.5L 直列4気筒 DOHC i-VTEC(L15Z) | 1.5L 直列4気筒 DOHC i-VTEC(LEC-H5) |
最高出力(PS) | 118 PS(87kW)/6600rpm | 106 PS(78kW)/6000–6400rpm |
最大トルク(Nm) | 142 Nm/4300rpm | 127 Nm/4500–5000rpm |
モーター出力(PS) | なし | 131 PS(96kW)/4000–8000rpm |
モータートルク(Nm) | なし | 253 Nm/0–3500rpm |
吸気方式 | ポート噴射方式 | アトキンソンサイクル |
特徴 | 吸気効率とスムーズな出力が魅力 | 発電重視+高トルクモーター駆動 |
実用性 | 街中・郊外に最適な扱いやすさ | 発進・加速に優れたパワー感 |
このように、エンジンの数値性能だけでは語れないのがヴェゼルのパワートレイン。特にトルク性能に注目すると、ハイブリッドの瞬発力はガソリン車にはない魅力です。
GとZの馬力の違いとは?

ヴェゼルには複数のグレードが用意されていますが、その中でも「G」と「Z」はパワートレインが異なるため、馬力の違いが明確です。
項目 | G グレード (ガソリン) | Z グレード (e:HEV ハイブリッド) |
---|---|---|
エンジン型式 | 1.5L 直列4気筒 DOHC i-VTEC (L15Z) | 1.5L 直列4気筒 DOHC i-VTEC (LEC-H5) |
最高出力(PS) | 118 PS(87kW)/ 6600rpm | 106 PS(78kW)/ 6000-6400rpm |
最大トルク(Nm) | 142 Nm / 4300rpm | 127 Nm / 4500-5000rpm |
モーター出力(PS) | なし | 131 PS(96kW)/ 4000-8000rpm |
モータートルク(Nm) | なし | 253 Nm / 0-3500rpm |
トランスミッション | CVT | 電気式無段変速機 |
駆動方式 | FF / 4WD | FF / 4WD |
特徴 | 軽快な走行性能と燃費のバランス | モーターによる力強い加速と高トルク |
走行特性 | 操作性が良くスムーズな加速 | 加速力が強く、雪道や悪路に強い |
なお、装備面でも「Z」は上位グレードとして充実しており、安全支援機能や快適装備も標準装備が多め。価格差はありますが、その分、性能と装備においてしっかりとした差別化がされています。
このように、馬力だけでなくモーター性能や装備を総合的に見たとき、「G」はコストパフォーマンスを重視する方に、「Z」は走行性能や快適性を求める方に向いていると言えます。
4WDモデルの馬力と燃費のバランス
ヴェゼルの4WDモデルは、雪道や悪路走行に対応するために設計された実用性の高い仕様です。しかし、多くの方が気になるのは「4WDにすると馬力や燃費はどう変わるのか」という点ではないでしょうか。
まず馬力に関しては、e:HEV Zなどのハイブリッド4WDでも131PSというモーター出力は2WDと変わりません。一方で車両重量が重くなるため、加速感やレスポンスには若干の違いが出てきます。
燃費については、WLTCモードでFFモデルが26.0km/Lに対し、4WDモデルでは21.5km/Lと、概ね4~5km/Lの差があります。これはリアルタイムAWDの駆動方式が追加されたことによる機構的な重さと、走行抵抗の増加が影響しています。
それでも4WDの安定性や安心感は、雪国や山間部では大きなメリットです。特にヴェゼルの4WDは電子制御によって前後輪の駆動配分をリアルタイムで最適化し、滑りやすい路面でもしっかりグリップを確保します。
したがって、燃費と馬力のバランスを考える場合、日常の使用環境がどこにあるかが選択の鍵となります。
RSハイブリッドの性能をチェック

ヴェゼルRSハイブリッドは、スポーティな外観とともに、走行性能を重視した特別仕様車として多くの注目を集めました。ハイブリッドモデルでありながら、力強い加速感と安定性のある足回りが特徴で、他のグレードとは一線を画すパフォーマンスが魅力です。
搭載されているパワーユニットは、基本的に他のe:HEVモデルと同様に131PSのモーター出力を持ちつつ、専用のサスペンションチューニングや18インチホイールを採用することで、ワインディングや高速道路での走行安定性を高めています。
さらに、ステアリングフィールや減速制御も専用調整が施されており、ドライバーの操作に対する反応性がより鋭くなっています。その結果、一般的なハイブリッド車にありがちな「アクセルを踏んでも遅れる感覚」が抑えられ、ダイレクトな走りを体感できます。
燃費性能は若干落ちるものの、WLTCモードで約23~24km/Lを記録。日常使いにも十分な低燃費を維持しています。RSハイブリッドは「環境性能と走行性能を両立したい」という方に非常におすすめできるグレードです。
RU1・RU3型の出力はどれくらい?
初代ヴェゼルとして登場したRU1・RU3型は、現在の2代目モデルと比較されることの多い存在です。型式RU1はガソリンモデル、RU3はハイブリッドモデルに対応しており、それぞれ異なるパワートレインを搭載していました。
項目 | RU1型 | RU3型 |
---|---|---|
エンジン型式 | 1.5L 直列4気筒 DOHC i-VTEC | 1.5L 直列4気筒 DOHC i-VTEC |
最高出力(PS) | 132 PS | 110 PS + モーター 29.5 PS (22kW) |
最大トルク(Nm) | 155 Nm | 134 Nm + モーター 160 Nm |
ハイブリッドシステム | なし | SPORT HYBRID i-DCD |
システム出力(PS) | – | 約139.5 PS |
特徴 | 高回転型の特性で軽快な走りが可能 | モーターアシストで力強い加速を実現 |
燃費性能 | ガソリンエンジンのみ | ハイブリッドにより燃費性能が向上 |
初代モデルは軽量ボディとパワフルなエンジンによるバランスの良さが特徴で、今でも中古市場で一定の人気を維持しています。現行モデルと比較するとテクノロジーの進化はありますが、コストパフォーマンスを重視する方には検討の価値がある世代です。
RV5型のエンジン性能と進化のポイント

RV5型は、2021年にフルモデルチェンジされた2代目ヴェゼルの型式のひとつで、主にハイブリッド仕様車「e:HEV X」「e:HEV Z」などに採用されています。このRV5型では、ハイブリッド専用のLEC-H5型エンジンを搭載し、先代から大きく進化した点が複数あります。
まずエンジン出力は106PS、トルクは127Nmと控えめですが、これはあくまで発電専用の特性であり、実際の駆動はモーターが中心。モーターは131PS・253Nmを発揮し、これによりレスポンスの良い加速を実現しています。特にストップ&ゴーが多い都市部で、そのスムーズさは大きな魅力となります。
また、RV5型ではパワーコントロールユニット(PCU)の冷却性や出力密度を向上させたことにより、効率的な電力供給が可能になりました。これによって燃費性能も優れており、WLTCモードでは26.0km/Lという数値を記録しています。
前述の通り、トランスミッションは電気式無段変速機を採用し、ステップアップシフト制御などによりドライバーの体感する走りもより自然になりました。RV5型はまさに、次世代ハイブリッドの性能を体現したモデルと言えます。
システム出力とエンジン出力の違い
車のスペックを見る際に、「エンジン出力」と「システム出力」の違いがわかりにくいと感じたことはありませんか?とくにハイブリッド車では、この2つの数値がそれぞれ記載されており、混乱しやすいポイントです。
エンジン出力とは?
内燃機関単体が発揮できる最大のパワーを示しています。たとえば新型ヴェゼルのe:HEVに搭載されているエンジンは、106PS(78kW)というスペックです。これはあくまで、モーターを除いたエンジンだけの性能を表した数値になります。
システム出力とは?
エンジンとモーターの双方が協調して発生させる最大出力のこと。ただし、両者の出力を単純に足し合わせることはできません。なぜなら、モーターとエンジンが同時にピーク出力を発揮するとは限らず、制御の関係で最適化された合算出力となるからです。
実際、ヴェゼルe:HEVのシステム出力は公式には公表されていないものの、走行体感としては150PS前後に相当すると言われています。つまり、エンジン出力はあくまで一部の指標であり、実際の走行性能を判断するにはシステム出力の考慮が不可欠です。
この違いを理解しておくことで、スペック表の見方がより明確になり、クルマ選びにおいても的確な判断ができるようになります。
ヴェゼルの馬力の比較と評価ポイント

・プリウスとのパワー比較
・フィットとの差はどこにある?
・カローラクロスとどちらが速い?
・ターボ仕様やツーリングモデルの馬力は?
・旧型と新型のパワーの違いを検証
・パワー不足を感じるのはどんな場面?
・馬力アップは可能?チューニングの選択肢
・中古を選ぶならどのグレードが最適?
・マイナーチェンジでの馬力の変化点
プリウスとのパワー比較
ヴェゼルとプリウスは、ハイブリッド車としての立ち位置やサイズ感が似ており、比較検討されることも多い2台です。両者の違いを理解するには、まずシステム出力の違いに注目する必要があります。
現行のプリウス(シリーズパラレルハイブリッド仕様)は、システム出力で約140PSを発揮し、軽量ボディと低重心設計により、加速感にも優れています。
一方、ヴェゼルe:HEVのモーター出力は131PSで、エンジンと合わせたシステム出力は公表されていないものの、概ね150PS前後と推定されます。
ただし、車重がプリウスより重い分、数値ほどのパワフルさは感じにくいかもしれません。加えてヴェゼルはSUVとして設計されており、加速性能よりも安定感やトルク感が重視されています。
したがって、加速性能だけを重視するならプリウスに軍配が上がる一方、悪路や雪道での走破性、街中での安定感を求めるのであればヴェゼルが適しています。それぞれの車が目指すキャラクターが異なるため、単純な馬力比較よりも、使用シーンに合わせて選ぶことが大切です。
フィットとの差はどこにある?

ホンダ車の中でも、フィットとヴェゼルは共通のe:HEVシステムを採用しているため、パワートレインの基本構成は非常に似ています。しかしながら、実際の走行フィーリングや出力特性には明確な違いがあります。
フィットのe:HEVは軽量なコンパクトカー向けに最適化されており、システム出力は約109PS程度、モーター出力は約80kW(109PS)です。
これに対してヴェゼルはより大きく重いSUVであるため、同じ1.5Lアトキンソンサイクルエンジンをベースにしながらも、モーター出力を131PSまで高め、トルクも253Nmと強化され、パワーコントロールユニットの冷却性能や昇圧ユニットなども改良されており、効率性も向上しています。
さらに、ヴェゼルではリアルタイムAWDを搭載した4WDモデルも選択可能で、雪道や山道でも安定した走行が可能です。
つまり、日常の軽快さや価格重視であればフィット、より高い出力や走破性、室内空間の広さを求めるならヴェゼルが向いています。パワーだけでなく、車としての完成度と使用目的の違いを踏まえると良いでしょう。
カローラクロスとどちらが速い?
カローラクロスはトヨタが展開する人気のSUVであり、ホンダのヴェゼルと非常に比較されやすいモデルです。両者ともにハイブリッドシステムを採用しており、静粛性や燃費、環境性能に優れていますが、加速性能においては違いが見られます。
カローラクロスのハイブリッドモデルでは、システム最高出力が122PS(旧型)~140PS(新型)程度となっており、1.8Lのエンジンにモーターを組み合わせたパワートレインを搭載しています。
一方でヴェゼルe:HEVは、1.5Lのアトキンソンサイクルエンジンと131PSのモーターで、瞬発的なトルク性能に優れています。
トヨタのハイブリッドは、滑らかな加速を得意とする一方、ヴェゼルはより電動感のある強いトルクで加速します。0-100km/hの加速では数値に大きな差はないものの、ヴェゼルの方が低速域でのレスポンスが鋭く感じられる傾向があります。
ただし、カローラクロスは高剛性プラットフォーム「TNGA」を採用し、高速安定性ではやや優位です。したがって、街乗り重視ならヴェゼル、高速走行や長距離ドライブ重視ならカローラクロスという選び方も一つの案です。
ターボ仕様やツーリングモデルの馬力は?

ヴェゼルのラインナップには、かつて「ツーリング」と呼ばれるターボ仕様車が設定されていました。このモデルは1.5L直噴VTECターボエンジンを搭載し、最高出力172PS、最大トルク220Nmという、自然吸気エンジンでは得られないパワフルな走行性能が魅力でした。
ツーリングモデルは、街中の走行はもちろん、高速道路やワインディングロードでも優れた加速力を発揮し、よりダイナミックなドライビングを楽しみたいユーザーから高い支持を集めていました。アクセルを踏み込んだ瞬間にグッと前に出る感覚は、ハイブリッドモデルにはない爽快さがあります。
ただし、燃費性能ではe:HEVに劣り、WLTCモードで17.6km/L前後となっており、価格帯もやや高めで、税制優遇の対象外であった点も検討材料となります。
現在、ツーリングは新型モデルでは廃止されており、ハイブリッドe:HEVに一本化されています。パワー感を最優先する方にとっては選択肢の一つでしたが、今後は電動化技術の進化に伴い、同等以上のパフォーマンスを持つハイブリッド仕様に注目が集まっています。
旧型と新型のパワーの違いを検証
初代ヴェゼル(RU型)と新型ヴェゼル(RV型)を比較すると、パワーの出力構成やその制御方法に大きな進化が見られます。
旧型RU3型のハイブリッドには、SPORT HYBRID i-DCDという1モーターのハイブリッドシステムが搭載され、システム出力は139.5PS程度でした。モーターとエンジンの切り替えが少々粗く、加速時の違和感を感じる声もあったのが事実です。
一方で、新型RV5型では2モーター式のe:HEVを採用。駆動用と発電用を分けたシステムで、主にモーター走行が主体となり、レスポンスの良い加速と高い静粛性を実現。
エンジン単体の出力はやや低め(106PS)に設定されていますが、モーター出力131PS・トルク253Nmにより、総合的なパフォーマンスは旧型を大きく上回ります。
また、新型はPCUの進化や電動CVTによる滑らかな変速制御が加わり、乗り心地や扱いやすさの点でも優れています。
こうしてみると、馬力の数値以上に、走行性能全体が大きく改善されたことが分かります。現在ヴェゼルを検討している方は、ぜひこの「走りの質」の変化にも注目して選ぶと良いでしょう。
パワー不足を感じるのはどんな場面?

新型ヴェゼルにおいて「パワー不足」を感じるとしたら、それは主に登坂時や高速道路での合流・追い越しといった場面です。
特にガソリン仕様の「G」グレードは、最高出力118PS、最大トルク142Nmというスペックですが、車両重量が1,320kgとやや重いため、アクセルを踏み込んでも力強さに欠けると感じることがあります。
例えば、高速の合流では加速の余裕がなく、他車との速度差が生じやすくなります。また、家族4人で荷物を積んで山道を登るようなシーンでは、エンジンの唸り音が先行し、思ったようにスピードが上がらないと感じるかもしれません。これはNA(自然吸気)エンジン特有の特性とも言えるでしょう。
一方、e:HEVモデルではモーターが低回転から強力なトルク(253Nm)を発揮するため、発進時や市街地ではむしろ力強く感じます。ただし、モーター主体の走行ゆえに高回転域の伸びには限界があり、高速巡航時の追い越し加速では物足りなさを感じる人もいます。
つまり、ヴェゼルのパワー感に満足できるかどうかは、どのような運転シーンを主とするかによって変わります。街乗り中心なら不満は少ないですが、高速や登坂が多いなら注意が必要です。
馬力アップは可能?チューニングの選択肢
ヴェゼルの馬力をアップさせたいと考える方は少なくありませんが、実際にできるチューニングにはいくつかの方法があります。ただし、車種の性質や構造上、大幅な出力アップには限界があることを理解しておく必要があります。
まず、ガソリンモデル(L15Zエンジン)においては、吸排気系パーツの交換が比較的容易な方法です。エアクリーナーやマフラーの交換により吸排気効率を向上させ、若干のパワーアップやレスポンス改善を狙うことができます。
また、ECU(コンピューター)の書き換えも有効で、スロットルレスポンスや燃調マップの最適化により体感的な加速感を向上させることが可能です。
一方、e:HEVモデルはハイブリッドシステムの制御が非常に複雑なため、エンジン出力を直接いじることは困難です。また、モーター制御の書き換えやバッテリー出力制御の変更は高度な知識とリスクを伴うため、一般ユーザー向きとは言えません。
サスペンションの変更やタイヤのアップグレードといった「走りの質」を高めるチューニングであれば、全モデルに対応可能で、馬力に頼らず走行性能を引き上げるアプローチとしておすすめです。パワーだけに頼らないバランスの取れたチューニングが、ヴェゼルには適しています。
中古を選ぶならどのグレードが最適?

ヴェゼルの中古車を検討する際、どのグレードを選ぶかは用途や予算によって異なりますが、最もバランスの取れた車種として人気なのが「e:HEV Z」です。このグレードは、ハイブリッドの中でも装備と価格のバランスが良く、シートヒーターや電動テールゲートなどの快適装備を標準で備えています。
「G」グレードは価格の安さが魅力ですが、ガソリンモデルであるため燃費や静粛性ではハイブリッドに劣ります。また、装備面でも必要最低限にとどまっているため、快適性を重視する人には物足りないと感じるかもしれません。一方、走行距離が少ない車両であればコスパ重視の車種として成立します。
一方、「e:HEV PLaY」は装備が非常に充実しており、パノラマルーフや専用内装といったプレミアム感がありますが、その分価格も高めで、中古市場でも希少です。街乗り中心でそこまでの装備を必要としない場合は「e:HEV Z」が最適となるでしょう。
また、4WDが必要かどうかでも選ぶグレードは変わってきます。雪道や山道での走行が多い地域では、AWD対応の「e:HEV Z 4WD」が適しています。中古車は状態や装備の違いも大きいため、しっかり試乗し、信頼できる店舗で選ぶことが大切です。
マイナーチェンジでの馬力の変化点
2021年にフルモデルチェンジした2代目ヴェゼルは、従来の「i-DCD」ハイブリッドから「e:HEV」へと刷新され、パワートレインの構造が大きく変わりました。では、マイナーチェンジのタイミングでは馬力に変化があったのでしょうか?
現時点で行われたマイナーチェンジ(装備の一部改良や機能追加)では、馬力そのものに大きな変更はありません。e:HEVモデルでは、エンジン出力は106PS、モーター出力は131PSのまま維持されています。トルク値や走行性能に関しても、基本的なパワー特性に変更はないようです。
ただし、一部の改良ではパワーコントロールユニット(PCU)の制御が見直されたり、燃費向上のためのチューニングが加えられるなど、細かな最適化は行われています。これにより、体感的なスムーズさや静粛性が向上しているという声もあります。
ガソリンモデルに関しても、最高出力118PS、最大トルク142Nmというスペックは据え置きです。従って、「マイナーチェンジで馬力が上がった」と期待するユーザーにとっては、大きな変化は見られないと考えてよいでしょう。
馬力の向上を求めるのであれば、次回のフルモデルチェンジや、スポーツ志向の新グレード追加に期待するのが現実的かもしれません。
ヴェゼルの馬力に関するまとめ
・新型ヴェゼルのハイブリッドはモーター出力131PSで加速力に優れる
・ガソリン車「G」グレードは118PSで日常使いに十分な性能
・e:HEVはエンジンが発電用、走行はモーター主体で行われる
・システム出力はエンジンとモーターの協調出力で走行性能を決める
・ハイブリッド「Z」はモーターの高トルクで登坂や加速に強い
・4WDモデルは燃費がやや劣るが安定走行に優れる設計
・RSハイブリッドは足回り強化でスポーティな走りを実現
・旧型RU3はシステム出力約139.5PSのi-DCDを搭載
・RV5型では電動制御や冷却性能が進化しレスポンスが向上
・GとZの違いは出力だけでなく装備や駆動方式にも表れる
・プリウスと比べると低速トルクではヴェゼルに軍配が上がる
・フィットと比べるとヴェゼルは出力・トルクともに上位
・カローラクロスとの比較では街乗りレスポンスで勝る
・ツーリングモデルは172PSのターボでハイパワーだった
・マイナーチェンジ後も馬力の数値は基本的に変化なし
・ヴェゼルのマイナーチェンジはいつ行われた?新旧モデルの違いを比較
・ヴェゼルの旧型はかっこいい?人気の理由や評価・欠点を分析
・ヴェゼルの内装をおしゃれにカスタムする方法と旧型・新型の違い
・ヴェゼルは何人乗り?5人乗りの快適性と車内スペースの広さを検証
・ヴェゼルの最低地上高を比較!4WD・2WD・グレード別に紹介