SUVとしての万能性と日常使いの快適さを兼ね備えた日産エクストレイル。
街乗りからアウトドアまで幅広く活躍するその実力に惹かれて、「エクストレイルの評価」と検索する人も少なくありません。ただ、新型T33型やe-POWER搭載車の登場、さらにはハイブリッド4WDモデルの進化などにより、選ぶべき型式やグレードが複雑になっているのも事実です。
本記事では、新型エクストレイルの特徴と注目ポイントから、T32型とT33型の進化の違い、e-POWER搭載車の実燃費評価、ハイブリッド4WDの走破性能まで詳しく解説します。また、T31型や初代モデルの中古評価まとめ、ナッパレザーやBOSEなどの高級装備の印象についても丁寧に触れています。
さらに、辛口評価が多いグレードの傾向、3列シートの使い勝手、中古購入時の注意点など、実際に選ぶうえで役立つ情報も満載です。エクストレイル選びで迷っている方は、ぜひ最後までご覧ください。
・新型エクストレイルの特徴
・各世代ごとの評価や中古購入時の注意点
・e-POWERやハイブリッド4WDの実力と燃費
・他車種との比較でエクストレイルの魅力
エクストレイル評価の全体像と世代ごとの違い

・新型エクストレイルの特徴と注目ポイント
・T32型とT33型の進化した点とは
・e-POWER搭載車の評価と実燃費
・ハイブリッド4WDの走破性能はどうか
・旧型モデル(T31・初代)の評価まとめ
・ナッパレザーやBOSEなど高級装備の印象
新型エクストレイルの特徴と注目ポイント
新型エクストレイル(T33型)には、これまでのモデルにはなかった革新的な技術と質感の向上が見られます。
特に注目すべきは、「e-POWER」システムの採用と電動四輪駆動技術「e-4ORCE」の組み合わせです。これにより、ガソリンエンジンを発電専用に使いながら、モーター駆動による力強い加速と優れた静粛性を両立しています。
また、内装面では従来のSUVらしい無骨さから脱却し、プレミアム感が一段と増しました。ナッパレザーシートや12.3インチの高精細ディスプレイ、ワイヤレスApple CarPlayなど、快適装備も充実しています。
こうした装備は、従来の「アウトドア寄り」なSUVイメージだけでなく、都会的で洗練された雰囲気も求める層にとって魅力的です。
安全性能についても高く評価されています。プロパイロット2.0の搭載により、高速道路での自動運転支援機能がさらに進化しました。これは、長距離ドライブを快適にこなしたいユーザーにとって大きな安心材料となるでしょう。
このように新型エクストレイルは、パワートレイン・内装・先進安全技術という3つの軸で大きく進化を遂げており、ファミリー層からソロドライバーまで幅広く支持されているのが特徴です。
T32型とT33型の進化した点とは

T32型とT33型の間には、見た目だけではなく中身にも大きな違いがあります。
まず目につくのは、デザインの変化です。T32型は丸みを帯びたシルエットが特徴でしたが、T33型では直線的でシャープな印象に仕上がっており、よりSUVらしい堂々とした佇まいを醸し出しています。
しかし、真の違いはパワートレインと走行性能にあります。T32型まではエンジンで直接駆動する仕組みでしたが、T33型ではe-POWERが採用されました。つまり、エンジンはあくまで発電専用で、車輪はモーターによって駆動されます。
この構造により、アクセルを踏んだ瞬間から滑らかで力強い加速を体感できるようになっています。
また、T33型には日産が新たに開発した「CMF-C」プラットフォームが用いられており、乗り心地や静粛性が一段と向上しています。さらに、e-4ORCEによって、四輪を緻密に制御することで悪路や雪道でも安定した走行が可能です。
インテリアに関しても大幅な質感アップが図られました。T32型が実用性重視だったのに対し、T33型は上質さと先進性の両立を意識した設計になっており、デジタルメーターや大型ディスプレイなども標準装備されるグレードが増えました。
こうした点を踏まえると、T33型は単なるフルモデルチェンジに留まらず、新時代のSUVとしての完成度を大きく引き上げた存在といえるでしょう。
e-POWER搭載車の評価と実燃費
e-POWERを搭載したエクストレイルは、一般的なハイブリッド車とは一線を画す仕組みを採用しています。エンジンで発電し、走行はすべてモーターが担当するという構造により、電気自動車のような滑らかで力強い加速を実現しているのが最大の魅力です。
ユーザーの声を見ても「ストレスのない加速感」や「街乗りでの静かさ」に対して高い評価が多く見受けられます。特に低速域での反応が良く、交差点の発進や登坂路でも力強さを発揮します。
エンジンが直接駆動に関わらないため、トルクの出力がリニアであり、EVライクな乗り味と評されています。
一方で、気になるのは燃費性能です。カタログ上ではWLTCモードで18.4km/L程度とされていますが、実燃費はユーザーの使い方によって差があります。市街地メインでは14〜16km/L程度、高速道路ではエンジンの稼働頻度が高くなるため、12〜14km/L前後に落ち着くことも珍しくありません。
ただし、加減速が多い街中での効率は高く、電動車らしいメリットが際立つ場面です。逆に、長距離・高速走行が多いユーザーにとっては、ハイブリッドやディーゼルとの比較も必要です。
総合的に見れば、静粛性・加速性・市街地燃費の良さが評価されており、短距離・都市型の使い方を想定している方には非常に適した選択肢といえるでしょう。
ハイブリッド4WDの走破性能はどうか

日産エクストレイルにおけるハイブリッド4WDの魅力は、その制御精度の高さにあります。
特にe-4ORCEと組み合わせた場合、その真価を発揮します。e-4ORCEは前後のモーターを独立して制御できるため、滑りやすい路面や急な坂道など、従来の機械式4WDでは難しかった繊細なトルク配分が可能です。
これによって、たとえば雪道や雨天時の峠道でもタイヤが空転しにくく、車体が安定した姿勢を保ちやすくなります。多くのSUVでは悪路走行時に姿勢が乱れたり、後輪に駆動が遅れて伝わることがありますが、エクストレイルのハイブリッド4WDはほぼ瞬時にトルクを配分できるのが特長です。
加えて、回生ブレーキとの協調制御により、減速時の姿勢安定性も向上しています。これにより下り坂やコーナーでも安心してブレーキングできるため、長距離ドライブでも疲れにくくなっています。
とはいえ、走破性能が高いとはいえ、オフロード専用車のようなハードな地形を走破する設計ではありません。岩場や泥沼地のような極端な環境では限界もあります。
それでも、都市部から郊外、さらには雪国での使用を想定しているユーザーにとっては、日常からレジャーまで対応できる信頼性の高い4WDシステムであると断言できます。
旧型モデル(T31・初代)の評価まとめ
日産エクストレイルの旧型モデル、特に初代(T30型)および2代目T31型は、今なお根強いファンを持つSUVです。
初代モデルは2000年代初頭に登場し、当時の日本市場では珍しい“本格クロカン風”のスタイルが話題となりました。角ばったデザインと直線的なボディラインは、アウトドア志向のユーザーに特に好評で、「四角くて男らしい」「荷物が積みやすい」といった実用性への高い評価が目立ちます。
一方で、2代目T31型になると、内外装の質感や静粛性が向上しました。
エンジンも2.0L・2.5Lに加えてディーゼルエンジンも登場し、選択肢の幅が広がったことも高評価の一因です。とくにMT仕様のディーゼルモデルは一部ユーザーから「今でも最高の走りが楽しめる」と支持されています。
悪路での走破性や、車中泊に使いやすいフルフラット構造なども評価され、タフギアとしてのイメージが定着しました。
ただし、古さを感じさせる部分も否めません。ナビの使い勝手やインパネ周辺のデザインは現代の車と比べてややチープな印象を受けることもあります。それでも、手頃な価格で“らしいSUV”に乗りたい方には、T31型は今でも魅力的な選択肢といえるでしょう。
ナッパレザーやBOSEなど高級装備の印象

エクストレイルといえば「道具としてのタフなSUV」というイメージが先行しがちですが、T33型ではその枠を大きく超えた装備が注目されています。
代表的なのが、ナッパレザーシートとBOSE製プレミアムサウンドの採用です。これまでのエクストレイルにはなかった“高級感”というキーワードが、装備面からもしっかり感じ取れるようになりました。
ナッパレザーは一般的な合皮とは異なり、手触りが非常に柔らかく、肌が直接触れてもベタつかないのが特徴です。
見た目も上品で、インテリアの雰囲気を一段引き上げてくれます。特にフロントシートにはシートヒーターやベンチレーション機能も備えられており、快適性は一クラス上のSUVと遜色ありません。
また、BOSEサウンドシステムはドライブの楽しさを高めてくれる装備のひとつです。
標準スピーカーとの違いは明らかで、低音の厚みや中高域のクリアさが段違いです。お気に入りの音楽を高音質で楽しめるだけでなく、ナビの音声ガイダンスや通話音声も聞き取りやすくなります。
このように、高級装備は単なる“見た目の豪華さ”ではなく、日常の使い勝手や快適性に直結する部分でもあります。アウトドアだけでなく、日々の移動時間を心地よく過ごしたい方にとっては、こうした上級装備の搭載は非常に魅力的といえるでしょう。
エクストレイル評価が分かれる理由と選び方のコツ

・辛口評価が多いグレードや年式の傾向
・3列シートモデルの使い勝手をチェック
・中古購入時の注意点と人気モデル
・乗り心地・静粛性はどこまで進化した?
・衝突安全性能やプロパイロットの評価
・ハリアーと比較して見えてくる選択基準
辛口評価が多いグレードや年式の傾向
エクストレイルは世代やグレードによってユーザー評価に差が出やすい車種でもあります。
特に辛口の声が目立つのは、T32型前期モデルに多く見られる「2.0Lガソリンエンジン+FF」の組み合わせです。走行性能や燃費において“中途半端”という印象を持たれることがあり、「力不足」「アクセルを踏んでも反応が鈍い」といった声が聞かれます。
また、初期のハイブリッド車に対しても辛口な意見が寄せられています。T32型のハイブリッドモデルでは、発進時のモーターとエンジンの切り替えタイミングがややぎこちなく、「スムーズさに欠ける」「燃費は期待ほどではなかった」といった評価がありました。
これに加え、バッテリーの劣化による航続距離や出力の低下を指摘する声もあります。
装備面では、前期型での安全装備の不足が挙げられることがあります。特に自動ブレーキが全グレードに標準化されていなかったため、購入時にはグレードごとの装備差を慎重に確認する必要がありました。
加えて、ナビやインパネ周りのデザインに対して「古臭い」「操作が直感的でない」といった感想も目立ちます。これは日常の利便性に影響するため、ユーザー満足度に直結しやすい部分です。
このように、エクストレイルの中でも年式やグレードによっては購入後の満足度に差が出るケースがあります。中古車を検討している方は、事前にレビューをしっかりチェックすることをおすすめします。
3列シートモデルの使い勝手をチェック

エクストレイルの3列シートモデルは、ファミリー層を中心に一定の需要がありますが、実際の使い勝手については賛否が分かれる部分です。まず、3列目の座席スペースに関して言えば、大人が長時間座るにはやや厳しいサイズ感といえるでしょう。
膝まわりの空間が限られており、身長170cm以上の人には窮屈に感じられることが多いです。
一方で、子どもや小柄な人であれば問題なく使用でき、短距離の移動や緊急時の“エクストラシート”としては十分に機能します。前述の通り、3列目は床が高く設定されているため、足を深く下ろせない構造になっており、姿勢を崩しがちになるという欠点もあります。
また、荷室との兼ね合いも考慮すべきポイントです。
3列目を展開するとラゲッジスペースは大幅に減少し、ベビーカーや旅行用の大型スーツケースを積むのは困難になります。これを回避するには3列目を折りたたんで2列仕様として使うのが現実的な選択となるでしょう。
一方で、3列目を折りたためば完全なフラットな空間ができるため、車中泊やアウトドアギアの積載には非常に便利です。特にT33型では、座席の折りたたみが簡単になっており、女性や年配者でもスムーズに操作できる点は好印象です。
総じて言えば、3列目は“常時使用”にはやや不向きですが、“いざという時に便利な座席”としての価値は十分にあります。家族構成や使用目的に応じて、柔軟に使い分けられるのがエクストレイル3列モデルの強みです。
中古購入時の注意点と人気モデル
中古でエクストレイルを検討する際、見落としがちな点に注意を払うことが失敗しないカギとなります。特にT31型やT32型は流通台数が多く、価格帯も広いため、選択肢が豊富な反面、状態の見極めが重要です。
まず注意したいのが、4WDシステムの整備記録の有無です。悪路走行を想定した設計のため、定期的な点検を怠るとトランスファーやカップリングに不具合が生じるケースがあります。
また、ハイブリッドモデルの場合はバッテリーの劣化状況も見ておくべきポイントです。
特に初期型のT32ハイブリッドは10年を超える車両も出始めており、蓄電性能の低下が走行性能に影響を与えることもあります。購入前には、OBDスキャンなどでバッテリー状態を確認できると安心です。
一方で、人気が高いのはT31のディーゼル4WDや、T32後期のプロパイロット搭載車。
これらは価格と装備のバランスが良く、「ちょうどいい中古SUV」として安定した需要があります。見た目よりも中身の状態を重視し、信頼できる販売店や認定中古車から選ぶことで、長く満足のいくカーライフが実現できるでしょう。
乗り心地・静粛性はどこまで進化した?

エクストレイルは、その進化の過程で“道具としてのSUV”から“乗り心地を重視した快適カー”へと大きく舵を切りました。
T31型まではやや硬めのサスペンション設定で、悪路走破性を重視したタフな乗り味が特徴でしたが、T32型以降は大幅に快適性が向上。特にT33型になると、プラットフォームの刷新やボディ剛性の強化により、路面からの衝撃をしっかり吸収してくれる印象があります。
静粛性の面でも顕著な変化が見られます。
前述のように、T31まではエンジン音やロードノイズが室内に伝わりやすく、長距離運転では疲れやすいといった声もありました。しかし、T33ではドアやフロアに遮音材が多用されており、高速走行中も会話がしやすい空間が保たれます。
特筆すべきはe-POWER搭載車の静粛性です。エンジンが発電専用となるため、アクセルを踏んだ時の加速フィールは電動車そのもので、エンジン音が割り込んでこない滑らかさは、一度体験すると癖になるレベルです。
これまで「ガソリン車っぽさ」が残っていた部分が、T33でようやく払拭されたという声も多く、進化の幅は大きいといえるでしょう。
衝突安全性能やプロパイロットの評価
安全性能におけるエクストレイルの進化は、T32後期以降で大きく飛躍しています。
特にT33型では「日産セーフティシールド360」に準拠した先進安全装備が全車標準化されており、自動ブレーキ、車線逸脱警報、後側方衝突防止アシストなど、都市部でも郊外でも安心して運転できる装備が整っています。
また、注目されているのがプロパイロット(運転支援システム)の完成度です。T32後期から採用され始め、T33では制御精度がさらに高まりました。
高速道路での渋滞時や長距離移動では、アクセル・ブレーキ・ステアリングを支援してくれることで、ドライバーの負担が大幅に軽減されます。実際に使用したユーザーからは「疲れ方がまるで違う」「高速ではもう手放せない」といった高評価が多数寄せられています。
衝突安全性能そのものも高い評価を受けており、各種クラッシュテストでは高水準のスコアを記録。子どもを乗せる家庭でも安心して選べる要素のひとつです。こうした多層的な安全対策が、エクストレイルの信頼感を底上げしていると言えるでしょう。
ハリアーと比較して見えてくる選択基準

同じミドルサイズSUVとして人気の高いトヨタ・ハリアーと日産エクストレイル。この2台はしばしば比較の対象になりますが、それぞれの方向性ははっきりと分かれています。
ハリアーは「ラグジュアリー性」を重視したモデルであり、静粛性・内装の上質さ・デザイン性において高い評価を受けています。一方、エクストレイルは「多用途性」や「実用性」が強みであり、アウトドア用途やファミリーユースでの取り回しの良さが魅力です。
たとえば、後席の広さや荷室のアレンジ性ではエクストレイルに軍配が上がるケースが多く、特に3列シートやe-POWERモデルを選べる点が差別化ポイントです。
また、悪路走行や雪道での安定性も高く評価されており、4WDシステムの信頼性ではエクストレイルが一歩リードする場面も見られます。
逆に、街乗りでの高級感やデザインを重視する人にはハリアーが適しているでしょう。内装の仕上げやタッチ操作系の装備はハリアーの方が洗練されており、“乗っていて気分が上がる車”という点では強い魅力を持っています。
結局のところ、「家族と一緒に荷物も積んでキャンプに行きたいのか」、「通勤や週末の買い物で快適に移動したいのか」といったライフスタイルによって、選ぶべき車は変わってきます。どちらが優れているかではなく、自分の使い方に合った“最適解”を見つけることが最も大切です。
まとめ:エクストレイルの評価について

・新型エクストレイルは内外装の質感が大きく向上
・T33型は静粛性と走行安定性に優れる
・T32型は価格と装備のバランスが取れている
・e-POWER搭載車は街乗りでの燃費に定評あり
・ハイブリッド4WDは悪路走破性も十分
・初代・T31型は武骨なデザインが根強い人気
・高級装備のナッパレザーやBOSEは満足度が高い
・一部グレードでは乗り心地が硬いとの声もある
・古い年式ではCVTや電装系の不具合に注意が必要
・3列シートは緊急用として割り切った使い方が必要
・中古市場ではT32後期とT33前期が人気モデル
・衝突安全性能や運転支援機能の評価が高い
・プロパイロット搭載グレードは高速走行で好評
・ハリアーと比べると積載性や4WD性能で優位性あり
・家族向けSUVとして実用性の高さが評価されている
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